2022.01.14

冬といえば、鍋✖️酒のうち飲み口福ペアリング! ラクうま鍋料理のレシピ付き【うち飲み向上委員会vol.12】

気温が一気に下がり、寒さが身にしみる今日この頃。そんな時に食べたくなるあったか料理といえば、お鍋。定番のお鍋もいいけれど、今冬はひと味変わった鍋料理とお酒のペアリングをアプデしたい! というわけで今回の「うち飲み向上委員会」では、簡単でおいしさお墨付きの鍋レシピと相性抜群のお酒をセットで紹介します。


ラクうま鍋料理とお酒のペアリング!

エディターAKIYAMA(以下A)前回のホットアルコール編に続いて菓子研究家・フードコーディネーターSachiさんをゲストにお迎えし、お酒もお箸も進む絶品鍋レシピを教えていただきました。

Sachiさん(以下S)今回ご紹介する2つの鍋レシピは、どちらも料理をしたくないなって時にささっとできるレシピです。具材を少なめにしてひとり鍋にしてもいいし、具沢山にしておもてなしにも。

ライターYOKOMIZO(以下Z)3人が選んだお鍋に合うお酒、そして最後には恒例の「ベストうち飲み賞」も発表します!

南仏の太陽と気候を味方に「マーノ・ア・マーノ('17)」(Sachiリコメンド)

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マーノ・ア・マーノ('17)〈750㎖〉参考上代¥3,960/日仏商事(マタン・カルム)

2日目、3日目もおいしく飲めるナチュラルワイン

Z 今回はSachiさんが作ってくださった2種のお鍋と、そのお鍋に合うお酒をお届けします。まず最初のお鍋は「麻婆シュリンプ鍋」です!(レシピは下部をチェック)

S 市販の麻婆豆腐の素を使うことで失敗なしのお鍋が時短で出来上がり。具材は海老をメインにお肉と野菜も入っていてごちそう感がありますよ。

A 海老から出る旨味と麻婆豆腐の素が混ざり、とんでもなくおいしいスープに!! スパイシーに仕上がっていて、中華というよりはエスニックなお鍋ですね。そこにSachiさん推しの赤ワインをクイッとひと口飲んだら……うま〜!

S 軽めの酸味、ブルーベリーのようなジューシーさが麻婆の辛味とよく合うのでチョイスしました。あんまり上品すぎるワインは合わないかな。渋みが強いワインもお鍋の味を壊してしまうので、スルスルと飲めるタイプがおすすめです。

Z 軽快な飲み口なんですけど、土っぽい芳香やプラムのような甘みがあって、味わいの構成がお見事!

S マーノ・ア・マーノはスペイン語で「手作り」という意味で、畑の雑草の除去から収穫、すべてにおいて手作業で行われています。南仏ルーションで作られているナチュラルワインで、作り手のアントニー・ギィーは大好きな醸造家のひとりです。

世田谷発のクラフトビール「経堂エール」(ライターZリコメンド)

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経堂エール〈500㎖〉¥1,050/後藤醸造

A 経堂エールの「経堂」って、あの世田谷区の経堂?

Z そうなんです! 東京農大出身のご夫婦が作るクラフトビールで、経堂で醸造所併設のビアバーを営まれています。ビアスタイルはアメリカンペールエールで、ビールらしいモルトの苦味とコクがありながらもスッキリしていて日本人好みだと思います。

S 苦味も爽やか〜。このビールを一緒にいただくとお鍋の味が引き締まりますね。

Z やっぱりアツアツのお鍋には冬といえども冷えたビールが飲みたくなりますし、このモダンな“シン・鍋”にぴったりかと!

A シン・鍋ね(笑)。そう言いたくなるくらい衝撃的においしいけどさ。

コンビニのおすすめ日本酒「しぜんしゅ純米吟醸」(エディターAリコメンド)

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しぜんしゅ純米吟醸 〈720㎖〉¥1,760/ナチュラルローソン(仁井田本家)

A 寒いときは遠くまで買い出しに行きたくないので、コンビニで買えるお酒を個人的裏テーマにして選んでいます。こちらはナチュローで見つけた福島県の日本酒。麻婆豆腐の時はご飯を一緒に食べるじゃないですか、ということは一周まわってお米のお酒も合うと思いまして!

S クセがなく澄んだ味わいが麻婆スープと相性が良い。そのセオリー、正解なのかも(笑)。

A 農薬、化学肥料を一切使わない自然米で作られていて、雑味がなくて飲みやすいんですよ。

Z パッケージがおしゃれ、日本酒然としていない。こんなイケてるお酒がコンビニで買えるというのも、ホムパでひとネタになりますね!

仏ワイナリーが作るビール「ボワッソン・ソヴァージュ」(Sachiリコメンド)

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ボワッソン・ソヴァージュ〈750㎖〉参考上代¥2,640/日仏商事(ドメーヌ・グラン・クレレ)

泡の吹き出し注意! 飲む15分前くらいは冷凍庫に!

A 2つめのお鍋は「ムール貝とポテト鍋」です(レシピは下部をチェック)。アジアン鍋から打って変わってフレンチビストロ風なメニューですね!

S 食材のハードルが高そうに感じますが、冷凍のムール貝とフライドポテトを使うのでスーパーで事足りますよ。

A ムール貝のワイン蒸しのよう。冷凍食品とは思えないクオリティです! ポテトが入っているからこれ一品でも満足感がある。

S 軽めのビールが合うかと思い、お気に入りを持ってきました! どうぞ飲んでみてください。

Z えぇ!! これビール!?

