コロナ禍のシビアな状況にも負けず、東京・関西で続々とオープンした新しい酒場の潮流を取材。厳選した6店舗のガイドだけでなく、おしゃれなコミュニティを捉えたスナップもお届け
Hone @神泉
フロアと時間で変化する特別な空間に足を踏み込んで
「店名のホーンは、〝磨く〟という意味を込めて名付けました。そこで、店内の照明やテーブルについても、磨かれて丸みを帯びたフォルムで統一感を出しました」と、オーナーの井澤卓さんが教えてくれた。7月下旬にオープンしたばかりのホーンは、神泉駅の裏手にひっそりと佇んでいる。1階はハイボールやグレープフルーツサワーが気軽に飲めるスタンドバー、2階は21時半までレストラン、それ以降はオリジナルのカクテルを味わえるバーに切り替わる。フロアや時間によってスタイルが変わり、立ち飲み、レストラン、バーが融合する複合的な空間。
「3店舗目となる新しい店を作ろうと考えたとき、本格的に食事が楽しめるレストランとバーが頭に浮かびました。時間で営業を分けているのは、それぞれ食事とお酒をいただくタイミングが異なるから。いろんなシチュエーションにフィットするお店があれば、通ってもらえるかなと思ったんです」 温かみのあるウッドで統一された2フロアの内装は、座る席によって見え方が異なり、インテリアのこだわりに触れるのも楽しい。官能的なフレーバーのカクテルを楽しみながら、映画のワンシーンのようなひとときを過ごせるのは、同店ならではの魅力だ。
1 2階のバーカウンターでお酒を作るオーナーの井澤卓さん。背面には、店名のロゴをあしらったオリジナルのグラスが並ぶ
2 ワインセラーには時期に合わせた旬のナチュラルワインがずらりと。その時々によってラインナップが異なるため、オーダー時はバーテンダーに相談を。下段一番左には、人気のオレンジジュース"タンジェリン"も
3 ぼんやりと温かい光を放つ照明はお店をやさしく照らしてくれる。店内に置かれている什器はぬくもりのある色みで統一され、リラックスしながらお酒を満喫できる
4 2階の奥へ進むと4人がけのテーブルが。壁や椅子にも丸みがあり、お店のイメージが宿っている
5 魚介の料理とも相性がよいナチュラルワイン。クラシックな風味でありながら、ミネラル感と爽やかな果実味を奥深くに感じられる。「ウォーターヴェイルリースリング」¥8,300
6 りんごを漬け込んだジンをベースに4種類のハーブで、香り高くアレンジしたカクテル。黒砂糖のアクセントがきいている。「アダムとイブ」¥1,400
7 バラとローズヒップを漬け込んだ自家製のジンにキュウリを添えて。最後にローズヒップウォーターをひとふりしたら完成。1階のスタンドバーでもオーダー可能。¥900
A 山崎由貴さん(フード・プロップスタイリスト)
ワンショルダーのワンピースをシースルーカットソーの上に重ねて。大ぶりなビーズのショルダーバッグで締めた、モノトーンルックでスナップ。「本格的な料理が食べられる上に、店内もとっても素敵。バー利用もできるので、一人でふらっと行けるのも通いたくなるポイントだと思います。セラーから選べるワインは、種類が豊富でいつも悩みます」
B 井守英恵さん(PR)
透け感のあるシャツにボリュームベストを組み合わせたブラウンコーディネート。ワンピースは軽やかなホワイトで。「姉妹店のロビーやネフューが大好きなので、新店がすごく気になっていました。オープンしたばかりなので、これからが楽しみ! 友人とおいしいディナーを食べてリフレッシュしたいときに訪れています。おすすめのジンがおいしくて、いつも頼みます」
C 森口 愛さん(バイヤー)
2軒目にしっぽりとカウンターでジンを飲みたいという森口さん。ilのラメカーディガン、ドリス ヴァン ノッテンのパンツ、メゾン マルジェラの靴で遊び心満点の装い。「お酒の種類が豊富なので、飲み方を教えてもらいながら勉強中。ワインセラーに入っている銘柄も気になるから、また改めて来たいです。この空間でおいしいお酒とごはんが食べられるなんて、最高。高揚する気分をファッションで表現しました」
DATA
東京都渋谷区円山町17の2
営業時間:1F(スタンドバー)18時〜24時、2F(レストラン)18時〜21時30分、(バー)21時30分〜24時
定休日:月・火曜
Instagram: @hone_shinsen
ETOILE @中目黒
昼はケーキショップ夜はスナックの二面性
中目黒駅から川沿いを池尻方面に歩いたエリアにあるビルの4階。昼間は海外ドラマから飛び出したような、色とりどりのケーキショップとカフェ。夜はママのマヤさん目当てに集まったお客さんでにぎわうアポイント制のスナックと時間制で交代する新業態のショップ。なぜ異ジャンルの組み合わせを?
