
靴¥203,500/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン(ボッテガ・ヴェネタ) タイツ/スタイリスト私物 その他/1カット目と同じ
ミニマルながら美しいシルエットにメゾンのモダンな感性が宿るシアリングのコートは、大人の女性のための一着。「40代になって初めてトライしたハイトーンのヘアスタイルが今の自分にしっくりきていて。こんな大胆な洋服にも似合うし、ファッションの幅を広げてくれています」。
interview with AOI MIYAZAKI
デビューは4歳。以来テレビや映画で活躍してきた、俳優の宮﨑あおいさん。今年はNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で織田信長の妹であるお市の方を演じ、2008年に「篤姫」で主演を務めて以来の大河ドラマ出演を果たして話題を呼んだ。
「主演の仲野太賀さんと池松壮亮さんのお二人が力を合わせて現場を盛り上げていて、新しく参加する人もウェルカムな姿勢で迎え入れてくださいます。素敵だなあと思いました。『仲野さんの大河が見たい!』と思ってお引き受けしたところもあるので、主役として駆け抜ける彼の姿を近くで見られるのが何よりうれしいです」
そう言って笑顔を見せる。年齢を重ねても、持ち前のフレッシュなムードは驚くほど変わらない。それは、ひとつひとつの仕事に対する真摯な姿勢も同じだ。
「いろんなご縁で今ここにいるんだなあと感謝する機会が、年齢とともに増えています。先日は映画の撮影に参加して、やっぱりこの仕事が好きだなとしみじみ実感しました。たっぷり時間をかけてひとつのシーンを撮ったり、モニターではなくカメラの前で監督が見てくれていることを感じながら演技をしたり。そのような体験がまたできて幸せでした。さまざまな分野のスタッフが、ひとつのゴールを目指して何度もテストを繰り返し、カメラワークや役者の芝居も含めて全部がピタッとはまったときに初めてOKが出る。そうやってみんなで力を合わせる過程が大好きです」
長いキャリアを重ね、仕事の現場では自分より年下の俳優と接することも増えた。先輩としての責任を感じつつ、あくまでも自然体で過ごすようにしている。
「私がこの仕事をずっと続けてこられたのは、撮影現場で楽しそうに仕事をする大人たちの姿を見てきたことが大きいです。先輩たちの背中を見て素敵だなと思ったように、私も、下の世代から素敵だなと思ってもらえるような働き方ができたらいいですね。自分が真剣に楽しんでいれば、その気持ちはきちんと周囲に伝わるはず。『楽しい』は人の心を動かすと思っています」
「いつもご機嫌でいるというのが人生のテーマ。年齢を重ねて、ご機嫌の波に乗るのが年々うまくなっている気がします」と話す宮﨑さん。そのコツは?と聞くと、しばらく考えたのちにまっすぐな瞳で「自分で決断すること」と答えてくれた。
「基本的にはなんでも受け入れるタイプですが、決断だけは人任せにしないようにしています。そうすれば、物事がどう転んでいっても納得がいくので。たとえ思ったように進まなくても、そこにとらわれないようにしています。たとえば電車に乗り遅れてしまっても、『次の電車に乗る意味があったのかも』とポジティブに考えるクセがついているんです」
忙しい日々を前向きに乗りこなす。その元気の源はささやかな日常に。
「たとえば冷蔵庫の中に入っている食材を片っ端から切っていって、スペースが空いていくのがうれしかったり、ペンを一本使い切ったら『今日はラッキー!』と思ったり。そうやって小さな喜びを見出すのが得意ですね。だから毎日が楽しいです」
そして今、夢中になっているのは、仕事がきっかけで出合ったというサーフィン。インドアな趣味が多かった宮﨑さんが、役作りの一環として練習をしているうちにのめり込んだ。
「初めてだったけれど一応は立つことができて、うれしくて撮影期間中は毎日のように海に入っていました。でも、海が少しいつもより荒れていたときは全然波に乗れなかった。それがなんだかうれしかったんです。自然には絶対にかなわないと思えることが、心地よかった。地球に遊んでもらっている感覚が、喜びにつながりました」
そう自然体で語る。現在40歳の彼女に、将来の夢を聞いてみた。
「おうちで着物を着て生活するおばあちゃんになりたい! 朝起きたら自分で着付けて、1日を始める。そういう暮らしをしたいという思いがずっとあります。時間的にも気持ちの上でも余裕がないとできないことなので、今はなかなか難しいけれど、いつか実現させたいですね」