作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる時短や効率ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食、今月は白ワインのお供にしたくなるいわしの酢漬け。「新鮮ないわしを見つけたら、ぜひ試してほしい酢漬け。2〜3時間漬けただけのフレッシュな味も、数日たって酸味がしっかりきいたものもどちらもおいしい。三枚おろしにしたものなら下処理の手間がかからないので、たくさん仕込むときは便利ですよ」。漬け加減によって味わいががらりと変わり、その変化を楽しめるのも保存食ならでは。「玉ねぎは繊維に沿って薄切りにするとしゃきっと仕上がり、繊維を断ち切るようにするとしんなりするので、好みで変えても。いわしとセットで仕込んでおくと盛りつけも格好がつくし、料理として食べ合わせがよくて完成度が高まります。さらにトマトを加えてボリュームアップしても」。これからの季節、冷蔵庫にこの酢漬けセットがあれば、帰宅が楽しみになりそう。
材料(作りやすい分量)
- いわし(開いたもの)
- 5尾
- 玉ねぎ
- 中1個
- 米酢
- 大さじ5
- 塩
- 適宜
- 三温糖(または甜菜糖)
- 大さじ1
- 米酢
- 120㎖
- レモン汁
- 1/2個分
- 塩
- 小さじ1
作り方
❶いわしは尾を落として縦に2等分し、背びれと腹側の小骨がついた部分を切り落として形を整える。バットなどに並べて塩少々を振り、米酢大さじ3を振りかけて10分程度おく。
❷玉ねぎは4等分して皮をむき、繊維に沿って薄切りにする。ボウルに入れ、米酢大さじ2、塩少々を加えて手でよくもみ込む。
❸Aの材料を混ぜ合わせておく。①のいわしを洗って水気を取り、皮をむく。バットか保存容器に並べ入れ、合わせたAをかけて冷蔵庫へ。2〜3時間漬ければ食べられる。いわし、玉ねぎともに冷蔵庫で1週間程度保存可。
漬けた玉ねぎといわしを器に盛り、みじん切りにしたパセリを散らす。オリーブ油を回しかけて粗塩を振り、軽くトーストしたパンとバターを添える。「仕上げのオリーブオイルは欠かせないので、香りのよいものを常備しておくこと。粗塩もあると味にコントラストがついておいしい」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する傍ら、スープをテーマにオリジナルの器などを扱うオンラインストア、SOUPs(soup-s.shop/)を展開中。「SPUR6月号では『ベランダでアペロ』のレシピも担当。合わせてぜひ作ってみてください」
vegemania.com
SOURCE:SPUR 2021年6月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda