“アペロ”とは、フランス語でアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。夏の盛りの夕暮れ時に、沖縄の食材を使ったひと皿とカクテルで暑気払いのアペロはいかが?「ゴーヤーはチャンプルーだけでなく、酢の物にも向いている野菜。もずくと一緒に寿司酢で和えるだけで、さっぱりしておいしい」。焼きなすにはたっぷりの島こしょうを。「島こしょうは独特な爽やかさがあって、料理を手軽に沖縄の風味にしてくれる調味料。チキンソテーや野菜炒めにもおすすめです」。焼きなすや酢の物はあえて少しずつ盛り合わせて、ゆっくり味わうのがアペロならではの楽しみ方。「一度に盛るとおかず、少しずつだと酒の肴の風景に。お酒をあまり飲まないなら、果汁の代わりにシークヮーサーやマンゴーのジュースと炭酸水を半々に割って、泡盛はほんの少しでも。好きなバランスを見つけるのも楽しいもの」
材料(2人分)
- 丸なす
- 1個
- 島こしょう(ピパーツ)
- 少々
- 植物油(米油など)
- 約大さじ2
- ゴーヤー
- 中1/2本
- もずく
- 50g
- ごま油
- 小さじ1/2
- 寿司酢
- 小さじ1
- 塩
- 適宜
作り方
❶ ゴーヤーは縦2等分して端を切り落とし、スプーンでワタと種をのぞき、薄切りにする。もずくは塩蔵品なら塩抜きし、キッチンバサミで食べやすく切る。ゴーヤーをボウルに入れ、塩少々をふって混ぜ、寿司酢、もずく、ごま油を加えてよく和え、冷蔵庫で冷やす。
❷ 丸なすは両端を切り落とし、4等分に切り分ける。フライパンに油を温めて塩を軽くふり、なすを並べ入れる。下側に焼き色がついたら上下を返し、足りなければ油を足して同様に焼く。
❸ なすを器に盛り、多めの島こしょうと塩(あれば粗塩)少々をふりかける。①のゴーヤーの酢の物を添える。グラスにシークヮーサーの果汁と泡盛を適量入れ、炭酸水を注いで軽く混ぜたカクテルを合わせて。
カクテルに使ったのは那覇・宮里酒造所の泡盛、春雨。「マイルドで甘い香りが魅力的な泡盛。飲むだけでなく、豚肉の角煮などの料理にも」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア、SOUPs(soup-s.shop/)を展開。「果物の仕込みの季節まっただ中。キッチンに保存瓶がずらりと並んでいます」vegemania.com
SOURCE:SPUR 2020年9月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.18」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda