思い出の国へ【サンメイア】のネックレス #117

もしも翼があったなら。誰にでも、一度や二度くらいはそんなふうに考えることがあるかもしれない。昔から飛行機が苦手な私は、常々そう思って生きてきた。入国審査も手荷物検査もない、自由気ままな空の旅がしてみたい。冷静に考えれば、たとえ翼があって好きなところへ飛んでいけたとしても、自力で大海を渡るのは至難の業だろうけれど。

ロンハーマン限定! 日本人デザイナーが手がける、サンメイア(SAN MARE)の「フェアリーバード」ネックレス

空に向かって飛び立つ鳥をK18ゴールドでかたどったのは、ロンハーマン限定で展開されているジュエリーブランド、サンメイア(SAN MARE)の「フェアリーバード」ネックレス。500円玉大のモチーフには、羽のラインまで丁寧に彫り込まれ、頭から尾の先までダイヤモンドがびっしりと敷きつめられている。まるで太陽を背に、降り注ぐ陽光を浴びて輝いているかのよう。胸もとにそっと羽ばたかせてみれば、まだ見ぬ遠い世界へと連れて行ってくれそうな気がする。一石一石のきらめきに、幸せのかけらを見たような気持ちになる。

ふと、幸せって何だろうと考えたとき、幼い頃によく読んでもらった「青い鳥」という童話を思い出した。光の妖精とともに、幸せの青い鳥を見つける旅に出たふたりの兄妹は、いろんな国で青い鳥に出合う。だが、つかまえて持ち帰ろうとすると、みんないなくなってしまう。遠くまで追い求めても、幸せの青い鳥は結局手に入らなかった。がっかりして家に帰ると、飼っていた白い鳥が、青い鳥に変わっていたという話。幸せというのは、案外すぐそばにあるもの。そのことに私たちはなかなか気づけないものだということを、この物語は伝えている。

大人になって読み返すと、深く感じ入る場面があった。青い鳥を探して「思い出の国」を訪れたふたりが、亡くなったはずの祖父母に再会する。不思議がるふたりに、光の妖精はこう話す。「誰かが覚えている限り、人は本当には死なない」。そして、生き返ったおばあさんが語りかける。「私たちのことを思い出してくれるだけでいいんだよ。そうすれば、いつでも私たちは目覚めて、お前たちに会うことができる」。生きている人が記憶を持ち続ける限り、その人は死なない。大切な人の死を経験してきた今だからこそ、心に強く響く言葉だ。

フェアリーバード ダイヤモンド ネックレス〈K18YG、ダイヤモンド〉¥605,000
フェアリーバード ダイヤモンド ネックレス〈K18YG、ダイヤモンド〉¥605,000

サンメイアのきらめく鳥は、決して「青く」はない。でも、素肌にそっと重ねてみるとき、生き物を愛していた亡き祖母の記憶が甦ってくる。犬も猫も、金魚も、祖母が育てた動物はみんな丸々と太っていた。公園の鳩にすらエサをあげてしまうような人だった。ふとそんなことを思い出し、私は私の「思い出の国」で、思いがけず祖母に再会した。翼はなくても、このネックレスのフェアリーバードが連れて行ってくれた。幸せの青い鳥は、いつもそばにいる。今はそんな気がしている。

ロンハーマン(サンメイア)
http://ronherman.jp/
0120-008-752

連載「寝ても覚めてもきらめきたいの」:SPURエディターがパーソナルな感情とともに綴るジュエリーエッセイを堪能して。

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