ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。今回は社会人なら誰もが経験するであろう、モチベーションの奮起法と保ち方について
ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。今回は社会人なら誰もが経験するであろう、モチベーションの奮起法と保ち方について
今月のお悩み
今月のお悩み(32歳・会社員)
全力で挑んだプロジェクトが終了しました。稼働は2年でしたが、5年以上温めていたので、社会人人生を懸けたも同然。4カ月がたち、周囲からは「キャリアアップのチャンス」と言われますが、どうにもやる気が起きず。佐久間さんも同じ経験はありますか? 情熱の炎を絶やさないための秘訣や、燃え尽きたときの着火法を教えてください。
佐久間Pからの回答
モチベーションがなくなる前に、“仕込んで”おこう
力を尽くしたあとにやる気が起きなくなるのは、珍しいことじゃないし、何度もあります。というか、それを繰り返していけるのが、普通の〝いい〞 社会人だと思います。そもそも「燃え尽きたかも」という気持ちを味わえること自体、充実した社会人であることの表れ。まずはそう思えるくらいの仕事をした自分を、褒めてあげましょう。
奮い立たせ方について。僕も大きなプロジェクト後に虚脱感を感じやすい傾向があったので、30歳を過ぎた頃から、予防策として大仕事の直後に小さくても楽しい仕事や、無理矢理にでも動かざるを得ないタスクを仕込んでおくようにしています。なぜなら燃え尽きたあとの抜け殻のような状態って、1週間程度は休息になるけれど、3〜4週間続くと喪失感が増幅し、再びフ ルスイングするのがしんどくなるので。
仕事への情熱を維持し続けることも、別の意味で難しい。やる気って、実は悔しさや落ち込みと地続き。未完成な部分が多い20代や30代前半は、経験のたびにチャージされるから原動力になる。だけど40代ともなると、場数を踏んでいるぶん屈辱感を味わいにくいし、体力だって落ち込む。若い頃の感覚で モチベーションの問題を自分だけで解決しようとすると、孤独になるし、燃え上がる何かを待っていたら数年かかることもある。長期的に見ると、一人の力では限界があるし、ネガティブな感情では維持しにくいんですよね。
これまでを振り返ると、好きなことについて形になるかどうかなんて気にせず発言・発信していたら、新しい刺激や人との出会いがあり、気づいたら坂の途中や別の場所に連れて行ってもらえたことが多いキャリアでした。案外、興味の幅や好きなことを増やすことが、仕事人生を楽しくかつ有機的につないでくれるのかもしれません。
食通からも人気の「揚最中」は、トースターで炙ると皮の食感が際立ち、粒あんがとろり。ほんのり温かい、やる気もそのくらいから始めてみては?
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:「駒込 中里」の揚最中
住所:東京都千代田区丸の内1の9の1 B1
TEL:050-1782-0000
営業時間:10時~20時 不定休
※購入制限あり・売り切れ次第終了

さくま のぶゆき●TVプロデューサー&ディレクター。『ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方』(集英社)がヒット中。書籍のほか、電子版やオーディブルでも楽しめる。