「自分のお店を持ちたいと思っていた友人と三人集まって始めました。間借りも考えたんですが、好きな世界観が一緒だったので、それなら一つの店内でやろうと。壁塗りからソファ、鏡作りなど、ほかの友人の力も借りながら、自分たちでDIYしました」とマヤさん。
爽やかなミントがたっぷりとのったオリジナルのモヒートやカラフルなカクテルに、メッセージ入りのカップケーキ。同店のメニューには、思わず写真に収めたくなるフォトジェニックなドリンクやフードがたくさん。
「日本でもこんなお酒やお菓子がサーブされていたらいいのに……という思いから、いつも工夫して作っています。だけどおいしいのは絶対! そこだけは譲れません(笑)。ファッションが好きな若い子もいれば、お酒好きな年配の方まで、とにかくノーボーダー。ちょっとすれ違う会話もご愛嬌ですね」
8 店内のイメージは"海外のホームパーティ"。昼はソフトドリンク、夜はアルコールというギャップが。友人に手伝ってもらいながら作ったという内装はファンシーな世界観
9 入り口では"看板犬"のオブジェがお出迎え。オリジナルで作っているマグカップなど、にぎやかな小物たちが揃う。奥に貼られたポスターは、夜も提供しているホールケーキ(要予約)。クール便で配送も行なっている
10 カウンターの向こうでお酒を作っているのは、編集者の顔も持つ、ママのマヤさん。カラフルなファッションを自身のSNSでたびたび披露している
11 クリームチーズを使った特製クリームにトッピングをあしらったカップケーキ。ポップな見た目に反して甘さ控えめなさっぱりとした味わい。(右)¥750、(上)・(左)各¥800
12 お店の名前を冠したオリジナルのモヒート「エトワール」は、ピリッとスパイスがきいた山椒が隠し味。¥1,000
13 季節に合ったフルーツを用いた限定のカクテル。この日はアメリカンチェリーをチョイス。¥1,000。お酒が苦手な人はママにリクエストするとアルコール弱めのオリジナルカクテルやベリーサイダーなどを提供してくれる
D 浦邉麗奈さん(会社員)
白いタンクトップにクロップド丈のJACQUEMUSのカーディガンを羽織った2000年代風ルック。「お酒好きの友達と遊んでいるときだけでなく、自分のペースで一人でゆっくり飲みたいときも通っているかも。いつも、ウィスキーハイボールをじっくりいただいています」
E 菅沼 愛さん(スタイリスト)
マヤさんとは10代からの親友という菅沼愛さん。「時間があればいつでも行きたいぐらいです。サクッと飲みたいなと思ったときに一人でも訪れられる場所なので。普段はお店で入れているボトルか、ママが作るオリジナルカクテルを飲んでいます。今日のコーディネートはSalomonのベストがポイント。最近のお気に入りなんです」
F Saeさん(PR)
「ニットワンピースを主役に、青いトップスと赤いパンツで色みをプラスしてみました。エトワールに行くときはいつもおしゃれをしたいですね。オープン当初から定期的に通っていますが、いつ行っても明るい雰囲気で楽しい! ほかのお客さんとの交流も面白いんですよね」。普段は山椒モヒートとハイボールを愛飲するのだとか
G Miiさん(シンガーソングライター)
Miiさんは女子会の2軒目によく選ぶという。「ガーリーな気分になりたい日にぴったりのスナック。スタッフの人柄がとにかく大好き。おしゃれなお客さんとの意見交換も、私にとっては毎回新鮮なんですよ。最近は、秋冬もトレンドが続くウェスタンブーツと友達のブランド、ROTGUTのバッグにハマっています」
DATA
東京都目黒区青葉台3の19の10 THE CITY中目黒4F
営業時間:21時30分〜26時 ※変動となる可能性あり 不定休
Instagram: @mm2mayaya
※アポイント制のため来店時はDMにて要予約
no. 506 @経堂
オレンジワインと楽しむネオ・アジアン料理!
