2022.07.17

仕込みの時間:シーフードバター【長尾智子の保存食レシピ 第17回】

作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。季節を感じ健やかな自分を持続させる保存食。今月はアペロにも料理のベースにもなる、魚介のバター。

「イギリスのポッテッドシュリンプをヒントに作ったシーフードバターは、バターと具材を火にかけてゆっくりと熱を入れるのがコツ。バターが焦げたり、シーフードを煮すぎると硬くなるので気をつけて。スライスしたレモンも一緒に火を通して具材として食べると爽やかで、少し苦味も加わっておいしい」。

レモンを加えたら、よく混ぜながらとろみをつけると分離しにくく、まろやかに仕上がる。

「トーストはもちろん、焼き野菜や魚のソテーにのせたり、じゃがいもやチーズと合わせてグラタンにしたり、アレンジはいろいろ。トマトと一緒に煮て、パスタやリゾット、ピラフにするのもおすすめです」。

夏の食卓に活躍しそう。

材料(作りやすい分量)

えび(中サイズ)
約150g
たこ(足)  
 1本
レモン
小約1/2個
ディル 
2本
ケイパー(水煮) 
小さじ2
にんにく 
1片
無塩バター 
中3個
オリーブオイル 
50g
塩  
少々

作り方

❶えびは殻をむき、背に包丁を入れて背わたを取る。1尾を4〜5等分に刻んでボウルに入れ、塩(分量外)を多めにふって揉み込むように混ぜる。流水で塩を洗い流し、水気を拭き取っておく。たこもえびの大きさに大体合わせて切り分ける。ディルは粗く刻む。レモンはスライス3枚を4等分し、残りは搾る。にんにくは皮を取り、芯をはずしておく。

❷フライパンに大まかにスライスしたバターを入れ、その上にえびとたこ、レモンのスライス、にんにくをのせて、ケイパーを散らす。軽く塩をふり、オリーブオイルを回しかける。

❸②のフライパンを弱めの中火にかける。バターが溶けて煮立ってきたら弱火にし、焦がさずゆっくり火を入れる。えびの色が変わったらレモン汁を加え、木べらで混ぜる。軽くとろみが出たら火を止め、にんにくをはずす。2〜3分おいてディルを加える。具材をココットや保存瓶などに詰め、残ったバターをかけて完成。保存は冷蔵庫で1週間ほど。真夏は3〜4日で食べ切って。油分が少ないと日持ちしないので注意。

 

【焼き野菜とシーフードバターの作り方】

ズッキーニ(黄・緑)各1本は8㎜程度の輪切りにする。かぼちゃ約₁⑊⁶個はいちょう形にスライスして3分ほどゆでる。ズッキーニとかぼちゃをボウルに入れ、塩少々とオリーブオイル大さじ1を加えて混ぜ、オーブンの天板に広げて210℃で15分ほど焼く(トースターでもいい)。焼き上がりにシーフードバター適量をスプーンでのせる。

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌等で活躍する一方、オンラインストア、SOUPsを展開。「梅に始まり、プラムや桃と保存食作りに忙しい季節。暑い時季にミニトマトをドライにするのも楽しみ」

SOURCE: SPUR 2022年8月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda