‟アペロ”はアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。深まりゆく秋の夜をゆったり過ごすなら、フライパンひとつでさっと作れてワインが進む、こんなひと皿はいかが? 「レバーの扱いは一見難しそうだけど、新鮮なら牛乳につけるなどの臭み取りは不要。流水でしっかり洗って血抜きして、水気を拭き取ればOKです。ソテーするときはバターが焦げすぎないよう火加減に注意して、中火でじっくり火を通すのがコツ。スパイスやハーブで香りづけすると、一段とワインに合う味になりますよ」。合わせるならやっぱり赤ワイン。「ボジョレーのような軽いものからしっかりしたものまで幅広く合うので、順に飲み進めるのも楽しい」。ポンレヴェックは、ウォッシュタイプの中ではクセが少なく食べやすいチーズ。レーズンの甘さもほどよいアクセントになってグラスが進み、つい夜更かししてしまいそう。
材料(2人分)
- 鶏レバー
- 約200g
- 玉ねぎ
- 1/4個
- にんにく
- 小1片
- シナモンパウダー
- 小さじ1/4
- ナツメグパウダー
- 小さじ1/4
- クローブ
- 3本
- ローズマリー
- 1本
- 無塩バター
- 約小さじ2
- 塩・こしょう
- 各少々
- 枝つきレーズン
- 小1本
- ポンレヴェック(またはウォッシュタイプのチーズ)
- 1/2個
- クラッカー
- 適宜
作り方
❶ レバーは3等分くらいに切り分け、流水で血抜きしてから水気を拭き取っておく。玉ねぎは放射状に細切りする。にんにくは皮をむいて2等分し、芯をはずす。
❷ フライパンにバターとにんにく、クローブを入れ、弱火にかける。バターが溶けたら少し火を強めてレバーと玉ねぎを加え、軽く塩をふって炒め合わせる。しばらく動かさずに焼き、火が通ってきたら残りのスパイスとローズマリーを加えて、レバーの上下を返すようにして焼き、焼き色がつくまで火を通す。
❸ ②を器に盛り、こしょうを軽く挽きかけて、チーズとレーズン、クラッカーを添える。
スパイスは加える順番も大事。「ホールのクローブは先に加えて香りを出し、パウダーのスパイスは焦げないようにあとから加えます」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。今月、友人と共同経営で東京・神宮前に「Bar werk」をオープン。長尾さんはメニュー構成を担当。「自家製のフルーツシロップを使ったローアルコールのカクテルもありますよ」。お店の詳細はインスタグラム(@bar_werk)でチェックを! http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2019年11月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.08」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda