ムール貝と桜えびのパエリアと白ワイン - 金曜日のアペロ No.13

“アペロ”はフランス語のアペリティフ(食前酒)の略で「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表すときに使われる言葉。今月のアペロは、浅い鍋で炊き上げるスペイン料理、パエリア。「パエリアの炊き方はさまざまで、ほとんどおこげのようにするレストランもあれば、ふっくらとさせる家庭的なものも。今回はその中間くらいで、気楽に作りやすいレシピ」。パエリアは本来蓋をせずに炊くのだけれど、軽くアルミホイルをかぶせて蒸らしつつ、でも密封はせずに蒸気を逃がしながら炊くと、おこげとふっくら具合がほどよいバランスで仕上がるのだそう。「パエリア専用のパエリアパンは一度使ってみるとやはりよさがわかるはず。なければ、浅めのフライパンでも。深めのフライパンなら、もう少し炊き込みご飯風になります」。お酒はスペインの白ワイン。「白ワインの酸味がパエリアの風味づけになって、とても相性のいい組み合わせ。レモンを添えるなら、少し食べ進めてから少なめに搾りかけるくらいがちょうどいいバランスです」。

材料(2人分)

 1.2カップ
サフラン
 ひとつまみ
桜えび(ゆでてあるもの)
約50g
ムール貝
約10個
パンチェッタ(スライス)
4枚
にんにく
1/2個
トマトピュレ
大さじ2
オリーブ油
大さじ2
 少々
赤唐辛子粉
 少々

作り方

❶ パンチェッタは細切りにする。にんにくは芯をはずして2等分に。ムール貝は足糸を引き抜き、殻を洗う。サフランはオーブンペーパーに包む。

❷ パエリアパンを弱火で温め、サフランの包みを置いて数十秒熱し、火を止める。サフランを軽くつぶして細かくし、水400㎖(分量外)に加えて混ぜておく。

❸ パエリアパンを再び弱めの中火にかけ、オリーブ油の半量を温める。パンチェッタ、にんにくを加えて炒め、香りが出てきたら米を入れる。塩を加え、混ぜながら途中でオリーブ油を大さじ¹⁄₂足して、全体に油を回す。トマトピュレを加えて炒め、全体がなじんだら②のサフラン水を注ぐ。軽く煮立てた状態で木べらで混ぜる。

❹ ③に桜えびを散らし、ざっと混ぜてムール貝も散らしてのせる。残りのオリーブ油を全体にふり、アルミホイルを軽くかぶせて少し火を弱め、焦げすぎないように時々火加減しながら12〜13分くらい炊く。米が硬めに炊き上がったら火を止め、アルミホイルをかぶせたまま7〜8分蒸らす。

❺ ムール貝を殻からはずし(飾り用にふたつ殻を残す)、赤唐辛子粉を軽くふる。好みでレモンを添えても。

 

スペインの代表的なぶどうの品種アルバリーニョの白ワイン、ボデガス・ラ・カーニャ。「料理とお酒の国や地域を合わせるのも楽しいもの」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。お酒に合う料理をテーマにしたアペロの連載も2年目に突入。今月号から、SPUR.JP上で動画によるポイント解説をスタートします! 「これでコツがわかるはず。ぜひ楽しんで作ってほしい!」。さっそくチェックしてみて。 vegemania.com

SOURCE:SPUR 2020年4月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.13」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

FEATURE