長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときのための"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
ベトナムのサンドイッチ、バインミーも具だくさんにすれば、ボリュームのあるメインディッシュに。
「具材を通常の倍量くらい用意して、サンドイッチというよりサラダをバゲットと一緒にいただく気分でたっぷり食べるのがおいしい。具材が余ったら、混ぜ合わせて翌日のおかずにしても」。
バゲットは40㎝以上の長いもので作ると、食卓にのせたときの楽しさが倍増。硬めに焼いたものより、スタンダードな焼き加減でほどよく軽いものが合うそう。
「豚肉、えび、ニョクマム、甘酸っぱいなます、野菜……といくつものパーツがミックスされた味がおいしいので、具材はなるべく多くの種類を揃えるのがおすすめ。青唐辛子は時々アクセントに感じる程度にほどよくちらして。レバーペーストは市販のものにすると、時間がかかる具材が豚肉だけなので気負わず作ることができます」。
春らしく淡い色合いの材料を組み合わせるイメージでぜひ作ってみて。
材料
野菜たっぷりのバインミー
えび
中12~14尾
豚肩ロース塊肉
約500g
菜の花
1束
香菜
2株
スペアミント
2〜3本分
きゅうり
1本
大根
太め4〜5㎝
にんじん
中1/2本
紫玉ねぎ
1/2本
サラダ菜
3〜4枚
レモン・ライム
各1個
青唐辛子
1〜2本
レバーペースト(市販)
約80g
バゲット
長め1本
塩・こしょう
各適宜
ニョクマム
大さじ1
米酢
大さじ5
てん菜糖
大さじ2
〈下準備〉豚肉は重さの4%ほどの塩をすり込み、30分以上置いてから塩気を拭き取り、鍋に入れる。豚肉がかぶるくらいの水を注ぎ、中火にかける。煮立ってきたら少し火を弱め、あくを丁寧にすくってキッチンペーパーをかぶせ、軽く煮立つ程度の火加減で1時間ほどゆでる。途中で水が減ってきたら適宜足す。ゆでる間に、ほかの下ごしらえをする。
なますを作る。大根は皮をむいて千切りに。にんじんも同様に千切りにし、合わせてボウルに入れ塩少々をふって混ぜ、4〜5分置いて水気をよく絞る。米酢、塩少々、ニョクマム、てん菜糖を加えてよく混ぜ合わせる。
鍋に湯を沸かし、菜の花を1分ほどゆでて冷水に取り、粗熱が取れたら水気を絞る。きゅうりは両端を切って縦に薄切り、香菜は根元を落として2㎝に刻み、サラダ菜は洗って水気を切る。紫玉ねぎは根元を切り落として縦に薄切りし、水にさらして水気を切る。
えびは殻をむき、ボウルに入れて塩少々をふって混ぜ、流水で洗ってぬめりを取る。沸騰した湯で1分ほどゆでて引き上げ、冷ましておく。
①の豚肉に竹串を刺し、透明な水分が出てきたら火を止めて粗熱を取り、少し厚めにスライスする。保存容器に豚肉を入れ、ゆで汁を注ぐ。②のなますを容器に入れ、こしょうを挽きかける。野菜やえびもそれぞれ容器や袋に詰める。
〈仕上げ〉レモン、ライムはくし形に。バゲットに切り込みを入れ、レバーペーストを塗る。菜の花、豚肉、水気を切ったなます、きゅうり、えび、紫玉ねぎ、香菜、ちぎったサラダ菜、スペアミントを多めに重ねていく。途中でレモンとライムを少しずつ搾り、薄切りにした青唐辛子をちらす。たっぷり挟んだらバゲットを軽く押さえてなじませる。挟み切れなかった材料は別皿に盛り、好みで足しながら召し上がれ。
今月のお気に入り
旅先のベトナムの市場でまとめ買いし、長年愛用しているアルミのスプーン。
「少し柄の長いティースプーンくらいのサイズで、味見をしたり、ソースやドレッシングを混ぜたりと何かと出番が多く便利に使っています。このくらい軽くてチープなスプーンを何本も持つのはとてもおすすめ。アジアの料理を作りたくなりますよ」
フードコーディネーター。アドバイザーとして携わっている小石原ポタリーの新作、抹茶ボウルが3月に登場。3月11日〜
4月14日に青山スパイラルマーケット、3月20日〜4月2日に福岡のB・B・B POTTERSで展示販売の予定。詳細はhttp://koishiwara.jp/