先日、友人と食事に出かけたとき、通された席の近くに大人数のグループが座っていた。時節柄、会社か何かの忘年会なのだろう。みんないい具合にできあがり、大いに盛り上がっていた。
陽気な話し声をBGMに、飲み会の理想的な人数は何人かという話をした。6人以上になると話題がバラバラになりがち。かといって5人は中途半端だし、4人でも2:2に分かれてしまう可能性がある。ゆえに3人ぐらいがちょうどいいんじゃないか。カルパッチョをつまみながらそんなことを言い合っていたら、となりの宴は一本締めで締めくくられた。あっという間に年の暮れだ。
自分自身、年齢を重ねるごとにいろんなバランスを気にしなければならなくなったように思う。ホルモンのバランス、仕事と家庭のバランス、「母」と「女」のバランス。つねに何かと何かを天秤にかけ、釣り合いを取りながら生きている。だが、いつも水平でいようとするのはくたびれる。だったらいっそのこと、垂直にしてしまったらどうか。心のつまみをグイッとひねるように。
建前なんか気にせずに、自分の感情に正直になってもいい。好きなことや、好きな人の前では、「母」であることを忘れて夢中になってもいい。縦並びの真珠は、そんな思いを表象しているかのよう。
連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。