仕込みの時間:ラタトゥイユ【長尾智子の保存食レシピ 第16回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。季節を感じ健やかな自分を持続させる保存食、今月は南仏の定番料理、ラタトゥイユ。

「野菜を別々に炒めて順番に鍋に入れていくやり方は、古い家庭料理の本を参考にしたもの。火の通りにくい野菜から炒め、順に重ねていくことで下の野菜が蒸されるので、でき上がったときに野菜の食感にばらつきが出にくくなるおすすめの方法です」。

レモンの風味をつけた柔らかいじゃがいもと香ばしくトーストしたパンを添えたら、夏のランチにぴったりの一品に。

「カレー粉を足してやさしい味のカレーにしたり、オムレツの具にしたり、いろいろなアレンジが楽しめます。暑い日はしっかり冷やしたラタトゥイユにチリペッパーを少々ふり、チーズを添えて。ビールやワインに合わせてもおいしいですよ」。

夏の休日、鍋いっぱいに作って楽しもう。

材料(作りやすい分量)

パプリカ(赤、黄)
各1個
なす 
 中3本
ピーマン
3個
ズッキーニ 
1本
にんじん 
小1本
玉ねぎ 
中1個
トマト 
中3個
にんにく 
1片
タイムの枝  
3〜4本
塩 
少々
オリーブオイル 
大さじ3〜4

作り方

❶パプリカ、ピーマンは4等分して種と軸を取り、一口大の角切りにする。ズッキーニ、なすは厚めの輪切りにし、太い部分は半分に切る。にんじんは7〜8㎜にスライス。玉ねぎはパプリカと同じくらいの角切りにする。それぞれ切ってバットなどに分けておく。にんにくは2等分して芯をはずす。

❷大きめの鍋を用意しておく。フライパンにオリーブオイルを小さじ1入れ、にんにくを加えて香りが立つまで弱火で炒めていったんはずす。そこにパプリカを入れて炒める。ごく軽く塩をふり、全体に油が回る程度に軽く炒めて鍋に移す。玉ねぎ、にんじん、ピーマン、なす、ズッキーニの順に、適宜オリーブオイルを足し、塩をごく軽くふりながら炒め、順に鍋に移す。にんにくも鍋に入れる。

❸②の鍋にタイムを枝ごとのせ弱火に火加減し、蓋をして5〜6分蒸し煮にする。4等分してへたを除き、1切れを3〜4等分したトマトを鍋の蓋を開けて加え、軽く塩をふり、オリーブオイルを小さじ2ほど回しかける。最初の5〜6分は蓋をし、途中で一度全体を混ぜて蓋を取ってさらに10分ほど、トマトがなじんで野菜が柔らかくなるまで煮込み、タイムの枝をはずす。でき上がったら、すぐに食べる分以外はしっかり冷まして保存容器に移して冷蔵。4〜5日を目安に食べ切ること。

 

【レモン風味のポテトの作り方】
じゃがいも(男爵)4個の皮をむいて4〜5等分し、多めの水分量で柔らかくなるまでゆでる。水気を少し残して捨て、塩少々とオリーブオイル大さじ2、レモン汁1/6個分をふって混ぜ火を止める。ラタトゥイユ、トーストしたパンと盛り合わせる。

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌など各メディアで活躍する一方、オリジナルの器を扱うオンラインストア、SOUPsを展開。夏にかけては「遅れている新刊の執筆に集中!」だそう。待望の新刊、お楽しみに!

SOURCE: SPUR 2022年7月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

FEATURE
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