“ひとりっぷ” にとって、本はまさにタビトモ。はるばる南米への移動の機内や、熱帯の濃い緑溢れるリゾートのプールサイドで。サンフランシスコの素敵カフェで3杯めのアーモンドミルクラテをオーダーしながら 。“日常” を遮断して、集中して読書にふける楽しさよ。
って、この1年、「旅×読書」が不足しとるやないけ!! と先日気づいたひとりっP。 「こうなったら読書目的の旅に出ないとアカン!!!」 というわけで、迷わず目指したのは、温泉です。 はい、ひとりっP、もちろん温泉にもバリバリ&ガンガンひとりっぷします。 で、滞在中ずーーっと、読書に没頭してるんですよ。
ひとりっP的旅の格言のひとつが、「温泉は2泊以上」。 1泊だと、チェックイン15時〜チェックアウト翌日11時までの実質20時間ほどの滞在。睡眠時間を除くと、起きている間は気の向くままに過ごすというよりも、夕食と朝食の合間を縫って温泉に入らなくては、と、合宿か!?ってくらい、じつは結構慌ただしい。連泊して初めて、ゆったりゆっくり温泉三昧&読書三昧できるんですよね。なので連泊の際、外出はほとんどしません。現地の観光はチェックイン前と後にまわして、宿にステイしている間はほぼほぼ引きこもって、全集中で温泉&読書です。 今回(3月初旬)向かったのは、新潟・南魚沼。そう、日本有数の豪雪地帯です。たっぷりの雪景色がひとりっPを待っている〜〜(※3月アタマの南魚沼では、まだまだ雪三昧できるんですよ〜)!! ひとりっP、一路、温泉読書ひとりっぷへGO〜〜〜!!!
トンネルを抜けるとそこは、一面の雪景色〜〜!
東京駅からアッという間の約1時間半。ウソ偽りなく、「トンネルを抜けると雪景色」な越後湯沢に到着です。まだまだ積雪2メートル近くとはいえ、快晴〜〜! 日差しもなんだか優しい〜〜!ってあたり、春が来てるなあ〜〜と感じつつ、宿へ移動です。
宿は何度かリピートしている『里山十帖』。その名のとおり、里山の中にある温泉宿です。普段からお風呂では読書(またはスマホ)が常の、“ながら入浴派” のひとりっP。今回は露天風呂付きの部屋にしました。これなら24時間エニタイム、温泉読書OK! 温泉&読書旅の場合にひとりっPがチェックするのは、泉質と温泉の温度。半身浴しながら&汗をだらだらかきながら読書に没頭するので、この2点は重要です。一般的に「温泉の長湯には注意が必要」とされているので、“美肌の湯” 系のあまりキツくない泉質であることと、長々入るためには、お湯が熱すぎないことも大事。
温泉読書に準備すべきもの
そして、忘れてはいけないのが水分補給。 基本的にどこの温泉に行くときも、入浴時は水ボトル持参で入るんですが、このときは部屋付き露天風呂ならでは、水以外に各種ドリンクを用意しました! 写真左から、里山十帖オリジナルのりんごジュース。部屋の冷蔵庫に入っていた無料のジュースですが、これが絶品!! りんごジュースは白濁派のひとりっP。りんごの産地でご当地白濁りんごジュースを見かけるたびにトライせずにはいられず、数々のりんごジュースを体験してきましたが、このジュースは我が人生最高のりんごジュース! でした! とにかくりんごの風味がギュギュッと。濃いけど、邪魔な酸味やえぐみがまったくなくてピュア。これに匹敵するりんごジュースには以前青森で出会いましたが、それ以来の感動感激! 販売されていたらダース買いしたと思います。 と、想定外に素晴らしいりんごジュースだったのでつい熱く語ってしまいましたが、その隣は部屋置きのドリップコーヒー。里山十帖オリジナルブレンドです。そして水。露天風呂のあるテラスの目の前が雪原(雪壁?)だったので、雪だるまもついついプラス〜〜! よりどりみどりで延々入浴です。
今回持参した本のラインナップをご紹介します!
