2022.03.02

人気急上昇中のオレンジワインも登場! 個性派が揃う、“ショップのオリジナルワイン”に注目【うち飲み向上委員会vol.15】

読者の皆さま、突然失礼します……。今回はワインが大好きな「うち飲み向上委員会」メンバー、ライター門前がひとりでお届けします。15年ほど前に山梨のワイナリーに伺ったことで日本ワインの魅力に開眼して幾星霜。ワインスクールに通い、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格をとり、うち飲みペースはほぼ毎日(笑)。

そんな私が今注目しているのは、日本各地のワイナリーとコラボした“ショップのオリジナルワイン”。ワイナリーの技術にショップ側の「どうワインを広めるか」という情熱が掛け合わさった個性的なワインばかりで、1本に込められた熱いストーリーを知るのも楽しみのひとつ。今回はそのなかから、朝、昼、夜に飲みたいワインをご紹介します。

朝飲みに最適!? すーっと身体に入ってくる優しい「YMW オリジナル オレンジワイン 2021・デラウェア100%」

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YMW オリジナル オレンジワイン 2021・デラウェア100%(750ml) ¥3,300/D&DEPARTMENT

トップバッターは、“ロングライフデザイン”を掲げて、息の長い、その土地らしいデザインをショップやカフェ、出版などを通して広く紹介するD&DEPARTMENTのオリジナルワイン。ワインに限らず全国のさまざまな生産者を訪ねるうち、飲食部門のディレクターが尊敬する山形のイエローマジックワイナリーとワインを造ることになったのだとか。

ディレクターが考えたのは、朝から飲めるワイン。一般的にワインは夕食と合わせることが多いですが、それよりも優しく、身体にすーっと入ってくるやわらかな味わいで、豪華な夕食というより日常の料理が並ぶ朝食と合うワインを目指したとのこと。

できあがったのは、無農薬で育てた生食用の葡萄、デラウェアを使ったオレンジワイン(葡萄の皮を一緒に醸すので、オレンジのような色に仕上がります)。飲んでみると、これは……!! 香りは華やかですが深みがあって、じんわりと体に沁み入るよう。煮物にも合いそうですし、かなり守備範囲が広いのではないかと。朝のほか、昼や夜にじっくり飲むこともできる万能ワインだと思います。

お昼からグビグビ飲みたい! 瀬戸内のテロワールを感じる「じゃろ? 2021」

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じゃろ? 2021(750ml) ¥3,630/Bottle Tokyo

続いてご紹介するのは、外苑前に「no.501」、千歳船橋に「no.502」、経堂に「no.506」と角打ち酒屋を展開するBottle Tokyoのオリジナルワイン。「日本にワインを広めたい」「多種多様なワインが出回るなか、“自分のワイン”とお客様やスタッフに感じてもらえる、特別感のあるワインを造りたい」という思いが込められています。

「じゃろ?」は葡萄農家も、醸造を担当したワイナリーも広島。瀬戸内海に面する畑で育ったキャンベルアーリーを使用したオレンジワイン&スパークリングワインです。葡萄畑には蟹も住み着いているとか。広島の方言から取った名前からも、塩味やほのかに磯のニュアンスをもつ味わいからも、瀬戸内のテロワール(風土、土地の個性)を感じざるをえません。飲むと瀬戸内海が目の前に広がる(妄想)、海のワインです。

アルコール度数が7%と低めなので、強いお酒が得意でない方にもおすすめ。ビール感覚でお昼からグビグビ飲みたい1本です。見たらつっこまずにいられない、インパクトたっぷりのエチケット(ラベル)も最高ですよね。ホームパーティでも盛り上がること必至です。

夜にじっくり飲み比べたい、ユニークな連作ワイン「IWAI KAMOSHI-SPARKLING」

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IWAI KAMOSHI-SPARKLING 左からNo.1〜3(各750ml) ¥5,940〜¥7,920/wa-syu OFFICIAL ONLINE SHOP

最後にご紹介するのは、アパレル&ライフクリエーションカンパニーのJUNが運営する、日本ワインに特化したオンラインショップ「wa-syu OFFICIAL ONLINE SHOP」のオリジナルワイン。銘醸地、山梨・勝沼の老舗ワイナリー、岩崎醸造とコラボレーションしたスパークリングワインです。

「あれっ? なぜ3本?」と思われた方もいらっしゃいますよね。こちら、2020年12月から半年間隔で三部作のシリーズとしてリリースされたワインなのです。日本固有の葡萄品種、甲州を使った同じ原酒を用いて、発酵の度合いを変えながら1年間かけて3本を発売するというこれまでにない試み。エチケットも“連作”で、3本揃えることで岩崎醸造ゆかりの地、祝村を描いた絵画のような情景が楽しめるのもポイントです。

新酒としてリリースされた「No.1」はきりっとフレッシュ。その約半年後に発売された「No.2」は厚みとコクが増して、完結作の「No.3」は、より洗練された味わいにまとまり、後口に豊かな旨味が広がります。ワイン=洋酒ですが、日本の葡萄を使って日本の老舗ワイナリーが造っているだけあって、3本ともどこか和を感じる、親しみやすい味わい。和食との相性も抜群かと。3本を同時に開けて飲み比べるもよし、「No.1」を乾杯や前菜、「No.2」をメイン、「No.3」を〆など、料理に合わせて飲み進めるもよし。ディナーに合わせてじっくり飲みたいワインです。


今回は、個性豊かな顔ぶれ揃いの“ショップのオリジナルワイン”をご紹介しました。どれも魅力的で選び難いですが、「ベストうち飲み大賞」を選ぶなら、低アルコール飲料が気になっていることもあって、とにかくグビグビ飲める「じゃろ?」でしょうか。ワイナリーの技術や努力にショップ側のアイディアや情熱が合わさって誕生したワインは、人と人のパワーが引き起こす“おいしい”化学変化の賜物。そこに込められたストーリーを知れば、ワインがもっと身近に感じられること、もっとおいしく味わえること請け合いです。少量生産の限定品ばかりなので、大切な人へのギフトにもぴったり。手土産にしても、きっとそこから会話が弾むはず。情熱のワインたちが、よりうち飲みライフを楽しくしてくれますよ〜!

edit&text:Naoko Monzen

【うち飲み向上委員会メンバー】

門前直子(もんぜん なおこ)
食べること&飲むことが大好きなフリーランスエディター/ライター。エンゲル係数がやたら高いものの、日々見て見ぬ振り。昨年セレクトショップ「ガリャルダガランテ」からスタートしたライフスタイルライン「カーサ ガリャルダガランテ」でも、月替りのお酒(ワインのほか、日本酒やシードルなども)とフードのセレクトを担当。https://www.instagram.com/gkgkmgmg/?hl=ja

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