S その感想を待ってました(笑)。嬉しいな〜!

Z 麦芽とホップだけでこんな味わいになるんですね! フルーティな酸味やマイルドな泡立ちなど、ナチュラルワインのようなテイストを感じます。苦味も強くないから、素材をいかしたシンプルなお鍋の味つけを邪魔しない。

S 元ミュージシャンのワイン醸造家、フランソワ・ブランシャールが手がけたビールで、ワインもすごくおいしいんですよ。自給自足のような生活を送る突き詰めたナチュラル志向で、その生き様にも惹かれます。

人気ワインの飲み切りサイズ「2020 農民ドライ ハーフ」(ライターZリコメンド)

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2020 農民ドライ ハーフ〈375㎖〉¥1,200/ココ・ファーム・ワイナリー

バランス感抜群! しっかり冷やすのが◎

Z ハーフボトルって選択肢が少なくて残念に思っていたので、このサイズの農民ドライを見つけたときには胸が高鳴りました! 「やっと会えたね……」と。

A 出てきましたか、そのワード(笑)。ひとり鍋にはもちろん、それぞれ好きなお酒を飲みたいときにもいいね。

S 瑞々しくて、飲みやすいですね! 和食にも合いそうな。

栃木県足利市にあるこころみ学園のワイン醸造場ココ・ファーム・ワイナリーの農民シリーズは、こだわり系日本ワインの定番です。青りんご系のすっきりとした白ワインとムール貝は間違いのない組み合わせのはず。

芋焼酎をRTD(レディ・トゥ・ドリンク)で!「鹿児島ハイボール まろやか」(エディターAリコメンド)

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鹿児島ハイボール まろやか〈350㎖〉¥241/ナチュラルローソン(西酒造)

クセがなく食中酒にぴったり!

A 鹿児島県にある西酒造の芋焼酎「宝山」を使用したハイボールで、こちらもナチュローで買うことができます。

S 芋焼酎特有のまろやかさもありながら、キリッとした味わいでびっくり。芋焼酎があまり得意ではない人もおいしく飲めそう!!

A 糖質、プリン体ゼロというのもポイントなんです!

Z ちょっと飲みすぎかなと感じることも多いお正月明けに嬉しい鍋の友ですね。

麻婆シュリンプ鍋【Sachiさんの鍋レシピ①】

エビは冷凍でもOK! 牛肉はしっかり火を通し、葉野菜はシャキシャキした食感を楽しむのがポイント。今回はニッポンハムから販売されている陳健一さん監修の「中華名菜®️四川辛口 麻婆豆腐」を使いましたが、新宿中村屋の「本格四川 辛さ、ほとばしる麻婆豆腐」もおすすめ!

[材料](2人分)
ごま油 大さじ1
A
ニンニク ひとかけ ※みじん切りにする
生姜 ひとかけ ※みじん切りにする

エビ 6尾 ※下処理しておく
市販の麻婆豆腐の素 100g
B
鶏ガラスープの素 小さじ1/3
グラニュー糖 小さじ1/2

パクチー 適量 ※根があればよく洗い、根元部分はスープに使用する
牛薄切り肉 150g
春菊 4本 ※食べやすい大きさに切る
パプリカ 1/2個 ※種と軸を除き、縦に薄くスライスする
ミニトマト 4個 ※浅く切り込みを入れる
花山椒 お好みで適量

[作り方]
❶鍋にごま油とAを入れて弱火にかける。香りが立ったらエビを加え、色づくまでさっと炒め取り出す。

❷同じ鍋に市販の麻婆豆腐の素、水(分量外200ml)、B、あればパクチーの根を加え、中火にかけてよく混ぜる。

❸軽く沸騰したらアクを取り、エビ、牛肉、トマトを加えて3分ほど煮て、パプリカ、春菊を加える。

エビと牛肉に火が通り、野菜にさっと火が通ったら完成。お好みで花山椒を振り、パクチーを盛り付ける。

[材料](2人分)
オリーブオイル 大さじ1
ニンニク ひとかけ ※みじん切り
セロリの葉 3枚・セロリの茎 5cm ※ともにみじん切り
ビール 150ml
バター(有塩) 15g
冷凍ムール貝 500g ※下処理済、加熱済のもの。調理時は冷凍のまま使用
白こしょう 適量
イタリアンパセリ 適量 ※粗みじん切りにする
冷凍フライドポテト(皮付き) 100g

[作り方]
❶鍋にオリーブオイル、ニンニクを入れて弱火にかける。軽く香りが立ったらセロリの葉を加え、よく炒める。

❷❶にビール、水(分量外100ml)、バターを加えて強火にして混ぜる。バターが溶けたら冷凍ムール貝(水分ごと)を加えて蓋をする。

❸沸騰したら蓋を外し、23分火にかけたら白こしょう、春菊、イタリアンパセリを加える。

❹加熱調理したフライドポテトを加えて完成。

うち飲み向上委員会メンバー

Sachi/菖本幸子
お酒も人も自然派を愛する菓子研究家・フードコーディネーター。 ワインはパリで修行中に、まかない昼ワインでおじさんパティシエ衆に鍛えられました。休日はもっぱらワインと猫とポムフリットで満たされたい。
HP : http://www.sachi-et-creme.com/
ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。
エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ1年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間です。

photography:Aiko Shibata illustration:Abbott Okutani text:Momoko Yokomizo

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