ファッション業界人がこぞって通う外苑前のワインショップno.501の3店舗目となる同店は、経堂の駅近くに昨年10月オープン。存在感を放つネオンカラーの棚が目印の、入口から直結したワインショップを通り抜けると、角打ちバーが出現するという二重構造が新鮮。
「ワインを買う流れでふらっと立ち寄れるお店を目指しています。no.501との大きな違いはフードメニューのラインナップ。当店は、中国や韓国、タイなどさまざまな国の料理を、ワインと相性がいいフレンチエッセンスを加えた味つけで出しています」と、マネジャーの田中美帆さん。新感覚のアジアン料理には、いったいどんなワインが合う?
「意外に思われるかもしれませんが、オレンジワインの酸味とよくマッチします。銘柄によって個性がさまざまですが、アルコール度数が低いものを選べば口当たりも軽くお酒が苦手な方でも楽しんでもらえます。もちろん気に入っていただけたら、そのままショップで買って帰ることもできますよ」
ワインでもアジアン料理でも、どちらの〝入 り口〟からでも、楽しめるのがニュームーブメントを牽引する理由なのかもしれない。
1 バーカウンターには立派な木のオブジェが。アートが好きなオーナーが選んだもの。カウンター越しにおすすめの銘柄を聞く、コミュニケーションの場にもなっている
2 旗艦店である外苑前のno.501、千歳船橋にお店を構えるno.502に次ぐ3店舗目。ショップごとにセレクトが異なるため、月1で開かれている試飲会はハシゴをする顧客も
3 入店してすぐ見えるのは、ネオンカラーがまぶしいワインショップ。人気のナチュラルワインから、厳選されたクラフトビールまで充実のラインナップ。好みや購入の目的をスタッフに相談してみよう
4 アフタヌーンティーをイメージした冷菜の盛り合わせ「シャングリラ」。揚げナスとトマトとスパイスナッツのナムルや、紹興酒のリエットなど、季節に合わせて10種類を提供。¥2,500
5 柑橘のビターな苦みがアクセント。イタリアの白ワイン「レ・コステ ビアンコ」¥5,570
6 自社で年に数回展開するオリジナルワイン。今年は軽くシャープなオレンジワインが登場。葡萄は広島の障害者支援施設で育てられたものが主体。ワイン名は葡萄を青色の軽トラックにのせて届けたという由来から。「青い軽トラ」¥4,400
A 山王丸久美子さん(スタイリスト)
ワインショップでお買い物をするスタイリストの山王丸さんをキャッチ。「種類が多くて、スタッフの方の知識も豊富。だけど、こちらが詳しくなくてもやさしく教えてくれたり、入りやすいので気負わずに買い物できて好き。最近は、ちょっとクセがあって樽の味がするオレンジワインをよく選んでいますね。今日のコーディネートは、デニムとクロシェ編みのジャケットにセンシュアルな素材のキャミソールを合わせました。夜のワインショップなので少し気分を上げて」
B 石原みくさん(ウェディングプランナー)
シースルーで透ける袖が特徴のストライプシャツに、ブリックカラーのパンツが映える。「もともとナチュラルワインが好きでno.501に通い始めたのですが、no.506はおいしいアジアンが楽しめるので、お気に入りのショップリストに加わりました。一人で静かに過ごすのもいいですが、やっぱりお酒が好きな友人を連れて行くと、普段は選ばない銘柄を試したり新しい発見があって、面白いなあと思います」
C 大塚文音さん(会社員)
「普段からよくno.506に遊びに行っています。スタッフの方がとても親切なので、居心地がよく、何度でも足を運びたくなります」。深みのあるピンク色が秋らしいマーメイドスカートを主役に、大きなポケットがポイントのワークベストを合わせてミックス & マッチ
DATA
東京都世田谷区宮坂2の18の1
03-5799-6506
営業時間:15時〜22時 LO(火〜金)、12時〜22時(土)、12時〜21時(日)
定休日:月曜
Instagram: @no.506.bottletokyo
hammam craft beer bottle shop @学芸大学
クラフトビールから生まれる新たなコミュニティづくり
世界には150種類以上のビアスタイルがあるといわれているだけあり、クラフトビールのラインナップは多種多様。香りや産地、口当たりなど、奥深いビールの魅力に惹かれた店主の土屋光司さんが「ハマム クラフト ビール ボトル ショップ」を始めたのは今年5月。
