この連載でも何度かご紹介しているスマートリング「Oura Ring」。ここ数年で買ったガジェットの中で一番気に入っていると言っても過言ではなく、「おすすめガジェットは？」と質問を受けると必ずこのOura Ringの名前を口に出してしまうくらい（笑）。 Oura Ringは昨年末に新モデルの「Gen3」が登場したのですが、1ヶ月ほど使ってみたので、今回はこのGen3を改めてご紹介してみたいと思います。
Oura Ringは睡眠の状況、体温の変動、心拍数や日中活動量などのデータを取得して、専用アプリで分析、自分の身体の状態を独自のスコアで見える化してくれる指輪型のデバイス。センサー類がギュッと詰まった本体は少し厚みがありますが、重さは約3g（サイズ6の場合）ととても軽いので、指輪に慣れている人であれば一日中付けていても気にならないはず。
カラーはシルバーの他に、ゴールド、ブラック、ステルス（艶消しのブラック）の4つ。他のジュエリーとともにコーディネートしても「安っぽくて浮いてしまう」なんてことがない質感も◎。もちろん水に濡れても大丈夫。前のモデルを三年半ほど使っていましたが、傷だらけになって使いたくなくなるということもなかったです。ちなみに、左が新品のGen3、右が三年半ほど使った旧モデル。
Oura Ringで取得したデータは、Ouraのスマホアプリを立ち上げることでスマホと同期されます。こんな感じで分析して、独自のスコアで評価しつつ、やさしい（大事）一言アドバイスも。アプリは少し前に日本語化されてさらに使いやすくなりました。確認できるスコアは「コンディション」「睡眠」「アクティビティ」の3つ。コンディションは心拍数や体表温、睡眠、日中のアクティビティ等を包括的に評価して自分の身体の総合的な状態を知るためのスコア、睡眠は睡眠の状態を評価するスコア、アクティビティは日中の運動や活動の状況を評価するスコアになっています。
私は毎朝、起きた時にアプリを立ち上げ、前日の活動データと睡眠データを同期し、「ホーム」画面に表示されるコンディションスコアをその日の行動の参考にしています。
各スコアの評価項目をタップすると、詳細やそのデータが何を意味しているのかを確認することもできます。かなり細かく見られるので、このデータを見ているだけでも面白いんです。お酒を飲んだ日は入眠潜時（覚醒状態から眠るまでの時間）が短くなりすぎて注意の表示が出たり、人と会ったり話したりしている時間帯は心拍数が高くなっていたり……。少し前まで私は眠りが浅く常に睡眠スコアが50〜60台だったのですが、Oura Ringのデータを元に寝る時間を調整してみたり、寝具やナイトウェアを変えてみたりすることで、かなりスコアを改善することができました。
また、少し前からウォーキングやランニングといった運動を自動で検知してくれる機能がついたのですが、Gen3ではセンサー類の進化で運動時の状況をさらに細かく計測できるようになりました。アクティビティの詳細を見ると、移動距離やカロリー消費量などが確認できます。位置情報をオンにしておけば、移動ルートも記録可能。運動中の心拍数のリアルタイム計測も間もなく使えるようになるようです。
Apple Watchのワークアウト機能との共存も可能で、iOSの「ヘルスケア」アプリとOuraアプリを連携させておけば、Apple WatchのワークアウトデータをOuraアプリに自動で取り込んでくれます。
これまで運動記録にはApple Watchを使っていたのですが、Gen3のアクティビティトラッキング機能の進化が素晴らしく、最近ではご近所であればOura Ringのみで出かけてしまうことが俄然増えちゃいましたね……。
また、今年中には血中酸素濃度も測れるようになるそうで、ベータ版にはなりますが女性には嬉しい生理予測の機能（現状iOSのみ）も使えるようになっています。リングが体温の変動を測ってくれているので、単純に生理が来た／来ないということを記録するだけのアプリより信頼性を期待できそう。このように定期的にソフトウエアアップデートがあり、それに準じてどんどん機能が増えていくのもOura Ringを使い続けられている理由の一つです。
ただしGen3から、少しおすすめしづらくなってしまったポイントも。有料のサブスクリプションが導入され、新規ユーザーがOuraの全ての機能をフル活用するには月$5.99かかります（半年間は無料試用可能）。とはいえサブスクリプションをしなくても、Ouraの3つの基本スコア（コンディション、睡眠、アクティビティ）は確認できるそう。サブスクするとアプリの「探索」タブにある音声コンテンツが利用できるようになるので、「Calm」のような瞑想アプリのサブスクを契約したと思えば、そこまで高くないとも言えるのかも……？ ちなみに音声コンテンツにはいくつか日本語のコンテンツも用意されています。
購入は（英語にはなってしまいますが）公式ウェブサイトからがおすすめ。まずはリングサイズを調べるサイジングキットを送ってくれるので、指にしっくりくるサイズをチェック。欧米人の体格を基準に企画されているのか、小さいサイズの選択肢が少ないので、このコラムの読者の方であればほとんどが一番小さい6か7を選択することになるかな、と思います。
何事もまずは自分の現在地を知ることが大切だな、としみじみと感じている昨今。Oura Ringを使い始めて、「無理をしすぎる」ということがなくなった気がします。パッケージなどのデザインもスタイリッシュなので、身体を気遣ってほしい大切な人へのプレゼントにも、良いかもしれません。
ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画／ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。
