ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。今回は、演じてきたキャラに疲れた30代に向けて、心の持ち方、これからの生き方を伝授
今月のお悩み
演じてきたキャラに疲れた……。(33歳・会社員)
昔からどんくさくて要領が悪い私が、うまく生きる道がアホキャラになること。可愛がってもらう代わりに仕事では雑用を引き受け、プライベートではいじられキャラを受け入れてきました。下手に出る姿勢は変わらないけれど、30代になり自我が強くなったせいか疲れてしまって。能力が低い私がこの先、ナメられずに生きる方法はありますか?
佐久間Pからの回答
30代は仕事もプライベートも客観的に分析するとき
相談者はたまに嫌な思いや苦労もしたと思うけれど、アホキャラによってラクをしたり甘い蜜を吸えた経験もあったはず。20代はそれですんなり生きられたけれど、今はそのツケが回ってきているのかもしれません。じつは30代ってこれからの仕事や人生を選ぶための岐路に立たされるときでもある。このままだと組織やコミュニティ内で、利用されておしまい、なんて可能性も。
相談者が理想とする〝イジられるけどナメられないキャラ〞でいたいと思うのは、正直言うと都合がいいなと思う。そう生きるには、〝イジらせてあげる〞という自覚を持ってイジられに徹する〝イジらせのプロ〞になるくらいの覚悟やスキルが必要(芸人さんを例に挙げるとロッチの中岡さんがそのポジション)。それだと心が持たないと思うなら、これまでのアホキャラ路線から一定の距離を置く。ラクな道ではないけれど、仕事の質や精度を上げたり自分らしい価値を見つけて通用する人間になること。半年ほど続けると、新しい自分になれると思います。
もちろん仕事は人生のすべてではないから、業務能力が低いからといって不幸になるわけではありません。ただ、30代で諦めるのはまだ早いから、まずは仕事ができないと思う原因を知り、分析してほしい(本質がわからないと、異動や転職をしても同じ失敗を繰り返してしまうので)。じつは単純にプレッシャーをかけられるのが苦手なだけなのかもしれないし、業界が肌に合っていないだけで才能を発揮できる場所がほかにあるかもしれない。今こそ仕事の取り組み方や生き方のアセスメントを行い、必要ならば軌道修正するときなのかも。それでもうまくいかないときは、ワークライフバランスのライフを充実させるのもアリだと思います。
紹介するのは日本料理店が作るココナッツが主役のわらび餅。和と洋のバランスが絶妙です。自分らしい生き方のバランスを見つけてもらえたら。
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:「いったつみとらどう」の椰子の白わらび餅
日本料理の名店「神楽坂 石かわ」の匠の技をテイクアウトグルメに生かしたブランド。わらび粉とココナッツミルクを練りあげた練り菓子は、豊かな風味と儚い口どけ。●帝国ホテル 東京「ガルガンチュワ」 ☎03-3539-8086 ※web予約可
さくま のぶゆき●TVプロデューサー&ディレクター。最年長パーソナリティでもある「オールナイトニッポン0(ZERO)」がめでたく6年目に突入。YouTube「佐久間宣行のNOBROCK TV」は180万人を突破。