2泊3日の引きこもり読書なので、欲張って普段より多めの5冊持参しました。すべて文庫本です。温泉につかりながら読むので、温泉読書旅には、ハードカバーより、軽くて濡れても気にしなくてよい文庫本(もしくは新書)一択ですね。
『本日は、お日柄もよく』(原田マハ/徳間文庫) カバーがないのは、今回持参した本の中でこの本だけは、今年のお正月に出かけた温泉旅用に購入、温泉読書途中だったためです(なのですでにベロベロ、、、)。じつは温泉読書にあたってはずしてしまったカバーは、タイトルのイメージに合わせた「ご祝儀袋」をモチーフにしたデザイン。「めでたい〜〜! お正月にぴったり!」と購入したという、ジャケ買い本です。読み始めてすぐ、 話にズッポリ引き込まれ。が、正月中は読書時間がまったく足りず読了には至りませんでした ← というのが今回の温泉読書旅を決意するそもそものきっかけだったんですが、なので、今回の温泉読書はまずこちらからスタート。ごく普通のOLがひょんなことから選挙のスピーチライターを目指す、というストーリーなのですが、2009年の政権交代がモチーフになっていて、あれから12年たち、世の中が激動激変の今、話の展開がヒシヒシとリアル。ぜひコロナ禍終息後に続編を〜〜〜! と読了後に思ったひとりっPです。
『魂でもいいから、そばにいて −3・11の霊体験』(奥野修司/新潮文庫) 東日本大震災の遺族が語る自身の霊体験。それは単なる体験談ではなく、それぞれの家族のそれぞれの物語でした。亡くした家族を想う気持ちの強さ、深さに何度も涙。 何年も前に仙台在住の友人に、「 “あの日を忘れない”って、よく報道でキャンペーンみたいに言ってるけど、私の周りでは結構冷めた反応なんだよね。『へーー、そうなんだ、(他のエリアの人たちは)ほっといたら忘れちゃうんだー』っていう感じかな」と言われてハッとしたのですが、友人のあの言葉に改めて心の中でうなずきながら、イッキに読み終わりました。
『そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか』(能町みね子/文春文庫) 『週刊文春』の連載「言葉尻とらえ隊」の直近約2年分をまとめた本です。世間にそのときに出回った数々の「言葉尻」を能町さんが鋭く突く。自分でも気づいていなかったこと、モヤッていたこと、どうなのよ!?とキリキリしていたことを、サクッ!と切ってくれ、「ハッ!確かに!」「ほんそれ!」のオンパレード。能町さん的考察のドンズバさの波状攻撃に、イッキ読み後は「は〜〜、スッキリ!」。
「アノニム」(原田マハ/角川文庫) 『本日は〜〜〜』を読み始めてすぐ、読書に没頭するには原田マハ作品は最強!と再認識。今回、計3冊ラインナップしてしまいました。こちら、あらすじを見ると、「む!なんと舞台は香港!? 買う!」と即決。読み始めてみたら、期待通り思いっきり香港でストーリーが展開! しかも大好きな街・湾仔界隈がバリバリ登場! そこへ原田マハ作品らしく、アートが絡む! 香港アート・バーゼルにもここ数年毎年出かけていたひとりっP、舞台のディテールが超わかりみ〜〜! さらには。作品中にエピソードとして登場する、アジア最大級の美術館“MM(メガミュージアム)”。本作の香港はおそらく2014年設定につき、建設計画段階となっていますが、この、香港悲願の現代アート美術館「 M+」が、ついに今年オープンするんですよーー! 何年も前、香港人の友人に、「香港のアートスポットってどうなのかな?」と聞いたときに、「 Very dry!」と返って来たのがホントに強烈で(笑)。その後、このメガミュージアムの計画が発表されたときには「えーー!まじで!?」。あれから何年たったのか。ほんっと勝手に感無量なひとりっPです。さらにさらに、もうひとつ。2014年に香港で盛り上がった学生デモ=雨傘運動もストーリーに絡んでくるんです。これまた『本日も〜〜』と同じく、「まるでナウ!!??」。何なんだこのシンクロ感!? この『アノニム』は、コロナ禍以前だったら絶対に「香港で読む!」と温存したはずの “ご当地小説” です。ひとりっP、目指す旅先が舞台になっている “ご当地小説” を現地で読むのも大好きで。思いっきり小説の世界に浸りつつ、“うっとりどっぷりなりきり読書" です。この作品に1年、いや、14か月前までに出会っていたなら間違いなく、リッツ・カールトン香港ホテル103階のティールームでアフタヌーンティーしながら読み耽ったと断言します。でも、世の中がこの状況の今、ナウ、この作品に出会えてよかった! むしろジャストタイミングだなと。こちらも続編読みたいなあ〜。主要登場人物が多い&全員キャラが濃いので、いろいろ深掘りエピソードがあるはず、と思ってみたり。舞台は香港ではなくなると思いますが、各メンバーの別の活躍が見たいぞう〜〜!
『総理の夫』(原田マハ/実業之日本社文庫) 店頭で「映画化」のオビが目に止まり、パラパラと見てみて、どう考えても面白いに決まってる!とラインナップにオン。が、5冊目の本につき、さすがに2泊3日の滞在ではここまでは辿り着けませんでした。というわけで、この本は桜ひとりっぷに引き継ぎます〜〜! → ひとりっP、お花見ひとりっぷでも、日がな一日、桜の木の下で読書&昼寝をエンジョイしているのです〜〜。
ひとりっPの推し宿「里山十帖」、その理由
さて、ここで今回の宿「里山十帖」について、ひとりっP的推しの理由をご説明させていただきます。 リピートしている理由のひとつが、インテリア。母屋である築150年の古民家を中心にリノベーションされた内装は北欧ベースで、居心地サイコー! デザイナー家具もふんだん。快適に引きこもり&読書に没頭ステイできるんですよ〜。
食事はダイニングルームにて。広間もあるんですが、お願いすると個室でいただくことができます(無料です)←というのも、「里山十帖」を気に入っている理由のひとつ。ひとりっぷでも、めちゃリラックスして食事を楽しめるんですよね。お料理は地産地消のオーガニック&ナチュラル。しかも! こちら、事前にお願いすることで、ヴィーガンやベジタリアンメニューでいただけるんです〜〜! そんな宿、日本ではかなーり貴重、希少です! ひとりっPは毎回ヴィーガンメニューをオーダーしているんですが、これがまた、めちゃくちゃおいしい。夕食はコース料理ですが&じつは今回の滞在はかなり久しぶりだったんですが、以前にもまして一品一品の美味っぷりが研ぎ澄まされた感! 感動〜〜! 「うお〜〜〜! なんじゃこれ〜〜!! うまい〜〜〜(涙)!!」と内心唸りまくりでした。ちなみに、日本有数の米どころ南魚沼なのでお米のおいしさもピカイチなんですが、ひとりっPは毎回玄米でオーダーしています。「かまどさん」で炊かれたコシヒカリはお茶碗約3杯分。もちろん米粒ひとつ残さず完食です!
こちらは朝食。同じくいつも玄米をオーダー。里山十帖オリジナルの梅干しも大好物で、館内のショップにて毎回購入して帰ってきています。あ。写真を撮り忘れましたが、部屋に置かれているオリジナルのおかきがまた激ウマ! なんですよ! さすが米どころ新潟! しかも無添加! ショップで販売されていたので、同僚へのお土産に大量買いしてしまいました。オススメです!!
パノラミックビューな露天風呂が最高なんです!
里山十帖のシグニチャー=大浴場の露天風呂です。里山&遠くの山々が一望できて、サイッコーに気持ちのいいお風呂なんですよ〜〜〜。ここまで開放感のある露天風呂、なかなかないですよね。今回は完全雪見風呂〜〜〜!! 遠くに見える山は巻機山(まきはたやま)。パノラミックビューを「わあぁーーー」と堪能しながら延々長湯です。 (※こちら、大浴場の入浴開始時間に行ったら、先にいらしていたかたから「入浴の前に撮影していいですか?」と言われ、「もちろんどうぞ、というか私も撮影したいです〜〜」となり、撮影したものです。雪だるまは by ひとりっP)
大浴場(どちらも露天風呂あり)は2か所あり、時間で男女入れ替え制です。露天風呂からはなんと朝日が見られる、と今回初めて知りました。というわけで早起きして見に行ったのですが、「ををを〜〜〜〜!!!」と雪山の向こうから昇ってくる太陽の神々しさよ〜〜〜! (※こちらも、同時に入浴していたかたから「すみません、日の出、撮影してもいいですか?」と聞かれ、「もちろん、ていうか、わたしも撮影しますー!」と、二人して慌てて脱衣場からスマホを持ってきて撮影したものです。見知らぬ二人が朝日撮影大会(笑))
「引きこもり」宣言していたひとりっPですが、滞在2日め、部屋の清掃時間に合わせて1時間ほど付近のパトロールに出ました。一面の雪!! の中をザクザク歩くのって、すっごいキモチいい〜〜!! 久々の雪中ウォークでしたが、めちゃストレス解消! 途中何個も雪だるまを作ってしまいましたヨ。ちなみに、里山十帖より先の道は除雪されてなく、積雪約2m(ひとりっP調べ)の雪の壁がどどーん!「え? ええーーーっ!!?」。なんと行き止まり!! いや、道路はあるんですよ。でも雪が行く手を遮ってる。夏に滞在したときに道路伝いに散策したこともあるんですが、「この先は民家がないってことかあ。そして雪解けまでは人間が全く立ち入らない、自然だけの世界ってことかあ」としばしいろいろ妄想?してしまいました。
今回、出発直前に本を駆け込み購入したのは、こちらの『丸善丸の内本店』。大型書店で朝9時オープン、しかも東京駅目の前→信号渡ってすぐ。出発前の時短作戦で、一部の本は前日のうちにネット申し込みで取り置きをオーダー。本当に助かりました〜〜〜! と、いうわけで、ひとりっPの読書旅は桜ひとりっぷへと続くのでした!