「本業はフォトグラファーなのですが、昔から角打ちができる酒店をやるのが夢だったんです。年代も仕事もバラバラな人たちがこの店に集まって、自然と会話が生まれるような場所を作りたかった。理想の空間にクラフトビールがあったら、もう最高かなって」
取り扱っている銘柄は、日本の〈うちゅうブルーイング〉からアメリカの〈タイアードハンズ〉、カナダの〈レベルサイダー〉など80種類ほど。IPAやセゾン、りんごを発酵して作られるサイダーまで、幅広く揃えている。土屋さんに好みをヒアリングしてもらいながら、今日の一杯を選ぶのも楽しい。
「最初は直感でもいいんですよ。レコードをジャケ買いする感覚で、このラベル可愛いって思うのもアリ。大切なのは、興味を持つ好奇心かなと思います。そこからブルワリーの生産背景や魅力、シーズン性を意識してもらえたら。僕も最初はその一人でした」
7 クラフトビールは、1週間に一度のペースでラインナップが変わることが多い。生産量に限りがあるため、その時々の出合いを楽しめるのも魅力の一つ
8 購入したクラフトビールは店内で飲むことができる(別途抜栓料金が必要。500㎖未満は¥200、500㎖以上は¥400)。店主に銘柄のストーリーなどを聞きながら飲むと、よりおいしさが増す。グラスはビールの種類に合わせて使い分けるため数種用意
9 内装は店主がデザインと設計を担当。お店を始めるために内装関連の会社で2年修業してきた賜物! 店作りへの並々ならぬこだわりが垣間見える
10 ウッドを基調とした店内は、夕方も夜も明るく、会話が弾む空間。学芸大学エリアでは珍しい、角打ちができるボトルショップ
11 アメリカ発の〈タイアードハンズ〉は数量が少なく稀少。IPA独特の苦みにライムやピーチなどフルーティな味わいが重なった奥行きのある香り。「ウィッシュフルフィルメント」¥1,390
12 コーヒーの苦みとバニラの甘さが投入された一本は、読書をしながらゆっくり飲むのがおすすめ。「ローリング ブラックアウト」¥1,420
13 鎌倉のクラフトビールブルワリー〈ヨロッコビール〉より。三浦半島で育った小麦を原料の一部に使用。爽やかな柑橘類の香りの中に奥行きを感じる一杯。「ペニンシュラ セゾン」¥660
D 坂本采加さん(PR)
MISSONIの透かし編みニットでヒッピー風にスタイリングした、お酒がもっと進むカラフルな装い。「ありとあらゆる種類のクラフトビールが立ち並ぶ光景に終始ワクワク! 商品のポップ一つひとつに店主の土屋さんのこだわりが詰まっていて、じっくり読むのも楽しいですよね。今日は口当たりのなめらかなシードルをいただきました」
E 清水真衣さん(会社員)
「ハマムに通うようになったきっかけは、会社の先輩に教えてもらったから。1杯からふらっと立ち寄れる気軽さはもちろん、お店のみなさんと自然な会話が流れる温かい雰囲気が好きです。いつも、最近入荷したおすすめを聞いて、その日の気分に合わせて飲むことが多いです」。銀杏色のコットンシルクシャツを羽織って
F 山野邉彩美さん(トゥモローランド バイヤー)
飲み友達の坂本さんを連れて来店。「宅飲みも多いのですが、やっぱりお店の方とコミュニケーションを取りながら、おすすめの一杯をいただける時間は至福です。お気に入りを探したり、友人へのお土産を買いに行ったり、とても頼りにしています。今日は店内のアートにマッチする、ライラック色のプリーツがきれいなワンピースを手に取りました。中に着たTOMORROWLAND .Bのブラウスからボウタイをのぞかせて、グラフィカルに遊びをきかせてみたのがポイントです」
DATA
東京都目黒区鷹番2の21の14学大横丁213
営業時間:13時〜21時 不定休
※Instagramの投稿にてスケジュールを更新中
Instagram: @hi_hammam
シロトクロ @京都
「会館飲み」ができるナチュラルワイン酒場
一つの建物のなかに小さな飲み屋がぎゅっと集まる場所を京都では「会館」と呼ぶ。花街宮川町のお好み焼き店だった建物をリノベーションして、今年6月にオープンしたのが、どんぐり会館だ。1階は貸切サウナと餃子の店、2階には京都の人気店を母体とする小さな酒場が密集しており、シロトクロはそのなかの一つ。店主は河原町三条のワイン酒場IL LAGOを同時に営む堀田樹さん。
