長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
冬の食卓の主役といえば、やっぱり鍋。色とりどりの具材を並べた吹き寄せ鍋は見た目も華やかで、年末年始の集まりにうってつけ。
「小さめの具材をあれこれ用意して、きれいに詰めて持ち寄るお正月の鍋料理。よりお正月らしくするなら、ゆり根や赤い京にんじんを加えても。かぶを大根に替えたり、小いもを入れてもおいしい。どんな具材を足すときも、大きさは小ぶりにするのが吹き寄せのコツです」。鶏団子や野菜からだしが出るので、ベースは昆布のみでシンプルに。定番のぽん酢もおいしいけれど、さっと混ぜるだけのたれや搾りたてのゆずを添えるとより新鮮。
「鍋はあえて小さめのサイズにして、一度食べ切ったらまた昆布や水を入れて沸かし、具材を加える作業を繰り返すと、煮えすぎたり材料が残ったりせずに食べ終わりまできれいにまとまります」。ボリューム次第でメインにも持ち寄りの一品にもなる鍋で、温かなハッピーニューイヤーのひとときを。
材料
NEW YEAR 吹き寄せ鍋
鶏ひき肉(もも・胸)
各約150g
木綿豆腐
約100g
A - パン粉、片栗粉
各大さじ2
生姜のすりおろし
小さじ1
塩
少々
えび
8尾
片栗粉
約大さじ2
うずらゆで卵
8個
葉つきかぶ
中2個
水菜
約3株
にんじん
小1本
細ねぎ
1束
銀杏の水煮
約20個
白きくらげ(乾燥)
約10g
昆布(約8㎝角)
2枚
黒酢
約150㎖
黒こしょう
少々
ゆずこしょう
小さじ2
オリーブオイル
約80㎖
ゆず
1〜2個
〈下準備〉豆腐はキッチンペーパーに包んで重しをし、材料を準備する間、水切りする。白きくらげはぬるま湯に浸けて戻しておく。かぶは実を切り離し、皮をむいて放射状に薄めに切り分ける。葉と茎は長さを2等分する。水菜は根元をよく洗う。にんじんは皮をむき3〜4㎜にスライスし、太い部分は2等分する。えびは殻をむいて背に包丁を入れ、背わたを取る。
鍋に多めの湯を沸かし、材料を順にゆでる。水菜は30秒ほどゆでて引き上げ、冷水に取る。かぶの葉は1分ほどゆでて冷水に取る。にんじんは2分ほどゆでて冷水に取って水を切り、冷ます。かぶの実もにんじんと同様にゆでる。白きくらげは5分ほどゆでて冷水に取り、水気を切る。それぞれの材料が冷めたら、かぶの葉、水菜は3㎝に切り揃え、銀杏とともに容器に詰める。
鍋の湯を捨てて再び水を注ぎ、沸かす。えびに片栗粉をまぶし、30秒ほど軽めにゆでて流水で急冷する。
鶏団子を作る。①の水切りした豆腐を崩してボウルに入れ、鶏ひき肉、A、生姜、塩を加え、ゴムベラでざっと混ぜてから、全体に粘り気が出るまで練り合わせる(ポリ手袋やポリ袋を使うとやりやすい)。全体量を量り、均等な重さになるように量りながら12個に丸める。経木や笹の葉、オーブンシートなどで区切りながら、えび、うずら卵と一緒に容器に詰める。
黒酢と黒こしょう、ゆずこしょうとオリーブオイルをそれぞれ合わせて容器に詰める。昆布、刻んだ細ねぎもそれぞれ容器に。
〈仕上げ〉小さめの鍋に昆布1枚と水1ℓを入れてゆっくり沸かし、鶏団子やほかの具材をバランスを見ながら加えていく。白きくらげは小さめにちぎって加える。えび、細ねぎ以外の具材を全部入れて蓋をし、煮立ちすぎないように7〜8分煮てからえび、細ねぎを加え、2〜3分煮て出来上がり。ゆずは4等分して種を取って添える。具材を取り分け、2種のたれで風味づけしながらいただく。
今月のお気に入り
冬の土鍋は大きめのものを選びがちだけど、長尾さんのおすすめは1〜2人用の小ぶりな鍋。「大きな鍋に具を一度に入れると、最後のほうは具材が煮えすぎたり、汁が濁ってしまいがち。小さな鍋で食べ切ってからまた足すほうが始末がよく、人数が増えても大丈夫」。こちらは愛用品の一つ、大阪の器屋さんで見つけた土楽窯の青土鍋。
フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、オリジナルの器やスパイスミックスを扱うオンラインストア、SOUPsを展開。「冬に向けておいしいアイテムを試作中。新商品のオーブンウェアもまもなく完成予定です」