「100回以上行ってます」と言い続けてはや3年。たぶん今ではおそらく130回くらい行ってると思われる香港。最近では月イチで出かけています。たいていは羽田発深夜便利用、弾丸1泊3日の無茶旅。もはや”月刊香港パトロール”と自称してます。そんな5月のパトロール時のこと。ホテルにチェックインする際、フロントのお姉さんに、「長洲島の饅頭節(まんじゅう祭り)がちょうど今開催中なんですよ」と言われ←な、なんですとーー!???ずーーーーっと見てみたいと思ってたあの奇祭・まんじゅう祭り!!??と、ホテル近くのローカル食堂で朝ごはんを食べながら、フロントでもらった祭りの案内パンフレットをガン読み。なんと祭りの行事の中でもいちばん見たかったパレードがまさに今日!とわかり、これは行くしかないでしょーーー!と、急遽、香港の離島、長洲島行きを決意。なにを隠そう、リオのカーニバルも見に行った(もちろんひとりっぷ®)くらいパレード好きな私。そもそもは幼少のころから毎年見に行っていた地元・金沢の百万石まつりのおかげで気づけばパレード好き体質に。故ダイアナ妃の来日パレードも朝6時から場所取りして、ばっちり最前列で見ました。なわけで、饅頭節のパレードも当然見にいくでしょ!と、ガイドブックなし&下調べナシにつき、即効スマホで検索開始。いろいろな記事やブログをチェックしたところ、パレード当日の人出はやはりものすごく、東京の花火大会並み(なにっ!?)&島行きのフェリーに乗るのにも一苦労(まじか!)てな体験談が。フェリーにスムースに乗れてパレードをちゃんといい場所で見るためにはパレード開始の4時間前には島行きの船に乗れ、と書かれている記事を発見。時計を見るとすでに10時45分。パレード開始は14時。ちょおーーーっとギリギリかも知れない・・・けど!でも!毎年開催日が変わる饅頭節だけに、これは千載一遇のチャンス!だよね!?やっぱとにかく行く!と、セントラルのフェリーピアへGO!
100回改め、130回来てる香港ですが、長洲島へ行くのは初めて。もはや長蛇の列か!?とあせりつつ、長洲島行きフェリー乗り場へ着いたのが11時すぎ。すでに入場規制体制には入っていて、直接フェリーピアへは入れず。入口までは柵で仕切られたながーい通路を遠回りで歩かされるようになってましたが、まだ人出はそれほどでもなくホッ。
こちらが長洲島行きフェリーピア入口。5番埠頭です。
長洲島までは、高速船で30分、普通船で60分。運航スケジュールは両方が混ざっていて、次に出発する船が次に島に着く船と思っていいらしいです。ふと乗船口の船員さんを見ると、セーラー服~~! 香港島と九龍半島をつなぐスターフェリーの船員さん(全員おじさん)も星マーク入りのセーラー服を着ていて、フツーのおじさん×セーラーの取り合わせがなんともかわいいなあ~~~といつもいつも思ってるんですが、こちらのフェリー会社の制服もセーラーです。やっぱりナイス~~~。
乗り込んだフェリーは高速船でした。船内はこんな感じ。2階建てです。最終的にはほぼ満席で出航。
アッという間の30分で長洲島に到着。港沿いの島のメインストリートはすでにかなりの人出です。お祭り特有の浮きたつ雰囲気充満で、こちらの気分もイッキにアゲ。お祭りのしつらえもこんな感じで、さすがの極彩色~~~!!!
