仕込みの時間:りんごのキャラメルコンポート【長尾智子の保存食レシピ 第11回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる効率や時短ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させるための保存食。今月は冬のデザートのもとになる、りんごのコンポート。

「りんごは秋映やサンつがる、ふじなど、煮くずれしにくい種類を選ぶのがコツ。煮る時間はなるべく短めに、実が膨らんできたらさっと火を止めるなどして様子を見ながら調節を」。

りんごを柔らかく煮たら、キャラメルソースと合わせてコンポートに。

「りんごは砂糖で煮るだけとキャラメルソースを加えるのとでは『デザート感』が違うので、キャラメルソース作りに慣れていない人もぜひ挑戦を。何度作っても緊張感はあるけど、焦げてきたと思ったらいったん火から下ろし、また火にかけることを繰り返すと安心。色のつき方で判断するので、繰り返して慣れるつもりで」。

アイスクリームに添えたり、パウンドケーキに入れて焼き込んだり。デザート作りが楽しみになる、甘い保存食を冬のおうち時間のお供に。

材料(作りやすい分量)

りんご
2個
シナモンスティック
1本
てん菜糖
大さじ1
グラニュー糖
100g
バニラオイル
3〜4滴
白ワイン
100㎖

作り方

❶りんごは皮をむき、4等分して芯を取る。一切れをさらに放射状に4等分し、半分に折ったシナモンスティック、てん菜糖、白ワイン、水大さじ2、バニラオイルと一緒に鍋に入れる。中火にかけ、煮立ったら落としぶた代わりにキッチンペーパーをのせ、軽く煮立つくらいの弱めの中火で煮る。時々上下を返して煮汁が行き渡るようにし、柔らかくなるまで15分ほど煮て、耐熱容器に詰める。

❷キャラメルソースを作る。①で残ったりんごの煮汁にお湯を足し、100㎖にしておく(A)。鍋かフライパンにグラニュー糖を入れ、水大さじ2を加えて中火にかける。軽く揺すって水分が均一に回るようにし、そのまま動かさずにおく。まわりから泡立ってきて、しだいに砂糖が焦げて薄く色がついてきたら、少し火を弱めて軽く揺する。

❸②の色が濃くなってきたらいったん火を止め、色が均一になるように揺すって様子を見る。茶色がまだ薄ければ弱火にかけ、ちょうどいい色加減になったら火を止めてAを少し加えて揺する(勢いよく泡立つので注意)。少しずつAを加えて弱火にかけて揺すって色を均一にする作業を、キャラメルソースに少し粘りが出るくらいまで繰り返す。

❹③のキャラメルソースが冷めないうちに、①のりんごに注ぎ入れる。そのまま冷ましてふたをする。

 

「ブリオッシュのようなバターたっぷりのパンをトーストしてのせたり、シンプルなチョコレートケーキに生クリームと一緒に添えても。りんごを食べ終わって残ったソースも、風味が移って美味」。清潔なスプーンを使い、冷蔵で保存。冬場なら3週間くらいは持つ。

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア、SOUPs(soup-s.shop/)を展開中。今月号ではおせちテーマも担当し、気負わず作れるレシピを披露。「黒豆を煮るプロセスなど、より詳しいポイントをインスタグラム(@vege_mania)でも紹介しているので、ぜひチェックしてください」

SOURCE: SPUR 2022年2月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

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