古くからサラリーマンや学生の街として、良心価格のカレー店や中国料理店がひしめき、文化人も通う"都心にある下町"。今や、気鋭のシェフの出店やクリエイティブなニューアドレスも相次ぎ、グルメタウンとしてさらに進化中。神保町の"時をかけるおいしい"を頰張る名店ガイドをお届け!

歴史ある「中華の街」で、人に惚れ込むチャイニーズ

街に愛される実力派の老舗から唯一無二の新店まで、個性豊かな料理人の顔ぶれとともに紹介

【神保町グルメ】歴史ある「中華の街」でチのタイトルイメージ

【神保町グルメ】歴史ある「中華の街」でチャイニーズを堪能!

古くからサラリーマンや学生の街として、良心価格のカレー店や中国料理店がひしめき、文化人も通う"都心にある下町"。今や、気鋭のシェフの出店やクリエイティブなニューアドレスも相次ぎ、グルメタウンとしてさらに進化中。神保町の"時をかけるおいしい"を頰張る名店ガイドをお届け!

歴史ある「中華の街」で、人に惚れ込むチャイニーズ

街に愛される実力派の老舗から唯一無二の新店まで、個性豊かな料理人の顔ぶれとともに紹介

揚子江菜館

揚子江菜館/五色涼拌麺

惚れぼれする姿の五色涼拌麺¥1,680。どの料理も驚くほど澄んだ味わい

語り継ぎたい清く、正しく、美しい味

1906年の創業以来、池波正太郎ら文豪にも愛された料理店。この店発祥の一皿が、日本独自の発展を遂げた冷やし中華の元祖ともいえる、富士山に見立てた、五色涼拌麺だ。細切りのチャーシューやきゅうり、しいたけ煮などで山肌に化粧を施し、錦糸卵の雲をふんわりと。艶やかな麺の奥には肉団子が潜み、当日に炊いた鶏ガラスープがベースの甘辛ダレの雨を降らせて。全料理に共通するのは、清らかさ。4代目の沈松偉さんいわく「最上の食材を用い、調味料でごまかさない。手間と時間をかけることに徹底する」。丁寧すぎるほどの仕事が、美しい味につながる。

揚子江菜館

豚肉の中でも特にきめ細かい口当たりのシンタマ、さつまいも、筍などを均等にカット。きらめく甘酢餡で和えたすぶた¥2,500

「"帰りたくなる味"を追求しています」

東京都千代田区神田神保町1の11の3
電話番号:03−3291−0218 
営業時間:11時30分〜22時(21時30分LO)
定休日:年末年始

中華 大興(タイコウ)

中華 大興(タイコウ)/塩ラーメン

塩ラーメン¥1,000ほかセロリーメン¥1,000や塩ジャージャー麺¥1,200など麺類は20種以上

「大興」にしかない創意工夫を求めて人が集まる

近所で働く人々が"社食"のように通う町中華。中国の寧波市にルーツを持つ田島愛子さん・小林梨沙さん母娘が営む。上海料理を軸に、おつまみから主菜まで、独自のエッセンスを加えたオンリーワンの味が並ぶ。塩ラーメンは、「浅草開化楼」の太ちぢれ麺を用い、パクチーをどっさりと。ゴロッとした豚挽き肉の食感を味わうギョーザは、近所の肉店で仕入れた挽きたて肉を使い、加えるのはキャベツとニラだけ。種類豊富な玉子焼きは、たくあんや海老入りも! 「安心安全な食材で、うちらしい味を伝えられたら」と田島さん。家に招かれたような温かさがある。

中華 大興(タイコウ)

切り干し大根を入れる玉子焼きの文化が台湾にあることを知って生まれた、人気のたくあんの玉子焼き¥950。奥はギョーザ¥750。もともとは店主のお姉さんが始めた家族経営の店で、親族が営む店舗が御徒町にもある

「50年近く家族で切り盛りしてます」

東京都千代田区神田神保町1の62
電話番号:03−3295−9185
営業時間:11時30分〜13時30分 18時〜21時LO
定休日:土・日曜、祝日
※支払いは現金のみ

