百名山ってよく聞きますが、そもそも誰が決めたものかご存じでしょうか。『日本百名山』という本があるんです。山好きの小説家・深田久弥が日本中の山を登って百座を選び、随筆集としてまとめたんですね。ちなみに「日本二百名山」「世界百名山」もあって、僕は今回の谷川岳で10座目なので、まだまだ先は長そうです。
さて、通称「魔の山」。谷川岳はずっと登ってみたい山でした。
標高は1977mとそこまで高いわけではないですが、切り立った岩の道や変わりやすい天気で、ギネスに載るほど多くの遭難者を出していることで知られているんです。でも、それも昔の話。ロープウエーができた今は、東京から日帰りで楽しめる山になったそうです。
谷川岳といえば、日本三大急登といわれる「西黒尾根」。急登好きな僕としては、西黒尾根から登りたかったんですが、登山口に到着したのが朝8時。その時間から歩いて登ってロープウエーで下山するにしてもちょっと時間が足りそうになく、登りも下りもロープウエーを利用することにしました。わずか10分足らずで、1319mの高さまで連れていってくれるロープウエー、ありがたい!
谷川岳のよさって、その日の体調や体力によってルートを選べて、木道や岩場、眺めのいい尾根といろんな道があって、飽きずに登れるところでしょうか。日本酒の「谷川岳」もおいしいし(笑)。双耳峰といわれる、ふたつある頂上も特徴的ですよね。遠くから見るとまさにネコの耳のよう。
実は、2週間ぐらい前に谷川岳のお向かいにある山に登る機会があって、このネコ耳を眺めていました。その山では、沢登り(登山道ではなく沢や滝に沿って山に登ること)をしたんです。水に濡れっぱなしで、岩をどう登ればいいのか最初はわからず過酷でしたが、新しい山の登り方にすっかり開眼してしまいました。そんな沢登りを経験して、またいつものように登山というフィールドに帰ってくると、登山道って先人が開拓してくれた歴史のうえを歩けて、現代の人がきれいに整備してくれてありがたいなと感じました。百名山全部登る、という目標はありますが、山って同じ山でもルートや季節によってまったく違うものになるし、好きな山は何度も登りたい。終わりがないですね。