長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
秋の味覚、きのこを赤ワインでしっとりと炒め煮するラグーは寒い季節にぴったり。
「パンやパスタもよいけれど、目先を変えてポレンタと合わせるのも新鮮。ベジタリアンやグルテンフリーのメニューとして楽しめるし、肉料理を合わせればボリュームのある食卓になります」。だし代わりにトマトピュレを使い、はちみつで甘みをプラス。赤ワインの色や風味、渋みをしっかりときのこに移すのがコツ。ナツメグはホールを手に入れて、そのつどすりおろすといっそう香りが楽しめる。
「ポレンタは、名前を聞いたことがあっても食べたことや作ったことがない人も多いはず。持ち寄り向きなのは、冷めて固まった状態で持っていき、その場でこんがりと焼く方法。香ばしさが楽しめます。余裕があれば持ち寄り先で作って、煮上がりの柔らかい状態をいただくのもおすすめ」。ドライフルーツやチーズを添えれば、さらにワインが止まらなくなること請け合い。
材料
きのこのラグーとチーズポレンタ
マッシュルーム
12個
しいたけ
大5〜6個
エリンギ
大2本
まいたけ
1パック
玉ねぎ
大1/2個
にんにく
小1片
ローリエ
1枚
トマトピュレ
100g
赤ワイン
100㎖
はちみつ
小さじ2
ナツメグ
適宜
塩
少々
コーングリッツ
200g
パルメザンチーズ
約80g
オリーブオイル
適宜
ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ等)
約100g
干しいちじく
約30g
好みのパン
適宜
黒こしょう
適宜
〈下準備〉きのこのラグーを作る。マッシュルーム、しいたけは石突きを切り離し、マッシュルームは縦2等分、しいたけは縦4等分にする。エリンギは根元から1㎝幅に切り分け、上⅓は縦に4〜5等分する。まいたけは食べやすく切り分ける。玉ねぎは縦に薄切りし、横にして4〜5等分する。にんにくは粗みじんに刻む。
オリーブオイル約大さじ2をフライパンに入れて温め、にんにく、玉ねぎ、ローリエを入れて中火にかける。軽く塩をふって混ぜながら炒め、きのこを加える。なじむまで炒めたらトマトピュレ、はちみつ、赤ワインを加え、ナツメグを全体にすりおろし、強めの中火で煮詰める。汁気がやや残る程度まで煮たら、味を見て足りなければ塩を足し、火を止める。
ポレンタを作る。鍋に水1,2ℓ(分量外)を入れて火にかけ、沸騰したらコーングリッツをふり入れ、塩少々も加えて泡立て器で混ぜる。火を弱め、全体がなじんだら蓋をし、弱火のまま8分ほど煮る。木べらで全体を混ぜ、蓋をしてさらに7〜8分煮る。いったん火を止め、木べらで混ぜてから蓋をし、弱火でさらに10分ほど煮て、ぽってりと柔らかくなったら火を止め、パルメザンチーズを加えて手早く混ぜる。温かいうちに保存容器に移し、平らにならして冷ます。
②のラグー、③のポレンタ、干しいちじく、ブルーチーズ、パン、オリーブオイル約大さじ3をそれぞれ容器に入れて持参。
〈仕上げ〉食べる前にラグーを温め直す。ポレンタは容器から取り出して約1.5㎝にスライスし、フライパンにオリーブオイル少々を温めて並べて両面を焼く。途中でオイルを足して焼き上げ、ラグーとともに盛り、黒こしょうを挽きかける。ブルーチーズと干しいちじく、パンを添える。
今月のお気に入り
「秋から冬にかけての煮込み料理は、スパイスと好相性です」。今回のきのこのラグーに使ったナツメグやローリエのほかにクローブ、オールスパイスなども個性のある風味になっておいしい。「シナモンスティックなど合わせやすいものを取り入れて、数種を組み合わせても。よく使うものなら、使い勝手のよいパウダーを活用して」
フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、自身のオンラインストア、SOUPsを展開。「秋から冬にかけて頻繁に作るのはコンポート。りんごを甘さ控えめに煮て瓶に詰め、キャラメルソースで満たすのがお気に入り」