“アペロ”とは、フランス語のアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」というような気分を表す言葉。残暑が続く日のアペロは、旬のとうもろこしを主役にしたワインに合うパスタを。「とうもろこしの実は、生のままゆでたてのパスタにからめて余熱を加える程度で充分おいしく仕上がります。芯をパスタと一緒にゆでるのは、とうもろこしの炊き込みご飯がヒント。ほんのり香りがついて、実と混ぜ合わせたときにもなじみやすくなります」。今回使ったパスタは、全粒粉のもの。「少しぼそっとした食感ではあるものの、素朴さがあっていつものパスタと変化がつくのでおすすめ。繊維質も豊富です。暑い日に冷製で作るなら、細めのヴェルミチェッリで」。合わせたお酒は、ワインを炭酸で割った爽やかなスプリッツァ。「スプリッツァは北イタリアではアルコール度数が高いワインを飲みやすくする工夫だったそう。もったいないようですが、そのまま飲んでおいしいワインほど、炭酸で割ると香りが引き立ちますよ」
材料(2人分)
- とうもろこし
- 大1本
- バジル
- 約2本
- スパゲッティ(全粒粉)
- 160g
- パルメザンチーズ(すりおろす)
- 約大さじ3
- 塩
- 少々
- オリーブ油
- 大さじ2
作り方
❶ 鍋にたっぷりの湯を沸かし始める。バジルは冷水につけてぱりっとさせてから葉を摘み、大きいものは2〜3等分にちぎる。とうもろこしはまな板などに立てて、回しながらナイフで実をそぎ、大きめのボウルに入れる。
❷ ①の湯が煮立ったら、パスタを入れてゆでる。そこに2等分にしたとうもろこしの芯を加え、一緒にゆでる。
❸ とうもろこしの実の入ったボウルに塩とオリーブ油の半量を加え、軽く混ぜる。パスタがゆで上がったら水気を軽く切り、ボウルに一気に移し入れ、残りのオリーブ油も加えて手早く混ぜ合わせる。器に盛り、ボウルに残ったとうもろこしをのせ、バジルを散らす。パルメザンチーズをすりおろしながらたっぷりとふりかける。
今回スプリッツァに使ったのはエミリア=ロマーニャ州の白ワイン、アルベルト・アングイッソラ“カゼビアンコ”。炭酸との割合はお好みで。
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍、メニュー開発で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア(soup-s.shop/)を展開。「無印良品ととらやの共同開発の限定羊羹をディレクションしました」。銀座MUJI HOTELと同フロアにあるショップ、ATELIER MUJI GINZAにて販売中。vegemania.com
SOURCE:SPUR 2020年10月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.19」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda