今月のお悩み
推しがいない私は正直行きづらい……(44歳・会社員)
オタク気質でもなく、"人は人、自分は自分"というスタンスで生きてきたので、他人にそこまで夢中になれず、"推し"をつくれません。推し活が当たり前の今の世の中、正直生きづらいし、何かを深く追求することができないんだ、とたまに自己否定に陥ることも。推しがいない人でも自己肯定力を高めて生きるにはどうしたら?
佐久間Pからの回答
調子がいいときの自分を"推し"にするのはどうでしょう?
オタクコンテンツが一般化し、口に出しやすい風潮になったこと。さらにSNSの発達など、ファンが直接応援できるツールが増えて層が広がり、推しの文化は拡大傾向にありますよね。実は僕も、ひとつの対象にのめり込める人間ではない。年齢を重ねるほど、すごく嫌いな人がいない代わりに無条件で夢中になれる存在をつくりにくくなった気もします。没入できるのはスゴいと思う一方、別の見方をすれば大きな依存。ゆえに推しに何かあったときのダメージも大きい。僕の場合はお笑い、映画、漫画、演劇など、好きなものがいっぱいあって熱量を分散させているぶんよりどころは多く、それが比較的心が安定している理由でもあるし、自分の長所だと思うようにしています。
推しがいないとか何かに夢中になりにくい人は、自分を客観的に見られたり、自分の時間をコントロールすることに悦びを感じられる傾向にあるのかも。そういう人が無理に推しをつくろうとしても苦しくなるだけ。ならばいっそ、推しは自分だと思ってみては? 己のすべてを受け入れて愛せよという自己啓発的なことではなく、メンタルが安定している調子のいいときの自分を推しにする。自分の機嫌や不安に振り回されるのはもったいない。陥りたくないのはどんな状況なのか、いい状態を保てるのはどんなときなのか(僕なら仕事場に自分の感情を持ち込む起伏の激しい人が苦手で、大学時代の仲間と話すと楽しくいられる)。内面と対話して自分を把握し、いい状態が続くような日々の過ごし方を研究してみよう。
推しである自分へのご褒美には「シヅカ洋菓子店」のビスケット缶を。自然と調和したやさしい"しあわせ(自合わせ)"を研究するお店で、素朴だけどうまみがぎっしり詰まっていて一枚で大満足。毎日少しずつ食べて幸せを持続させては?
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所のNo.1 Shizuka Biscuit
サステイナブルな製法で育まれた素材から人や環境にやさしいお菓子を作る。ハニーや全粒粉など6種入り。「No. 1 Shizuka Biscuit」¥5,768
シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所●東京都港区三田5の4の10 TEL03-6381-7770 営業時間11時〜18時 定休日火曜 ※取り寄せ可
さくま のぶゆき●「オールナイトニッポン0(ZERO)」の最年長パーソナリティ。10月29日にはオールナイトニッポン55周年記念のエンタメライブを横浜アリーナで開催。