ワイン好きなら即チェック! サイゼリヤの限定店舗ワイン
ライターYOKOMIZO (以下Z )今回は定番メニューに加えて、ワインの種類が多い店舗で提供しているメニューからも、チョイスしました。
田邉公一さん (以下T )スペシャルワインもお値段以上のおいしさで驚きました! 定番ワインと合わせて、メリハリのあるラインナップになったと思います。
エディターAKIYAMA (以下A )テイクアウト可能なフードとのペアリングもぜひお試しを。「ベストうち飲み賞」もお見逃しなく!
お手本みたいな赤ワインの味「マグナム赤」
マグナム赤〈1,500ml〉¥1,100/サイゼリヤ
T トップバッターは、全店舗共通のグランドメニューより赤の「マグナム」。前回は白の「マグナム」をいただきましたが、赤の「マグナム」も飲んでみたいなと思いまして。産地のモリーゼはすごく小さな州。イタリア半島をブーツで例えると足首あたりに位置し、白の「マグナム」も同じ場所で造られています。トスカーナのキャンティ、ピエモンテのバローロなどメジャーなワイン産地と比べると、穴場的存在かな。
Z 店頭で提供しているグラスワインは、1杯¥100なんです。「マグナム」には同じハウスワインが詰められているのですが、1,500mlあるので1杯100mlとして、グラスあたり¥73くらいの換算になる。つまりマグナムはめちゃお得!!!
T リーズナブルなワインでありながら、全体としてのバランスの良さを感じます。中庸さが個性となっていて、テーブルワインとしてすごく優秀 。
A 安心・安定感が抜群ですね。
T 品種の記載はされていなかったんですけど、おそらくモンテプルチアーノを使っているのではないかと推測。中部イタリアのメイン品種ですね。適度にタンニンがあり、まろやかな酸味、地中海性気候による熟した葡萄の味がちゃんとします。
A ペアリングは「ミラノ風ドリア」をおすすめされていますが?
T サイゼリヤの人気定番同士のペアリングにしました! このワインのコンセプトは、メニューにも記載しているように“何にでも合う”。ミラノ風ドリアとはミートソースの風味と、赤ワインのニュアンスがマッチしますよ 。
Z 開封した「マグナム」は早めに飲みきりたいところですが、何かアイデアはありますか?T 赤ワインをジンジャーエールで割る、キティというワインカクテルがおいしいですよ。1対1の割合で、氷も入れてOK 。清涼感があり、アルコール度数も下がるけど、赤ワインの香りは楽しめます。
おいしさがワンランクアップ! 華のある白「バケレット」
バケレット〈750ml〉¥2,200/サイゼリヤ
Z もっとサイゼリヤのコスパ最強ワインを知りたくありませんか? つまらないじゃないですか、高級ワインをチマチマ飲んでいても。
A 『地面師』たち構文(笑)。それで、どんなワインなの?
Z サイゼリヤには、ワンランク上のスペシャルワインを提供する店舗 があるんです。とはいっても市場に比べれば、リーズナブル! お酒好きなら、ちょっと足を延ばしてでも試してほしい。
T 僕もずっと気になっていたんです。この白ワイン「バケレット」は中部イタリアの代表的なワイン産地であるマルケで造られていて、品種はベルデッキオ 。
Z アロマティックな香りですね、おいしい!
T 本来は柑橘っぽさやディルとかのハーブのニュアンスが特長的な葡萄ですが、このワインはより華やかに仕上げていますね。青リンゴやマスカットの香りと、フローラルなニュアンスがあり、飲んだ時はまずジューシーな果実の甘みが印象的。そしてきれいな酸があり、後味は爽やかです 。
A バケレットは¥2,200! サイゼリヤでは高額カテゴリに入りますが、外食で¥2,000台はお安い。
T フルーツの熟れた感じもあり、単純に軽快なワインというのではなく、¥5,000〜6,000ぐらいのポテンシャルがあるおいしさだと思いますよ !
A ワインに合わせたのは、「バッファローモッツァレラのマルゲリータピザ」。ペアリングのポイントは?
T マルゲリータの発祥はナポリで、そのエリアで造られているフィアーノというワインとバケレットのフレーバーが似ているんです 。そしてマルゲリータはピザの中では軽やか。トマトソースの酸味やフレッシュチーズの爽やかさが、白ワインと合う 。
Z 確かにマルゲリータは白ワインが合いますね! これまでなんとなく、ピザには赤ワインを合わせがちでした。
T トマトソースと白ワインは意外と合うんですよ。あるいはロゼかな。キンキンに冷やすと香りの個性を抑えてしまうので、冷やしすぎないようにご注意を。
肉料理に合わせるならこれ一択「キャンティ」
キャンティ〈750ml〉¥1,100/サイゼリヤ
Z この「キャンティ」は全店舗で取り扱っている定番です。どうぞ!
