稀なるジェムの美学と科学
神秘的なカラーストーンの世界へようこそ。悠久の時間と、地中深くの不思議な化学反応が生成する色彩。その美に魅せられた人の手が形作るデザインに、想いを馳せたい
稀なるジェムの美学と科学
神秘的なカラーストーンの世界へようこそ。悠久の時間と、地中深くの不思議な化学反応が生成する色彩。その美に魅せられた人の手が形作るデザインに、想いを馳せたい
ジェムストーンジュエリー
人類とカラーストーンジュエリーの歴史は紀元前約3000年、古代エジプト文明に遡る。ターコイズ、カーネリアンなどが神殿や王墓の装飾に用いられ、また、紀元前2500年頃のインダス文明遺跡もそれらの天然石にデザインを施した装飾品が出土した記録がある
ブルー
空と海の色を写し取るブルーの宝石。3大貴石のひとつといわれるサファイアや古代エジプト文明やアメリカ先住民の間で珍重されたターコイズ、クォーツ(石英)の細かな結晶が網目のように集まり生まれた鉱物カルセドニー、光の照射によりさまざまな青の色相に変化するブルートパーズなど、世界中で神聖な象徴として愛されてきた
イエロー
太陽から降り注ぐ光や、果実のみずみずしさを思わせるイエローのジェムストーンは、人々をエナジャイズする存在として捉えられてきた。ダイヤモンドの主成分、炭素に窒素が含有されて生まれたイエローダイヤモンド、コランダムに微量元素が反応し生まれたイエローサファイアなど、自然から生み出される彩度や生成要素も多様だ
グリーン
生い茂る植物や鮮やかな生物たちが見せる色、グリーン。自然や命の再生を司る宝石として神聖視されてきた歴史がある。エメラルドは、その美しさと稀少さから現代でも3大貴石とうたわれ、また、古代エジプトではペリドット、マラカイトが、古代中国と中南米では、ジェイドが魔除けの石として愛されてきた
ピンク
身につければ、薄紅のように肌に血色を灯すピンク色のナチュラルジェム。古来、生命力や美の象徴とされ、ロマンティックな意味も込められてきた。サファイアやトルマリンは、夕焼けの色のような透明度の高いピンクを発色し、クォーツやオパールは、花や貝殻のような乳白色のやわらかな色合いを見せる
カラーストーンジュエリーを知るために
人々を魅了するカラーストーンは、地球が生み出した宝物。その美しさとともに、科学的・技術的背景を知ると、その輝きはさらに奥深いものになるはずだ。TASAKIカラーストーンエキスパートの方に聞いた
「色石=カラーストーン」とは?
色石(カラーストーン)の定義は、「ダイヤモンド以外の色のついた宝石」。色のついた宝石は数多くありますが、無色透明のロッククリスタル、ホワイトサファイアなども、ダイヤモンドでなければ色石に分類されます。その多くは地球内部で育まれた、一定の化学組成と結晶構造を持った物質です。それ以外にも、植物樹脂の化石である琥珀、生物由来のパールや珊瑚、鉱物と有機物の中間的性質を持つ非晶質のオパールなどがあります。
色石にはどんな種類がある?
石を組成する主成分により、いくつかの系統に分けることができます。ひとつの家系からさまざまな個性が生まれるように、わずかに違う成分が混じることで劇的に色が変化します
コランダム系
酸化アルミニウムを主成分にしたコランダムといわれる鉱物のグループ。モース硬度は9と高く、微量の元素の違いと色調によって宝石名が変わる


























