もしも柄が変わる布地があったら? vol.16

毎日暑い日々が続いていますね! 今回はちょっと外に出て、東京・銀座にあるソニービルで開催されているユニークな展示をご紹介してみようと思います。



「もしも柄が変わる布地があったら?」の問いかけから始まるこの展示、「eBoutique 2020」は、「デジタル化でファッションをもっと自由にもっと楽しく」をコンセプトに、電子ペーパーを軸にした新しいファッションの可能性を模索されているソニーのFASHION ENTERTAINMENTSさんが手がけたもの。



ソニーさんはすでにこの電子ペーパーを用いた“柄を変えることができる”腕時計「FES watch」というアイテムを発売しているのですが、この展示では、電子ペーパー×その他の素材を組み合わせ、電子ペーパーをファッション素材として使ったら、もっとファッションが楽しくなるのでは!?という新しい試みです。
(※電子ペーパーって何かというと、Amazonが販売している「Kindle」を代表とした電子書籍リ―ダーのあの画面の部分がそうです。)

単純に柄が変わる、というだけではないところも面白くて、例えばこちらは、電子ペーパーにデニムの柄を透けるかたちで印刷しておいて、色の変化でデニムのエイジングを表現してしまったもの。なかなかリアル!

こちらのクロコダイル柄は、電子ペーパーの表面に型押しレザーのような立体感を施すことによって、よりリアルな質感を生み出してました。バッグとかアクセにしたら良さそう!……と思ったら――



――バッグも展示されていました。これは普通にクラッチバッグとしてカッコ良い! その他には、柄が変わる眼鏡やアクセサリーも。



電子ペーパーの魅力は、私たちに身近な液晶画面とは違って、ほとんど電力を必要としないこと(=バッテリーがいらない)、紙のように薄くすることができる、ということなどがあるのですが、今回の展示では単純に絵柄を変えるだけでなく、布や皮革のような表情を表面にほどこしてみたり、アナログ的な素材と組み合わせてみたりすることによって、単純に柄を変えられるということに留まらない電子ペーパーの可能性を感じさせてくれるものでした。こういった仕組みをもって、ファッションブランドとコラボアイテムを作ったりしたら、今まで見たこともないような楽しい×お洒落なアイテムが生まれたりするかも!?なんて。

eBoutique 2020は、9月30日(金)まで、東京・銀座のソニービル5Fのソニーイノベーションラウンジにて開催中。ソニービルは、この展示だけでなく、ビル全体でソニーさんのさまざまな最新のデジタルアイテムを体験する事ができるので、真夏のデートにもおすすめですよっ。

市川渚の「デジタル・スタイリッシュライフ」 記事一覧はこちら>

市川 渚プロフィール画像
市川 渚

ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。

記事一覧を見る