最近「Pokémon Sleep」の影響もあってか、自分の眠りを気にしている人が心なしか増えたような……？ 私は色々と睡眠に課題感を感じていたのもあって、これまでもいろんな睡眠関係のガジェットを使ってきました。中でも、2020年にこの連載でもご紹介したBoseの「Sleepbuds II」という睡眠時専用イヤホン（最近は“寝ホン”と呼ぶらしい）はかなり気に入っていたのですが、さすがに3年経って充電ができなくなってきてしまい、困っていました。お気に入りだったのに後継の機種が登場する気配もなく困っていたところ、充電器やバッテリーでお馴染みの「Anker」から似たような製品が登場していたのを発見。
それがこちらの「Soundcore Sleep A10」です。価格はBoseの半分以下、1.2万円ほどでした。ケースはBoseのSleepbudsより一回り小さく、ケースも軽量。旅先にも持ち運んでいたので、軽量で小さいのは嬉しいところ。
イヤホン本体もとても小さく、耳の中にすっぽりおさめるような形で装着します。耳の形によって合わない人もいるかもしれませんが、変な圧迫感も違和感もなく、快適。耳の外に出っ張らないので、横向きに寝ても痛くありません。
耳の形や耳の穴のサイズに合わせて交換できるイヤーチップとイヤーウイングが同梱されているので、フィット感は調整することができます。
アプリや機能はとてもシンプル。「スリープミュージックリスト」にヒーリングミュージックやASMRといった睡眠サウンドが色々と用意されているので、好みのサウンドを見つけて、イヤホンへアップロードしておきます。そう、このイヤホンは睡眠中に流してくれる音に関してはスマホからBluetoothで再生するのではなく、イヤホン自体にサウンドを保存しておく仕組みになっているんです。これもBoseと同じ。1曲アップロードするのに40秒くらいかかるので、眠くなる前に済ませておくことをオススメします。
睡眠サウンドは再生しっぱなしから30分単位で9時間まで、タイマーをセットしておくこともできます。私はタイマーを設定してサウンドが止まった瞬間に起きてしまうことがあったので、寝ている間は再生しっぱなしにする設定にしています。また「自動音量調節」をオンにしておくと、睡眠に入ったことをイヤホンが感知したら周囲のノイズに合わせて自動で音量を調整してくれるみたい。オンにして使っていますが、自分が寝ている間なので、どんな感じで作動しているのかはわかりません（笑）。
また、簡単な睡眠トラッキング機能も搭載されていて、睡眠時間や眠りの状態などを記録することもできます。私は睡眠トラッキングに関しては長年「Oura Ring」を利用しているので、この機能はそこまで重視していませんが、ついでに自分の眠りを簡単に把握したいという方には、十分な機能だと思います。
BoseのSleepbudsは専用の睡眠向けサウンドだけしか再生することができませんでしたが、こちらのSoundcore Sleep A10は音楽モードに設定することで、通常のBluetoothイヤホンとしても使用することができます。寝る前に音楽を聴きながら調べごとをしたり、ポッドキャストを聴いたりするのに地味に便利。良い眠りのためには、寝る直前にスマホの画面は見ない方が良いとはわかりつつ……（笑）。
以前、睡眠専用イヤホンを導入した理由は、生活リズムの異なるパートナーの物音などが気になって寝られない・深く眠れないという点が大きかったのですが、これをすれば物音に関してはほぼ耳に入ってこなくなるので、ご自宅の環境、隣人や家族などのノイズが気になってよく眠れないという方には非常におすすめです。ただ、あくまでも耳栓タイプのイヤホンで音を流して“ノイズをマスキング”する仕組みなので、非常に大きい音や重度のいびきに関しては、この製品で完全に防御することは難しいので、ご注意を。
ちなみに色々と調べていると、元Boseに勤めていた人たちが中心となってスタートアップを立ち上げ、実質「Sleepbuds III」と言ってもよいのでは……と思ってしまうくらいそっくりな製品「Ozlo Sleepbuds」という睡眠専用イヤホンを開発しているみたい。現在「Kickstarter」でクラウドファンディングを実施中ですが、販売は欧米諸国向けのみのようで残念！
ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画／ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。
