スイスが誇る金細工職人とジェモロジストを擁するピアジェ。70年代のパワフルなファッションアイコンたちを魅了したブランドを現代女性はどう身につけるべきか、スタイリスト清水奈緒美さんが提案する
ピアジェ「サンライトネックレス」
ラグジュアリーな印象のピアジェを現代的にまとうなら、プレーンなニットに重ねてシンプルなスタイルを心がけたい。色石の贅沢な輝きを存分に楽しめる。
ファッションアイコンの歴史にも造詣が深い清水さんにとって、ピアジェを語る上でジャクリーン・ケネディ・オナシスははずせない。
「映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』（16’）で俳優ナタリー・ポートマン演じるジャクリーンの手もとにはゴールドの美しい時計が燦然と輝いていました。ジャッキー本人が身につけていたものから着想を得たピアジェのジュエリーウォッチです。小ぶりながらもきらめく、ジュエリーウォッチの存在が非常に印象的でした。私の中ではピアジェはジュエラーでありながらも、時計の職人技に基づいた確かな技術力を感じさせるブランドです」
ピアジェ「ポセションリング」「サンライトリング」
ポセションリングは時計に用いられるゴールドに繊細な彫刻を施したパレス装飾とジェムストーンがセットされた贅沢な仕様。
「ダイヤモンドとジェムストーンの二本のリング部分が回転する仕様になっています。カラフルなサファイアのジェムストーンは、これからどんな色石を身につけようか迷っている方にこそすすめたい。くるくると回る遊び心のある動きが表現する、この機械的な仕組みはピアジェならでは。そして、地金の上質さにも惹かれています。ジェムストーンとプレートのリング、共に純度の高いピンクゴールドが使われており、品のよい輝きがとても美しいです」
前出のジャッキーをはじめ、エリザベス・テイラーやソフィア・ローレンなど70年代のファッションアイコンたちが好んだピアジェの都会的なムードに、清水さんは今でも憧れを抱いている。
「有機的なデザインを得意とするハイジュエラーも多いですが、ピアジェはどちらかというとビビッドな色使いやグラマラスなデザインが多く、リッチな時代を象徴するタフネスさを感じさせるジュエリーが豊富なところも好きです。一方で、右ページのアイスクリームのようなネックレスも含むサンライトコレクションもモダンで魅力的。きゃしゃで繊細な色石が光を受けてキラキラと輝く様は、リュクスな時代への郷愁も感じさせますね」
スタイリスト。ファッション誌の編集者を経て、2010年よりスタイリストとして独立。ものを選ぶ審美眼にファンも多数。モード誌を中心に、広告や俳優のスタイリングも手がける。