みこころ 無添加チャイナ935

みこころ 無添加チャイナ935/ディナーコース

すべてディナーコース全8品・1人¥8,800の一部。上の海鮮料理は生帆立、蛤を干し貝柱と玉ねぎのだしで煮込んだ。下は蟹とねぎペーストが隠し味のフカヒレのあんかけ

心と体にやさしい新時代のイノベーティブ

食通たちに支持される2019年オープンの店。シェフの井上貴士さんは「技術と知見を深めるため、あえて多くの名店で修業しました。『Wakiya』や『スターアニス』のほか、ホテルや本場中国でも」と語る。行き着いたのが、化学調味料不使用、油分も塩分もそぎ落とした健やかな料理。冷凍食材や缶詰にも頼らず、調味料やだしも自家製。野菜は基本的に蒸してから使用することで、うまみが増し、揚げ物や炒め物にしても油量を減らせるのだ。ディナーコースに記載された海鮮料理、フカヒレなどのメニューの内容は、旬の食材や日々のアイデアで少しずつ変化していく。礎がしっかりあるからこそのイノベーティブは、楽しくておいしい。

みこころ 無添加チャイナ935

点心の春巻き。この日は鱧やしらす、クリームチーズなどを組み合わせた

「日本料理のようなこまやかさも」

東京都千代田区神田小川町3の22 2F
電話番号:03−5577−2822
営業時間:11時〜14時 17時〜22時(21時LO)
定休日:日曜、祝日
※ディナーのみサービス料5%

ぎょうざ屋たかく

ぎょうざ屋たかく/スタンダード餃子

手前がシグネチャーのスタンダード餃子¥638。奥はラムパクチー餃子¥836。グラスワインとともに

ご飯ともアルコールとも合う端正な味の手作り餃子

"餃子の街"宇都宮で育った高久和央さんが、幼少期からの夢だった餃子店をオープン。前職はITコンサルタントで、その当時から9年をかけて皮と餡の研究を続け、完成したのが野菜と豚肉の割合が7:3のスタンダード餃子。白菜とキャベツ、ニラなどに手作りの鶏豚スープや和風だしを和えた餡を、1.2㎜厚の自家製の皮で包んで焼成。ニラや豚肉などの主要食材は、できる限り顔を見知った地元生産者のものを使用している。洗練されながらもやさしさあふれる、毎日食べたくなる味! ほかにもラムパクチー餃子や エビニラ卵餃子、鬼おろしポン酢餃子など、餃子愛にあふれるからこそ出合える豊富なバリエーションも魅力。

ぎょうざ屋たかく

豚味噌や辛ニラ、生卵をまぜたまかないご飯¥814。お米は高久さんの実家が栃木の那須町で栽培したコシヒカリ。白いご飯¥330もおすすめ!

「やさしい餃子を提供できたら」

東京都千代田区神田猿楽町1の3の2 1F
電話番号:080−2000−7785
営業時間:17時30分〜22時
定休日:土〜月曜・祝日
Instagram: @gyoza_do
https://gyozawork.com

粤港美食(エツコウビショク)

粤港美食(エツコウビショク)/海老チョンファン

香港名物の点心料理の中でも、健康意識の高い現地の人に注目されている海老チョンファン¥820もスタンバイ

神保町で香港旅行気分!ローカルな広東料理が味わえる

粤港とは香港と広東省を指す地名。その名の通り、香港の広東料理の魅力を伝えたいという思いからスタートした「粤港美食」。伝統料理から屋台飯までローカルメニューを楽しめる。名物のひとつが、バラエティ豊かな広東式点心。米粉で作る薄い生地で具を包み蒸した海老チョンファンは、注文後に一から作るゆえ、ぷるぷる&モチモチ。「野菜のうまみを加えた自家製ダレと合います」と陳俊賢シェフ。ほかにも米粉の平打ち麺料理の陳村粉やジャスミンライスで作る土鍋ご飯、コーヒーとミルクティーをブレンドした鴛鴦茶など、現地でポピュラーなメニューが揃う。旅気分を味わうことができ、ワクワクが止まらない!

粤港美食(エツコウビショク)

お焦げまでおいしくいただける、ジャスミンライスで作る中華腸詰と干し豚バラ土鍋ご飯(2人前)¥1,850

「多彩な広東料理楽しんでください」 

(一号店)東京都千代田区神田神保町2の46の5 1F
電話番号:050−5462−8178
営業時間:11時30分〜15時(14時30分LO) 17時〜22時(21時30分LO)
定休日:火曜
https://www.cantondishes.com

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