「2店舗目となるこちらの店はナチュラルワインの仕入れという強みを活かしたスタンドにしました。看板料理は、実家の串揚げ専門店に習った串揚げです。旬の野菜や果物、生麩など、具材はバリエーション豊かに用意しています。ワインとマッチするように、衣をなるべく薄くして、クセのない味わいに。ほかにも市場で仕入れた鮮魚のお造り、立ち飲み店にはあまりない、贅沢なメニュー構成にこだわっています」
さくっとワイン1杯だけでも、しっぽりと晩酌にも。使い勝手のよさについ足が向いてしまう人も多いようだ。気取ったところがいっさいなく、気さくで話しやすい堀田さんの人柄にも癒やされる。店内には隣同士、自然と会話が生まれるようなリラックスした空気が漂う。まるで友人の家に来たかのような心地よさに、小さな店はいつも満席だ。
1 4.5坪の小さな店内。店のサイズに合わせて特注した縄暖簾が出迎えてくれる。スタンディングのみだが、足かけやカウンターの高さなどに心地よく過ごせる工夫がある。カウンターに約10名、テーブルに約6名が入ることができる
2 階段を上ってすぐのところに位置する。 店名はワインの原料である白葡萄、黒葡萄から名付けられた
3 黒板のメニューには季節を感じられる鮮魚が並ぶ。餃子や焼豚など近隣店の名物メニューがラインナップに加わることも。串揚げは黒板に書いてないメニューもあり
4 ワインは常時130本ほど置いており、グラスでは赤白泡の6〜7種類が楽しめる。ボトルの裏にはワインの名前や味わいを書いた手書きのメモが。クラフトビールやクラフトジンの取り扱いも
5 「名物 博多明太子のレアカツ」¥600。軽い食感の衣がたっぷりの明太子を包み込む。店主が変顔をしながら手渡しをするパフォーマンスも好評
6 フランス・ルーション地方の人気の造り手、ブルノ・デュシェンの赤ワイン。入手困難なので出合えたらラッキー。「LA LUNA 2020」¥7,200
7 新潟の自然派ワイナリー「KIYO wines」から宮城の「Fattoria AL FIORE」へ委託醸造した微発泡の白。体育館を改装したワイナリーで製造されているのが名前の由来。軽くスイスイ飲める。「GYM 2021」¥5,600
A 酒向歩実さん(バイヤー)
動物がプリントされたY.M.Waltsのワンピースは民族衣装のような雰囲気。スリットや袖の部分から見えるように、蛍光ピンクのトップスとプリーツスカートをレイヤード。ビーズのつけ襟は前後逆向きにつけてネックレス風に。リングはSIRI SIRIに自分サイズでオーダーしたもの。「シロトクロは一人でふらりと行ける店。スタッフの皆さんが、全員ハッピーでウェルカムな雰囲気に満ちていて前向きになれます。ワインの話を聞いて味わって、そこにいる人たちと会話する時間が大好きです」
B 山田真梨子さん(フリーランス)
フレアシルエットのワンピースを主役にしたシンプルなコーディネート。小物類は髪色に合わせて黒で統一し、アクセサリーは普遍的なデザインのものをチョイス。「パンツスタイルが多かったけれど、ワンピースの開放感に気づいてからは虜に。度数の高いワインは苦手で、いつも軽めのスパークリングやビール、ハイボールをいただいています」
C 野上千由美さん(イベントオーガナイザー)
黒のトップスとRalph Laurenの古着のスカートに個性的な色合いのシャツを合わせた。「シャツは縫製工場で働いていた祖母が昔作ったもの。どこかのブランドのサンプル品のようで、家にたくさんあるんです。服もワインも作った人の個性が感じられたり、ストーリーがある『一期一会』の出会いに惹かれます」
DATA
京都府京都市東山区六軒町206の1 どんぐり会館2F
営業時間:18時〜24時(食事は23時LO)
予約不可、営業日はInstagramを参照
Instagram: @sirotokuro.kyoto
Wine SHOP SAPO @大阪
姉妹店の立ち飲みバーと連動した街の酒店を目指して
飲食店が多く立ち並ぶ、谷町六丁目駅にて、昨年8月にオープン。夫婦二人三脚で、徒歩1分圏内のナチュラルワインバーhapoと同店を行き来し、二店舗を切り盛りしている。そのためお店は現在も進化中。ワークショップを展開したり、街の酒店のような気軽さを目指し、同建物内で角打ちを準備している。ここで購入できるお酒は、小規模生産者によるナチュラルワインと、シャンパーニュを主としつつ、クラフトビールもセレクト。
