普段は脇役として登場することの多い、小皿の使い方が今月のテーマ。「いわゆる和食器の小皿や豆皿からアジアの薬味入れまで、小さめのお皿は意外と使えるもの」と長尾さん。「たとえばチョコレートひとかけとビスケット1枚、ぶどう3粒にドライフルーツなど、ほんの少しのおいしいものを小さなお皿にのせると楽しい。きちんと揃っている必要はないし、デミタスカップなどのソーサーを取り入れたり、気楽な感じで使ってみて」。秋のティータイムなら、ドライフルーツやナッツのお菓子を。「シンプルな焼き菓子もランダムに切り分けるとリズムが生まれて、和と洋が交ざる器のラフな雰囲気に合いますよ」
デーツのケーキと塩煎りナッツ
材料
〈デーツのケーキ〉(直径22㎝の丸型1台分)
- 薄力粉
- 120g
- ベーキングパウダー
- 小さじ1/2
- シナモンパウダー
- 小さじ1/3
- 卵
- 大2個
- きび砂糖
- 90g
- 無塩バター
- 60g
- ドライデーツ
- 約8個
〈塩煎りナッツ〉
- ミックスナッツ
- 80g
- 水
- 50㎖
- 塩
- 小さじ1/2
作り方
① デーツのケーキを作る。オーブンを170℃に温める。丸く切ったベーキングシートを型に敷いておく。
② 薄力粉とベーキングパウダー、シナモンパウダーを合わせてふるい、ボウルに入れる。別のボウルに卵を割り入れ、きび砂糖を加えて細かい泡が立つくらいまで混ぜ合わせる。無塩バターは小鍋に入れ、ごく弱火にかけて溶かしておく。
③ ふるった粉に卵液を一度に加え、泡立て器で手早く粉気がすっかりなくなるまで混ぜ合わせる。溶かしバターを加えてしっかり混ぜ、型に流し入れる。デーツを4等分に切り、生地の上にバランスよく散らす。オーブンで25分ほど焼き、取り出して冷ます。
④ ケーキがすっかり冷めたら、まず2等分し、あとは小さめに、好きな角度で切り分ける。
⑤ 塩煎りナッツを作る。小鍋に材料をすべて入れて中火にかけ、混ぜながら水気を飛ばす。全体が乾いてきたら、ざるなどに移して完全に冷ます。④のカットしたケーキと一緒に小皿に盛りつけて。
今月のうつわ
今回撮影に使ったのは、すべて長尾さんの私物。右上から時計回りに、ベトナムの小皿、イタリアのカフェの業務用カップのソーサー、インド製の緑のほうろう皿、祇園祭の菓子皿、京都の古道具市で見つけた小皿、フランスのデミタスカップのソーサー。国籍も素材もさまざま
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。アドバイザーとして関わる小石原ポタリーの展示会が10月下旬、吉祥寺のギャラリーfèveにて開催予定。待望の新刊は11月だそう。どちらも詳しい情報はインスタグラム(@vege_mania)でチェックを! http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2018年11月号「長尾智子が語る、うつわと料理 美味しいひと皿、あります」
photography:Masahiro Sanbe text:Kaori Okuda