60年代から続く、幸運のモチーフ

1896年に創業したヴァン クリーフ&アーペルに初めて「アルハンブラ」コレクションが登場したのは1968年のこと。けれどもメゾンの歴史を紐解くと、1920年代に木製のお守り、ラッキーチャームなどと並び、四ツ葉のクローバーが記録に登場する。

天性の蒐集家であったジャック・アーペルは、自宅の庭で四ツ葉のクローバーを見つけては摘み取り、決して希望を失ってはならないというメッセージを込め、同僚へと贈っていたという。

その四ツ葉のクローバーに着想を得て、1968年に最初に制作されたのが、イエローゴールドの20個のクローバーが連なるアルハンブラ ロングネックレス。以来、メゾンの象徴と幸運のシンボルとして、確固たる地位を築いていきた。

1977年6月のヴァン クリーフ&アーペル「ラ ブティック」の広告 ©Procom
1977年6月のヴァン クリーフ&アーペル「ラ ブティック」の広告 ©Procom
 

さまざまな素材と色、洗練されたフォルムを大胆に組み合わせたアルハンブラは、60年代から70年代にかけて起きたファッションの変化とぴたりとマッチ。モナコ公妃のグレース・ケリーや、女優のロミー・シュナイダーなど多くのセレブリティも愛用。

ジュエリーとメゾンの歴史にその名を刻んだアルハンブラは、時代とともに常に新しさを追求。1998年にはアルハンブラウォッチが登場し、新たな可能性を広げると、2001年にはゴールドビーズを排したピュア アルハンブラを発表。2006年にはクローバーに加え、バタフライやハートモチーフを取り入れたラッキー アルハンブラ、大小のモチーフがリズミカルな動きをもたらすマジック アルハンブラ、2007年にプチサイズがフェミニンなスウィート アルハンブラが誕生した。その世界を広げ続けているアイコンジュエリーの今後にも注目したい。

ヴァン クリーフ&アーペル デスク
http://www.vancleefarpels.com/
0120-10-1906

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