T 元々フランスからの移民が多いので、葡萄は今回のカベルネ・ソーヴィニヨンなどフランス品種が多めです。アメリカ、チリなどニューワールドと呼ばれる比較的新しいワイン生産国に属するのですが、スタイルはフランス的。ニューワールドのワインはしっかり系のイメージが強い方も多いと思いますが、南アフリカはまた少しスタイルが違うんです。カベルネならボルドーより果実味豊かだけど、ニューワールドにしてはエレガントで穏やか。いい感じの中間なんですよね!
T 南アフリカはソーセージとか焼肉を食べる文化があって、リンゴも有名なんですよ。このベーコンはふたつの要素のニュアンスがあって、テロワールとして相性が良いと思いました。互いの風味もバッチリです。
別格ゾーンで造られたキャンティ「ニポッツァーノ キャンティ レゼルヴ ルフィーナ」
Z キャンティといっても、味わいは本当にさまざまですね。以前コンビニワインで教えていただいた、セブン-イレブンに売っているキャンティとも違う! 昔からキャンティを作っているクラシコのエリアとニューカマーのエリアに分かれているというお話でしたが、これはエチケットの名前から推測してニューカマーですか?
A お! だんだん、ワイン通っぽくなってきたんじゃない!?
Z ど素人でもね、桜木花道を見習って進化しなくちゃ! ワインが大好きです、今度は嘘じゃないっす。
A ワインはずっと好きでしょ!? 『スラムダンク』に影響されすぎだから(笑)。
T このキャンティのポイントは、エチケットにルフィーナって書いてあるところです。後から広がったエリアの中にも良いとされる7つの地域があって、このルフィーナはそのひとつ。フレスコバルディという力のある有名な生産者もルフィーナで作っているなど格が違う、ある意味クラシコと勝負できる場所ですかね。 キャンティの中でも非常にエレガントで、上質なんです。
Z ルフィーナ、なんかかっこいい〜! 湘北高校における流川楓ですね。ダークホースのチームで、全国レベルの天才!
A ワインの例えとしておかしいよ(笑)。このキャンティは香りに複雑性があって、エレガントなテクスチャーで余韻も長い。こういうこと!
T ミュスカデってちょっと軽視されやすいんです。「安い辛口って、特徴がそんな強くないんでしょ」って、特にワインを勉強された人こそ思いがち。でも実は結構旨みもあってエレガント、すごくハイコストパフォーマンスだと思うんですよね。コストコで見つけた時に、そういう評判があるからこそ改めておすすめしたいと思いまして。せっかくだからこの機会に魅力をプッシュしたい!
A 海が近いということで、ペアリングには魚介類の「シュリンプ&ホタテ チョレギサラダ」をチョイスされたんですか?
T ワインの柑橘のニュアンスが磯の香りに合うので、シーフードは基本的に相性が良いと思います! パリのオイスターの店には、ミュスカデをグラスで出しているところが多いんですよ。甲州の葡萄の辛口と似ているところがあるので、お刺身や天ぷらなど、馴染みのある和食とのペアリングもおすすめです。
プロセッコのロゼ革命! 「KIRKLAND SIGNATUREプロセッコ ロゼ」
Aロゼのプロセッコはコストコのプライベートブランドからです。コスパが高くて、ありがた〜い!
T プロセッコは、万人受けするワインのひとつ。フルーティな味わいで、気軽なイタリアンが合うので、「ベレッタ アンティパスト バラエティパック」をペアリングにしました。
Z 華やかな味わいはちょっと甘みがあって春にぴったりですね。このペアリングでお花見したい!
T プロセッコは世界的に今流行っていて、その勢いにのって2020年にロゼが誕生しました。これまでプロセッコを名乗るには白しかダメだったんですけど、ピノノワールを使ってロゼを作ってOKとなったのが、たったの2年前。だからコストコのプロセッコ ロゼは、かなりタイムリーですよ!
Z それを聞くとますますテンションが上がります! ロゼのプロセッコの特徴は?
T 基本スタイルとしてはアロマティックですね。ピンクグレープフルーツやラズベリーの香り。白よりはちょっとタンニンがあって、オレンジやレッド系のフルーツを感じさせ、今回のように少し甘めのテイストです。ロゼスパークリングをこの価格でカジュアルに飲めるのはいいですよね。シャンパンだと価格がぐんと上がっちゃうから。 A アルコール度数も11%とワインにしては低く、疲れないで飲めるのが嬉しい。ロゼを許してくれた偉い人たち、グラッツェ♡
T ヴィオニエの典型的な香りである桃とアプリコットに加えて、ヨーグルトやバターのような香りを感じませんか? 乳酸発酵という醸造方法があるんですけど、ヴィオニエはそれが向いている品種で採用されています。ミュスカデはおとなしい香り×シュワっとする酸味、ヴィオニエはアロマティックな香り×クリーミーな酸味で全然違うタイプ。ホームパーティとか人が集まる時に、飲み比べると面白いと思いますよ。
T 南アフリカから2本目、今度は貴腐ワインです。おすすめの飲み方は、氷水にどぼっとボトルごと入れて冷やす。そうすることで甘さがぐっと引き締まって、フレッシュな酸が立ち上がります。バランスがめちゃくちゃ良くなりますよ!
A 貴腐ワインって高いイメージがありますが、これはお手頃ですね。
T そうなんですよ。フランスだと結構いい値段しますから、これはクオリティも高く、コスパがかなりいい!
Z 貴腐ワインを造る品種、造っているエリアというのは限定されているものなんですか?
T 貴腐ワインを造ることができるエリアってかなり狭いんです。まず朝に霧が立ち込めて、葡萄にカビをつけ、午後に晴れわたり乾いた時に貴腐化ができる。この気象条件が整っている必要があります。さらに果皮が貴腐に耐えられ、甘くなってもまだ酸が残る品種じゃないといけない。だからこそ、南アフリカでこのワインが造れるのはすごいなと思いました。