こちら、警備の香港ポリスのみなさん。「をををを!!! ベレー!! カッコいい~~~!! やっぱ今年はベレーだな(←!?)」と思わずポリスファッションチェック。香港はイギリス植民地だっただけに、いろんな制服がいちいちアジアっぽくなくて、独特のミックス感がいいんですよね~~~。
さて、いったい長洲島の饅頭節とはどんなお祭りなのか。饅頭節とは通称で、正式名称は「太平清醮」。開催は毎年旧暦の4月8日。そう、お釈迦様の誕生日です。が、お釈迦さまには関係がなく。100年ほど前、島で疫病が流行った際、平定を祈願して神様の像を作り通りを練り歩いたのが始まりとされ、現在では島の無病息災を祈る祭りになっています。いくつかある行事の中では、独特のパレードと、なんと饅頭がびっしりくっついた高さ14メートルの竹製のやぐらによじ登りながら、制限時間内に何個の饅頭を取れるか(高い位置にある饅頭のほうが点数が高い)を競い合う饅頭取り競争が有名で、奇祭と呼ばれる由縁もこのふたつにあります。こちらがその饅頭。本来はお祭りの時期だけのものだそうですが、最近では通年売られていて、長洲島最大の名物になってます。この平安饅頭、もちろん買ってみました。生地部分がかなーり肉厚!中に入っていた蓮の実餡(小豆、ゴマなど種類あり)は優しい甘さでしたが、1コ食べるとかなりお腹いっぱいになります。
フェリー内でずっと検索して得た情報によると、パレードを確実に見やすい場所で見るためには、有料桟敷席を用意しているコース上の飲食店に陣取るのがオススメ、だそうで、 まずはお店探しへ。が、ホテルで渡されたお祭りのパンフレット(香港政府観光局の製作物と思われます。これが本当に役に立ちました!ありがとう~~フロントのおねえさん!!)に紹介されているパ レードコースをしばらくパトロールしてみて、「・・・これ、なにも桟敷席を陣取る必要はないのでは・・・?? てか、東京の花火大会並み・・・???じゃないでしょ全然!」。
じつは毎年東京湾花火を観賞に行っているわたくし編集P。場所取りの大変さはほんっとーーに身にしみています。大会当日は朝から壮絶と言っても過言ではない場所取りバトルが東京湾周辺のそこかしこで繰り広げられます。が、長洲島のパレードコースの様相はそれとはまったく違う、ごくごくのーーんびりしたもの。確かに人出は多 いんですが、昼12時の時点で、場所取りしてる人なんかほとんどいません。みんな島の飲食店で買い食いしたり、おみやげ買ったりと、普通にきゃっきゃ観光中。こちらのメイン 広場に のみ、パレード待ちの人々がまあまあいるかな~てな感じ。が、パレードコースは広場以外にもえんえん路地裏に続いていて距離は結構長いです。地図でザッと見たところ2キロくらい?? そしてそんな路地裏では場所取りしてる人は皆無。なので「これは、、、別に場所取りいらない でしょ。東京湾花火は70万の人出だけど、長洲島はその10分の1いやもっと少ないのでは?? いくら狭い島とは言え、おそるるに足らず!!(鼻息!)」と、せっかくやってきた長洲島。わたしも観光パトロールに切り替えることにしました。ちなみに、5月中旬の香港はすでに夏。日差しはかなり強烈で、日傘をさしてる人も多数いました。
長洲島はごく小さな島。徒歩で全部回れます。実際、救急車、工事車輌などを除くと車はなく、徒歩と自転車のみだそう。それもあって、一歩路地裏に入れば、の~~~んびりした島時間が流れています。こちら広東式のパン屋さん。商品を平台に並べてるなんて、香港中心部では考えられません!
乾燥ヒトデ、6個10香港ドル。約150円。何用なんでしょうか??ちなみに干物屋さんの店頭です。てことは・・・!???
小さな島ですが、二つの岩山があり、路地裏を進むとアップダウンが。ちょっとしたエクササイズ感覚で探索。
香港式シャッターがカラフルに塗られているのも島仕様!??ちなみにイスはおそらくパレードを見るためにこの家の人が用意したのでは??と思われます。
と、ざっくり島内探索して、最初の路地裏に戻ったところで、突然の鼓笛隊ミュージックが。「え!??」と時計を見たらまだ13時。パレードスタートは14時だよね??しかもここ、パレードスタート地点じゃないし!?? な、なんでーーー!?? と思いつつも、音楽の聴こえる方向へダッシュ! すると、路地裏のさらに路地裏から、鼓笛隊現る!! 時間はまだのハズだけど、このあとにパレードが来る!?のか!??(つづく)
ひとりっPこと編集Pことフクイユミコ。元SPUR編集長。女性のひとり旅を「ひとりっぷ」と名付けて応援中の編集者。会社員にもかかわらず、海外ひとり旅歴25年以上、回数400回超え(全部自腹)の旅バカ。おもな渡航先は、香港180回、台湾60回、タイ&シンガポール各40回、サンフランシスコ30回、中国30回、ハワイ30回、中南米各国40回、カリブ諸国30回、中近東10回など。現在年間25回ほど(全部プライベート)海外渡航。あまりの頻度に、日本入国時に密輸を疑われたことも。その圧倒的実体験をもとにした女子ひとり旅指南本『今日も世界のどこかでひとりっぷ』『明日も世界のどこかでひとりっぷ2~秘境・絶景編~』『昨日も世界のどこかでひとりっぷ3~“弾丸・無茶旅編”~』『今日も世界の果てまでひとりっぷ4〜爆バイイング編〜』に続き、初の国内編『昨日も世界の果てまでひとりっぷ5〜行くぜ、ニッポン編〜』が好評発売中。5冊とも、文・写真はすべて本人が担当。