“アペロ”とは、フランス語のアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。粉やバターを使った焼き菓子が恋しくなる季節に、ケーキとシードルの甘いアペロはいかが? 「りんごをたっぷりのバターでソテーして、生地に混ぜて焼くシンプルなケーキ。タルト型で低めに焼くと生焼けの心配もなく、お菓子作り初心者でも気楽に作れます。今回は素朴な粗糖を使いましたが、グラニュー糖にブランウンシュガーを混ぜたり、好みの甘さでアレンジしても。サワークリームと生クリームを合わせたクリームは、少し多めに作ってパンケーキなどに添えてもおいしい」。合わせたのはりんごのお酒、シードル。「ラベルの柄が可愛いフロリバンダ(旧エッゲル・フランツ)は、北イタリアの小さな町のはずれにある作り手。今回は生姜の風味をつけたものを選びました。りんごの焼き菓子とは、合わないわけがない組み合わせ」。のんびりとした冬の週末、暖かなブランケットに包まれながら、りんご尽くしのアペロを楽しんで。
材料(直径21cmのタルト型1台分)
- りんご
- 中1個
- 卵
- 大2個
- 薄力粉
- 100g
- ベーキングパウダー
- 小さじ1/2
- 砂糖 (粗糖)
- 100g
- 無塩バター
- 50g
- 牛乳
- 大さじ2
- シナモンパウダー
- 小さじ1/2
- サワークリーム
- 約100g
- 生クリーム
- 約100㎖
作り方
❶ りんごは洗い、4等分して芯をのぞく。縞状に半分くらい皮をむき、縦横にそれぞれ3〜4等分する。
❷ フライパンに分量のバターと砂糖大さじ2を入れて中火にかけ、①のりんごを加える。砂糖が溶けてきたら、木べらで混ぜながらからめ、砂糖が少し焦げてきたら火から下ろして粗熱を取る。
❸ 薄力粉とベーキングパウダー、シナモンパウダーを合わせてふるい、ボウルに入れておく。
❹ 別のボウルに卵を割り入れ、残りの砂糖を加えて泡立て器でしっかり混ぜる。細かい泡が立ってきたら③の粉のボウルに加える。泡立て器で手早くしっかり混ぜ、まとまってきたら牛乳を加える。ゴムべらで生地をまとめ、②のりんごのソテーをバターごと加えて手早く混ぜる。オーブンを180℃に温める。
❺ タルト型にバター(分量外)を塗るか、テフロン加工ならベーキングシートを底の部分にだけ丸く切って敷いて④の生地を流し入れて平らにならす。オーブンで30~35分ほど焼く。取り出して冷まし、サワークリームと生クリームを練り合わせて添える。
フロリバンダのシードルは無農薬無肥料栽培の自然派。「スタンダードに加えて、かりんや生姜、エルダーフラワーで風味づけしたものも」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア(soup-s.shop/)を展開。「オリジナルの器の新作にようやく着手。カトラリーなども随時更新しているので、ぜひのぞいてみてください」
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SOURCE:SPUR 2020年12月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.21」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda