シャネル “J12”、20年の歩み。歴代5モデルをピックアップ

言わずと知れた、シャネルの代表的なタイムピースである “J12”。シャネル初の本格的機械式腕時計としてデビューしたこのスポーツウォッチは、性別や世代を問わず幅広く愛されてきた。今回は歴代の “J12” の中から、アイコニックなクリエイション5本をピックアップしてご紹介しよう。

【2003年】初のホワイトセラミックモデルが登場、一大トレンドへ

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今や “J12” の代名詞となった高耐性ホワイトセラミックが登場したのが2003年のこと。ミニマルかつクリーンなデザインは、現在も現行モデルとして男女問わず幅広く支持されている。日常使いに適した昨日的な素材、高耐性セラミックを用いたウォッチはその後一大トレンドとなり、シャネルは時計業界におけるトレンドメーカーとしての立ち位置を確立させた。

【2008年】高精度の自動巻ムーブメントを搭載した、マニア垂涎モデル

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シャネル初の本格的機械式時計としてデビューした “J12”。2008年に登場したのが、スイスの名門マニュファクチュールであるオーデマ ピゲとの共作であるモデル。スリークなブラックセラミックと、イエローゴールドのコントラストが個性的なこのモデルには、シャネルのために特別に制作されたキャリバー「CHANEL-AP3125」を搭載。時計愛好家からも高い評価を受けた。

【2015年】ハイジュエリーとコンプリケイションを両立させた唯一無二の一本

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洗練されたデザインで、幅広い世代から愛されてきた “J12” は、20年の歴史の中でハイエンドなクリエイションも度々打ち出してきた。中でも特筆すべきは、2015年に発表された一本。スケルトン構造のムーブメントに、シャネルのアイコンの一つであるコメット (彗星) を取り入れた革新的なフライングトゥールビヨンを搭載。卓越したウォッチメイキングとハイジュエリーのサヴォアフェールが可能にしたマスターピースだ。

【2016年】高いファッション性を叶えた、小ぶりな “J12・XS”

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“J12” といえば、存在感のある33mm、38mmのケースが定番。しかし2016年に発表された “J12・XS” モデルは、19mm という小ぶりなケースでそのイメージを刷新。大ぶりなバングルと一体型になったモデルなど、ユニークかつファッション性の高いラインナップで話題を呼んだ。

【2020年】“矛盾” をはらんだ、独創性溢れる最新モデル

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“J12 パラドックス”〈ケース径38mm、高耐性セラミック、自動巻〉¥865,000

20周年を記念し発表された最新モデル、その名も “J12 パラドックス”。J12の特徴であるミニマルなデザインを生かした、大胆なブラック&ホワイトのコントラスト目を引く独創的な出で立ちが目を引く。スイス公認クロノメーター検査協会の認定を受けた、自社製ムーブメント「キャリバー 12.1」を搭載した、才色兼備な一本。

リニューアルした “J12”、その魅力に迫る

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“J12” 各〈ケース径38mm、高耐性セラミックケース・ブレスレット〉¥640,000

“J12” の生みの親は、当時シャネルのアーティスティック ディレクターであったジャック エリュ。イニシャルのJは、彼の名前の頭文字、そしてマリンスポーツ好きであった彼にちなみ、世界一古いヨットレースである「Jクラス」に由来している。セラミックという革新的なマテリアル、そしてミニマルモダンなデザインで話題を呼んだ “J12” は、その後ウォッチ業界にセラミック素材のブームを生み出した。

当時を振り返り、「その大胆不敵さと威厳に心を引き付けられた」と語るのは、今回のリニューアルを手がけたアルノー シャスタン。「何も変えずにすべてを変える」というコンセプトのもと、ケースからムーブメントまで、約70%の構成要素を変更したという。確かにオリジナルと見比べると、若干スマートになった印象はあるものの、一見するとどこが変わったか気づかないほどさりげない。このことからも、以下に当時のクリエイションがモダンであり、なおかつタイムレスなものであったかが伺える。20年を迎え、さらに進化を続ける “J12” から、まだまだ目が離せそうにない。

シャネル(カスタマーケア)
https://www.chanel.com/
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text:Shunsuke Okabe

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