レッドカーペットからテクノラボ、真珠をめぐる旅

©Photo by Getty Images

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例年以上にスケールアップした「メット・ガラ」で、セレブリティのドレスアップに貢献していたのがTASAKIのハイジュエリー。その真珠を用いたヘッドピースを装い、ダイアン・クルーガーはとりわけ目を引いていました。耳と一体化する生命体のようなイヤリング『ブイ』はプラバル・グルンによる『TASAKI Atelier』のもの。まさに海から生れ出たビーナスのごとし。そもそもパールといえば海の恵みだし……とうっとり感じ入っていたところプレスの方から、「真珠が誕生するまでの工程を、見学しにきませんか?」とお誘いを受け、ふたつ返事で参加することに。

ここは真珠の生まれ故郷、九十九島。ちなみに写真に見えるはおなじみのブイです。プラバル・グルンはこれを着想源に冒頭のイヤリングをデザインしたとのこと。このプカプカ浮かぶ物体から『スター・ウォーズ』の女王アミダラがつけていそうな進化形ジュエリーが生まれるのですから、クリエーションの飛躍たるや!

ところで映画「ラスト・サムライ」のロケにも使われたというこの地は、文字通り多くの島が点在するがゆえに栄養が堆積しやすくアコヤ貝が緻密に真珠を「巻く」とのこと。やはり自然の恵みなのねと理解したつもりが、そんな単純な話じゃない。

フェリーを降りてすぐ案内されたのは、PerfumeのPVにでも出てきそうなテクノ空間。ここは赤ちゃん貝を育成するラボの一室です。写真は稚貝のエサである植物性プランクトンの培養ルーム。LEDの波長で光合成を促し、稚貝の成長段階に合わせて濃度をアップしています。ラボでは父母貝の掛け合わせも研究中。例えばおなじアコヤ貝でも、生命力の強いアブダビ生まれときれいな和貝を結婚させ、「強く美しい」子どもを誕生させるとか。風光明媚な世界に突如カットインするSF的要素。プラバルも潜在的に影響されたに違いありません。

こうしてすくすく育ち、職人の緻密な技でひとつひとつ挿核されたアコヤ貝は養生いかだでしばしの休息を経て再び自然に放たれる。人間のコントロールが及び難い海で、職人はいかに「貝が笑う」環境を保つかに気を配ります。細やかな観察と管理はいわば貝との”コミュニケーション”。

最先端のテクノロジーと愛をハイブリッドした世界最強の真珠。映画のスーパーヒロインさながら、私たち大和撫子も身に付けたいものです。ハリウッドセレブに独占させていたらもったいない!

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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