T ちょっと余韻が酸っぱいでしょう? これが葡萄のサンジョベーゼらしさなんです。赤ワインなんですけど、後味に酸が残る感じ。より重厚なタイプである「キャンティ・クラシコ」と比べると、ライトな感じに仕上げていてフルーツ香も赤いベリー系 。
A 飲みやすいですね。果実味が主体で甘酸っぱい印象 。
T でもね、「キャンティ」は基本的に辛口なんですよ。タンニンはきめ細やか、樽熟成のニュアンスをつけず比較的フレッシュな味わいが特徴です。キャンティをブラインドで飲むと、ピノ・ノワールと間違える人もいるくらい 。
Z そして田邉さんおすすめの「ソーセージピザ」とのペアリングがうま〜! T トスカーナ州の赤ワインはソーセージともよく合います。家でベーコンとトマトソースのパスタを作るのもいい 。ペアリングがうまくいくと、味が立体的になるんですよね。第三の味みたいなものが出てくる。僕はサイゼリヤこそ、ペアリング次第でおいしさが倍増すると思います。
A お手頃価格でぐびぐびいけるので、皆さんもぜひペアリングをあれこれ試してみて!
ファミレスの常識を変えるリッチなテイスト「サリーチェサレンティーノリゼルバ」
サリーチェサレンティーノリゼルバ〈750ml〉¥2,200/サイゼリヤ
Z こちらの赤は限定店舗のスペシャルワインです!
T やはり高級感がありますね。香りも複雑で、凝縮感がある。産地は南部のプーリア、品種はネグロ・アマーロと記載されていて、地元で有名な葡萄品種で造られています 。「ネグロ」は黒い、「アマーロ」は苦いという意味。ブラックベリー系の凝縮した果実味とコク、あとフルーツの熟した甘みがありますね 。
A 熟れた感じ、わかります! 太陽をいっぱい浴びていそうな、たっぷりとした果実味。スペシャルワインはこちらで2本目、今までのところ印象はいかがですか?
T 洗練された味がしますよね。ワインラバーも十分に満足できると思います。ただ、これだけのクオリティならガラスのワイングラスがあったらいいのにな。ガラス製で口がすぼまったグラスで飲むと、おいしさが上がるはず。
A 確かにこのおいしさでプラスチックというのはちょっともったいない気がします。
Z ペアリングは「辛味チキン」と 。ソフトドリンクと飲んだらスナック的に楽しめるけど、ワイン合わせだとぐっと深みが出るような。これが第三の味か〜っ!
T 辛味系の味わいって結構ペアリングが難しいんです。タンニンが強いと、辛味が立ってしまう。ワインの甘みで包みこむようなイメージで、この組み合わせにしました。一緒に食べると、甘辛い系の味が楽しめる。家でチョリソーを焼いて、おつまみにするのもおすすめ 。
昼も夜も! スパークリングで乾杯「ドンラファエロ」
ドンラファエロ〈750ml〉¥1,100/サイゼリヤ
T このスパークリングワインは全店舗で飲むことができる1本。プロセッコ的なワインを狙ったんじゃないかな。カジュアルで手頃、幅広い料理にマッチして、多くの人がおいしいと感じるタイプです。
A スパークリングワインがボトルで¥1,100 ! めちゃめちゃお値打ち価格ですが、泡として味わい的には合格点ですか?
T はい! ほどよい酸があり軽快、青リンゴっぽい香りでフルーティ。誰からも嫌われない味で、昼からぐいぐい飲みたい感じですね 。最近、サイゼリヤ創業者である正垣泰彦さんの著書を読んだんです。値段を考えずにとにかく好きなものを頼んでほしいというのがお店のコンセプトだと仰っていて、それはすごく幸せなことだなと思いました。好きなものを気にせず食べられたら、よりおいしく感じられますから。
Z ワイン好きでこだわりたいという人は、スペシャルワインをオーダーして、あれこれ考えずに頼みたいという人はグランドメニューから気分でチョイスしてもいい。ニーズに合わせて、差別化できているのが素敵ですね。
A スパークリングワインは良い意味での甘みがあって、飲みやすい 。
T キンキンに冷やしていただくのがおすすめです 。
A ペアリングは「たっぷりコーンのピザ」。意外なチョイスでした!
T ホワイトソースと白葡萄の組み合わせにしたくて、このメニューを選びました。肉系の脂ではなく、コーンでフレッシュに。互いの甘みが合いますよ 。家で料理するならコーンバター、ツナコーンのサラダなどを作ってみてはいかがでしょうか。
〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表!〜
A 定番もスペシャルもどちらの良さも発見できた今回。比べるのは難しいところですが、あえて大賞を選ぶとしたらいかがですか?
T 「サリーチェサレンティーノリゼルバ」 は素直においしかったので、ホームパーティでボルドーグラスに注いで、みんなの反応を見てみたい。全く情報なしだとしたら、¥2,000とは思わないでしょうね!
Z 本当においしかったです。飲みごたえ十分で期待は裏切りませんよ。
T もう1本は「マグナム」の赤 。前回も白の「マグナム」を選びましたが、やはりコストパフォーマンスが最強です!
A 皆さんもぜひ、サイゼリヤでワインを楽しんでみてくださいね。※今回紹介したメニューは2024年9月22日現時点でのものです。