
少し前までよく使われた “セミプレシャスストーン” という言葉。最近そういえば聞かなくなったな、と思ったらどうやらジュエリー業界の裏事情があるとカピル氏は言う。
「鉱物の硬さを示す、モース硬度という値に応じて、かつてはプレシャスストーンとセミプレシャスストーンが区別されてきました。水晶のモース硬度が大体7くらい。それより硬ければプレシャスストーン、といった調子です。しかしそもそもセミプレシャスストーンという呼称は、厳密な規格に沿ったものではありませんでした。どちらかというと、安定して供給できて、高値で取引できるプレシャスストーンの価値を高めるために使われていた呼称です」。
最近では、カラーストーンをより自由に楽しもうという風潮もあり、多くの天然石をプレシャスストーンとして扱うという。
「中でも個人的におすすめしたいのは、コンゴ産のトルマリン。数あるカラーストーンの中でも、特に色の豊富さで知られるトルマリンですが、コンゴ産は他の産地では見られない柔らかなパステルトーンが特徴です」。








