今だからこそきちんと考えたい、デジタルウェルビーイング vol.87

先週、タイのサムイ島で行われたイベント「Google digital wellbeing summit」へ参加してきました!


デジタルウェルビーイングとは、私たちが身体的、精神的、そして社会的に健康で豊かな状態にあることを示す概念=ウェルビーイングとデジタルを組み合わせた言葉。

今回のイベントではアジア各国からYouTuber、Podcaster、メディア関係者が集い、3日間にわたるプログラムを通して、スマホやSNSといった身近なデジタルテクノロジーとの向き合い方について考えました。

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ところで、テクノロジー企業であるGoogleが「デジタルとの関係性を考えてみよう」だなんて、ちょっと不思議じゃないですか?Googleでは、2015年からストレスとスマホの通知の関係性についてリサーチを始めていたそう。その結果見えてきたのは、便利で生活に欠かせないスマホだけれど、ストレスを感じる部分も多い。けれど離れることができない……それは何かを人々が見逃したり機会を失うことを恐れる(Fear of missing out=FOMO)がゆえなんだとか……みなさんも心あたりがあるのでは……?

そんな中で、彼らは「“あえて見逃すことの喜び(Joy of missing out=JOMO)”を感じよう」と提唱していて、一部のAndroidスマホで使える「Digital Wellbeing」には、このJOMOを実践する手助けをしてくれるさまざまな機能が搭載されています。

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3日間のプログラムは「どのような場面でデジタルが便利だと感じるか?またその反対は?」という問いから、自分たちのデジタル習慣を観察してみるところからスタート。毎日の生活をより良くするためのヒントが書かれたカードを使って、それらが自分にどんな良い影響を与えてくれそうかを考え、滞在中に実践してみたり。

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これから新たに始めたい習慣、これからも続けたい習慣、止めたい習慣を全員で挙げ合うと、多くの参加者が、仕事とプライベートとの境界を作り、ベッドルームでスマホを使うのをやめ、大切な人たちとの時間や自分のための時間を楽しむことを続けたい、と回答。やはり“オン/オフ”の切り替えは、健やかな日々を過ごすために大切なことなんですね。

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宿泊した宿のお部屋にはこんなツールたちが。「The Offline Box」は寝るときにスマホを入れておく木箱。下の白いバンドは「Why now?(なんで今なの?)」というメッセージが書かれており、スマホに巻いておくと手に取ったときにこのメッセージが目に入り、改めて今スマホをチェックするべきなのか?を考えさせられるというもの。

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これらは全て、フィジカルにスマホとの間に境界を作るアイデア。私もこの期間中はInstagramのストーリーズやTwitterでのリアルタイムなレポートをおやすみして、プログラムと向き合うことに専念。非日常な場所にいたからこそ、禁断症状のようなものが起こることはなかったけれど、これが日常だったら?なんてことも考えつつ……。

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学びのプログラムだけでなく、JOMOを実践するための料理体験やマッサージ、サンセットクルージングの時間も。参加者のみんなも写真は撮るけれど、その場でSNSでポストすることに専念するような行動は意識的に控えているようでした(笑)。

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私たちの毎日と切っても切れなくなったデジタルテクノロジー。それらの使い方を学ぶ時代から、共により良く生きていく方法を考える時代へ。デジタルウェルビーイングでは、ただ“スマホから離れよ”ではなく、自分たちをより豊かにしていくためにテクノロジーを意識的に使うことを呼びかけています。

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過度なストレスを感じない、デジタルとの心地よい付き合い方を見つけていくことは、これからの時代を生きる私たちにとって重要なスキルになっていくはず。私も自分の習慣を省みながら、これからもポジティブな意識でテクノロジーと向き合っていこうと心をあらたにした3日間でした。

市川 渚プロフィール画像
市川 渚

ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。

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