ザックと靴を身につけて、地図と雨具と水とランチを持ったら、春らんまんのミニハイクへGO! 都内近郊から若菜晃子さんが厳選して紹介 【富士周辺・石割山】富士山を道連れに 石割山の最大の楽しみはなんといっても山中湖を眼下に富士山を間近に望めること。木もれ日の樹林帯を登った先に広がる、富士山の美しい裾野と青空の雲の動きを見ていると、気持ちも晴ればれ。絶景ポイントは石割山の隣の平尾山。明るいカヤトの原にはベンチもあって休憩に最適。ここからも下山できるが、平尾山の先には大窪山、大平山、長池山、大出山と、湖沿いの草原と林の尾根に小さなピークが続いているので、富士を道連れにのんびりハイクを楽しみたい。 1 山頂直下には山名の由来となった大岩と石割神社がある。岩の間は通り抜けできるので願いごとを胸に歩けば清らかな気持ちに2 下山後は名物吉田うどんを。温泉ラバーは石割の湯で汗を流しても 3 晩秋は条件次第でダイヤモンド富士も目撃可能 【アクセス】 富士急行線富士山駅からバスで平野へ。バスタ新宿から高速バス利用も便利【コースタイム】 石割山往復約2時間45分。平尾山から縦走の場合は約4時間25分 【秩父・長瀞アルプス(宝登山)】新緑の雑木林散策 アルプスといっても、もとは山麓の人々の山仕事に利用されていた里山の連なり。鳥たちのさえずりを耳に、雑木林の淡い緑の芽吹きを目に、足もとのスミレを愛でながら散策気分で歩ける。最後の木段の急登をこなせば、サクラの花びら舞う山頂へ。山頂広場でのんびり休んだらロープウェイの山頂駅まで下るだけ。歩き足りない方は新緑の道を歩いて下っても。アクセスにはぜひ熊谷駅から秩父鉄道を。乗り鉄にはたまらないレトロ路線で、春霞の田園風景の中を走っていく。 4 アカネ、アケボノ、エイザン、タチツボ。スミレもいろいろ5 秩父の地元おやつのすまんじゅう(酒まんじゅうのこと)。山中で凍らせた天然氷のかき氷も登山後のご褒美に 6 コナラ、ミズナラ、クヌギ、ヤマザクラの林が続く道は明るく、里山の春を満喫できる 【アクセス】 秩父鉄道野上駅下車。帰りは長瀞駅乗車【コースタイム】 約2時間45分 【榛名・相馬山】花のトンネルを抜けて 群馬県の赤城、榛名エリアには初心者でも気軽に歩ける山が目白押し。晩春にはヤマツツジが山々を覆い、まぶしいほど。おすすめはヤセオネ峠から相馬山、磨墨峠、松之沢峠、七曲峠と歩くコース。相馬山はハシゴやクサリも設置されたスリリングな山だが(パスすることも可能)、分岐から続くゆるやかな尾根道には緑の合間にピンクのミツバツツジや朱色のヤマツツジがあふれ、花酔いしそうにも。帰りは沼の原の木道をたどれば湿原の花々が揺れて、また違う風景に出合える。 7 道標も完備されているので安心8 帰りは伊香保温泉街へ。立ち寄り湯もあり、温泉まんじゅうもあり。新鮮野菜や地元産品が豊富な上州物産館もあり。つるこし細麺の水沢うどんもどうぞ 9 榛名富士と榛名湖を眺めつつアップダウンの少ない道を歩く 【アクセス】 JR高崎駅、渋川駅からバスまたは前橋ICから国道4号線をヤセオネ峠へ【コースタイム】 約3時間20分 【諏訪・鉢伏山】北アルプスの展望台 長野県の諏訪湖畔から車道をぐんぐん上った先にある鉢伏山は、北アルプス連峰の展望台として知られる山。北アルプスだけでなく、浅間山、御嶽山、南アルプスもくるり一望のもと。風吹き抜ける草原の山頂付近は広々として、登山者も少ないのでゆっくりとくつろげる。手軽に鉢伏山往復のみでもいいけれど、せっかくなら静寂の二ツ山まで、カラマツが彩るなだらかな一本道を往復すれば、心地よい疲労感と満足感に包まれるはず。いつかは北アルプスにも登りたくなるかも! 10 晩春にはズミやレンゲツツジが花ざかり11 お土産は雪のように白い諏訪湖豆をチョイス。老舗新鶴本店の塩羊羹も美味。諏訪側には上諏訪温泉、松本側には扉温泉あり 12 車で気軽にアクセスできるのもうれしい。鉢伏山荘に有料駐車場あり(+入山料300円) 【アクセス】 岡谷ICから高ボッチ・鉢伏高原スカイライン(冬期閉鎖)経由鉢伏山荘へ【コースタイム】 鉢伏山往復約1時間。二ツ山往復3時間50分