「産業革命後、大量生産・大量消費の時代になり、ワインやシャンパーニュも生鮮食品から工業製品という扱いに。分業スタイルで造るものが増え、添加物や防腐剤を入れるのが当たり前になったんです。当店で扱っているのは、そういったものが限りなくゼロに近い、農家がインハウスで造る、葡萄の味が生きているもの。さらに哲学に共感したものだけを揃えています。クラフトビールは、甘いフレーバーやスケートブランドとコラボレーションしたものなど、どれも個性派ですね」
カウンターにおすすめを数本並べてこう解説するオーナー国本幸延さん。親密な接客にもファンが多い。じっくり買い物した後は、ここで取り扱いのある銘柄の一杯を、姉妹店のhapoで引っかけるコースも楽しい。
8 ショーケースに収められたクラフトビール。上から三段目には、フレンチビストロ、ラ・トォルトゥーガの自家製パテなども用意。ホームパーティでの差し入れや、自宅で飲む際のおつまみに最適
9 古くから街に根づく、角打ちつきの酒店だったというこのテナント。店主が亡くなり売りに出ていたスペースを知り合いが購入したため、内を改装して看板を上げた
10 イタリアンレストラン、イル・チェントリーノの惣菜ライン「デリ・ア・カーサ」の冷凍食品も
11 ワインセラーには棚いっぱいのナチュラルワインとシャンパーニュが並ぶ。若い世代も手に取れるように1,000円台からラインナップ
12 オーナーの国本幸延さんは、造り手やインポーターについてだけでなく、歴史についてもわかりやすくレクチャーしてくれる。レコードをジャケ買いする感覚で、気になったエチケット(ワインのラベル)を"入り口"に、味や値段を相談する客も多い
13 シャンパーニュは製造過程で甘いリキュールを入れることがあるが、この1本はシャンパーニュ地方のピュアでフレッシュな葡萄の味わいだけを閉じ込めた。「レミ・ルロワ」¥5,940
14 微発泡の赤ワイン。葡萄をつぶし、発酵途中のガスが残った状態で瓶詰めするため、アルコール度数は10.5%と通常より低め。ジュースのような甘さが飲みやすい。「フォリチェロ ランブルスコ セッコ フリザンテ センツァ・ソルフィティ」¥2,219
15 オーストリア産。白葡萄品種を使い皮と種を漬け込んでいるため、やや渋みがあるオレンジワイン。赤道から離れた涼しい国のものは酸味があってみずみずしいフレーバー。「ユーディト ベック トラミーナー 」¥3,630
D 神崎みのりさん(アパレルスタッフ)
洋服も靴もすべてKiko Kostadinov。アーティーなムードを盛り上げるバッグは、ヴィンテージの生地をコラージュした友人の手作りだ。お店を知ったきっかけは、行きつけのセレクトショップI SEE ALL。「セラミックレーベルSHOKKIのポップアップを訪れたら、SAPOがナチュラルワインをサーブしていました。今日はオレンジワインを探しに」
E 西坂多恵さん(美容師)
姉妹店hapoのオープンから通っている人気美容師の西坂さん。J.Simoneのシャツにスウェットパンツを合わせたカジュアルモードがお似合いだ。バッグはJIL SANDER。「肩パッドが入ったボディスーツタイプのシャツでツイストをきかせました。SAPOは、ワインやシャンパーニュに詳しくなくても、いつも丁寧に背景のストーリーを教えてくれる国本夫妻の人柄にも惹かれています。今日もおすすめを購入できてうれしいです」
F 赤松里菜さん(VISITFORスタッフ)
Gabriela Coll Garmentsのシャツに合わせたニットパンツはEsmeralda Serviced Depart mentで買ったAPRIORI。「暑さが残る日は、シャツとニットパンツで無理のない着こなしにするのが最近の気分です。国本さんとは、私が働いているVISITFORの姉妹店で行われたポップアップがきっかけで出会いました。今日はおすすめしてもらったラインナップから、ロゼを選択」
DATA
大阪府大阪市中央区龍造寺町8の19
070-8490-0619
営業時間:14時〜20時 不定休
Instagram: @wineshop_sapo