お気に入りのジュエリーを見せて!|俳優 フィリピーヌ・ルロワ=ボリューの場合

Netflixオリジナルドラマ『エミリー、パリへ行く』のシルヴィー役で世界的な注目を集めた、俳優のフィリピーヌ・ルロワ=ボリュー。この秋、グローバルアンバサダーを務めるポメラートの展覧会『ポメラート、ヘルムート・ニュートン&1980年代』の開催にあたり来日した彼女に、ブランドの魅力やジュエリーのスタイリングルールなど、大人のジュエリーの楽しみ方についてインタビュー。シルヴィーの“辛辣な”イメージとは裏腹に、取材中のフィリピーヌは終始エフォートレスでチャーミング。お気に入りの私物ジュエリーも紹介してくれた。

フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー ポメラート

ーーお母様はモデルとして活動されていましたが、ジュエリーデザインにも携わられていたとか。ジュエリーの捉え方に何か影響を受けましたか?

母はもともとジュエリーが好きだった記憶がありますが、私が11歳か12歳の頃にジュエリー制作を始めました。母が働く姿を通して、ジュエリー作りには欠かせないクラフツマンシップに関心を持つようになったんです。職人の手仕事を間近で見ることで、ジュエリーはただ美しいだけでなく、いかに心を込めて作られているか、に気づくことができました。

ーー素敵なジュエリーをたくさん目にしてきた中で、印象に残っているジュエリーを3つ挙げてください。

まずはファインジュエリーではないのですが、母がディオールのコレクションのために制作したカフが素敵でしたね。それからポメラートの「イコニカ」リング。最後に、母がいつもつけていたフープイヤリング。シンプルなゴールドのフープタイプでした。

フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー ポメラート

ーージュエリーを身につけるときのスタイリングルールはありますか?

ジュエリーがトゥーマッチに見えないよう、ひねりを加えることを心がけています。重厚で美しいデザインのジュエリーであれば、プリンセスのように着飾るのではなく、あえてカジュアルなスタイリングを意識したり。“オーバーチャージ”しないのが私のルール。装いにもユーモアのセンスは取り入れたくて。

ーージュエリー選びでは何を重視しますか?

やはりデザインですね。スタイルを感じられるジュエリーが好きなんです。

フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー ポメラート 私物ジュエリー

フィリピーヌのお気に入り。「イコニカ」のリング、「カテネ」のブレスレット、「ヌード」のリングなど

ーーポメラートとの出合いについて教えてください。

ポメラートといえばとてもピュアなデザイン、というイメージがあって。若い頃、ある女性の指にポメラートのリングがいくつかはめられていた様子がとても美しかったのをよく覚えています。とてもシンプルなのに、非常に印象的なデザインのリングでした。長い間惹かれてきたので、今こうやってポメラートのほうでも私に興味を持ってくれ(笑)、アンバサダーとしてブランドやジュエリーの魅力を語ることができるのはとてもラッキーだと思っています。

ーーアンバサダーとして、ポメラートのジュエリーをまとう機会が数多くあると思いますが、特にお好きなコレクションは?

私はリング好きなこともあって、ついリングに目が行ってしまいます。特に普段から愛用している「イコニカ」のリングがお気に入りです。でも、「カテネ」も「ヌード」も「サッビア」も素敵なコレクションだし、難しい質問ですね(笑)。ひとつには決められないけれど、ポメラートのクリエーションにはいつも驚きがあるんです。

『ポメラート、ヘルムート・ニュートン&1980年代』展の会場の様子

『ポメラート、ヘルムート・ニュートン&1980年代』展の会場の様子

ーーヘルムート・ニュートンが撮影したポメラートの1980年代の広告ビジュアルを集めた『ポメラート、ヘルムート・ニュートン&1980年代』展をご覧になった感想は?

展示されているキャンペーン写真は’80年代に発表されたもので、ポメラートでは創業者のピノ・ラボリーニが指揮を執っていた時代。彼は広告ビジュアルもブランドの芸術作品の一部と捉え、どんなフォトグラファーとどんなイメージを作るのか、という点を重視していたようです。ヘルムート・ニュートンとピノ・ラボリーニ、二人の天才による素晴らしいコラボレーションだと感じました。

個人的には、現代の広告はなんというか、少し冷たい感じがして。写真の意味や撮られるまでのプロセスというより、インパクトばかりが取り沙汰されますよね。これらの作品が興味深いのは、’80年代はまさに女性たちがパワーを掴み取った時代だから。ニュートンは力強い女性像の表現に非常に長け、モデルたちは自由のために闘う戦士のよう。一方でポメラートのジュエリーは、「気に入ったものを自分で買う」女性たちにも向けられていて、これは20世紀初頭のジュエリーの世界では一般的ではなかったはずです。女性のパワー、そして二人の偉大なクリエイターの信頼関係がよく表れていると思います。

フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー ポメラート

ーープライベートではどんなジュエリーを身につけることが多いのですか?

何度もお話ししてしまいますが(笑)、「イコニカ」のリングは毎日のようにつけていて、時々イヤリングも手に取ります。でも大体はリングですね。リングをはめた指を眺めるのが好きなんだと思います。

ーーフィリピーヌさんはローマ育ちとのこと。ご自身の中にあるイタリアらしさ、“spirito”についても教えてください。

子どものようなところでしょうか。子どもたちって無邪気に遊んでいるかと思えば、すごく深い洞察力を兼ね備えていたりもしますよね。そんなところが大好きだし、私もそうありたいな、と思っています。

フィリピーヌ・ルロワ=ボリュープロフィール画像
俳優フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー

俳優のフィリップ・ルロワとモデルのフランソワーズ・ローランの間に生まれ、ローマで育つ。1983年にスクリーンデビュー。Netflixオリジナルドラマ『エミリー、パリへ行く』では、エミリーの上司・シルヴィー役を務めている。2025年より、ポメラートのグローバルアンバサダーに就任。

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