今月の器は、盛岡で100年以上続く老舗、釜定の南部鉄器。「鉄鍋は重さやお手入れを気にする人も多いですが、本当はとても使える道具。形のよいものを選ぶと、出来たてをそのまま食卓に出せておいしさも倍増です」と長尾さん。「ほどよい大きさならそれほど重くないし、黒い色も食卓の風景を引き締めてくれます。焼き物も炒め物も、こんがりと香ばしく仕上がるのがいい」。すき焼きのような本来の使い方もいいけれど、野菜たっぷりのエスニックを合わせたら、より新鮮なテーブルに。「油を使って調理して、使い終わったらきちんと水気を取れば錆びる心配もありません。ぜひ気軽に使ってみて」
ひき肉とひよこ豆炒めと野菜のミント風味
材料(3人分)
〈ひき肉とひよこ豆炒め〉
- 合いびき肉
- 約250g
- ひよこ豆(水煮)
- 約100g
- しょうがのすりおろし
- 小さじ1
- にんにくのすりおろし
- 1/2片分
- 赤唐辛子粉
- 小さじ1/4
- クミンシード
- 小さじ1/2
- 塩
- 適量
- オリーブ油
- 小さじ2
- 紫玉ねぎ
- 1/2個
- プレーンヨーグルト
- 約100㎖
- レモン
- 1/2個
- トルティーヤまたは好みのパン
- 適量
〈野菜のミント風味〉
- なす
- 3本
- エリンギ
- 中2本
- かぼちゃ
- 1/5個
- スペアミント
- 1パック
- オリーブ油
- 大さじ2
- 塩
- 少々
作り方
① ひき肉とひよこ豆炒めを作る。鉄鍋にオリーブ油を入れて中火にかける。温まったらひき肉、しょうが、にんにく、クミンシードを入れて軽く塩をふり、混ぜながらひき肉の脂が出るまで炒める。赤唐辛子粉とひよこ豆を加え、なじむまで炒め合わせる。
② 紫玉ねぎは繊維に沿って薄切りし、軽く水にさらして水気をきる。ヨーグルトは塩ひとつまみを入れて混ぜておく。
③ 野菜のミント風味を作る。なすはへたを切り、縦2等分してから厚めの長方形に切り分ける。エリンギも同じくらいに切る。かぼちゃは皮をそいで7〜8㎜の厚さに切り分ける。鉄鍋にオリーブ油を温めてかぼちゃ、なす、エリンギの順に加えて炒める。塩をふり、サイズの合う蓋かアルミホイルをかぶせて蓋をして蒸し焼きにし、焼き色がついたら火を止める。ミントの葉を散らす。
④ 器に①と③を一緒に盛り、②のヨーグルトを添えて紫玉ねぎをのせる。赤唐辛子粉とオリーブ油(ともに分量外)をふり、くし形切りにしたレモンとトーストしたトルティーヤまたはパンを添える。
今月のうつわ
シンプルで、北欧デザインを思わせるモダンなフォルムが魅力のロングセラー。サイズ違いで入れ子になる。しっかりと厚みがあるので温度が安定しやすく、オーブン対応なのでグラタンなどにもおすすめ。(右)すき焼き鍋 中¥4,500・(左)すき焼き鍋 小¥2,800/釜定
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。待望の新刊は予定より少々押し気味で、10月末の発売を目標に最終作業中。「お茶とお菓子、お酒と料理をぎゅっとまとめた一冊」だそうで、期待がふくらみます! http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2018年10月号「長尾智子が語る、うつわと料理 美味しいひと皿、あります」
photography:Masahiro Sanbe text:Kaori Okuda