T ワインとフードの関係は、格が合っているかが大事。トリュフとフォアグラ、いわゆる高級食材となら、より風味が強く複雑性と凝縮感のあるワインが合いますが、逆も然りで。デイリーなイタリア式の食文化を体現するサイゼリヤのコンセプトに合っていて、メニューと相性のいいワインがちゃんと選ばれているなと思います。
A トップバッターは微発泡のランブルスコ。なんといって飲みやすさが魅力、高級スパークリングに比べて価格がお手頃なことも嬉しいんですよね〜♪
T とはいえ、このランブルスコセッコの¥1,100という価格には驚きました。安すぎます!! ランブルスコはテーブルワインなので、ラフにタンブラーグラスとかで飲んでもOK。そういう意味でも、イタリアのカジュアルな食卓をイメージさせるサイゼイヤのスタイルとバッチリ。
Z 後ほどロゼのランブルスコも紹介しますが、こちらは赤ですね。そもそもランブルスコは、どうしてリーズナブルなんでしょう!?
T 種類は辛口も甘口もあり、赤とロゼがほとんどですが、白も造られていますよ。ランブルスコはタンク内二次発酵で、プロセッコと同じ醸造方法です。熟成なしでリリースするので、軽快な味に。一度にたくさんのワインを生産することができるためコストダウンがしやすく、リーズナブルな価格での提供が可能に。長期熟成するのではなく早飲みするワインなので、じゃんじゃん飲むのが正解です!
Z このランブルスコセッコは渋みが少なく爽やかな飲み心地。我らのジェダイマスター、田邉さんの教えの通り、じゃんじゃんグラスが進みます! 飲むタイミングとしては前菜から飲みたいですね、最初の一杯として。
T ランブルスコはいい意味で造り手によって大きく品質に差がないワイン。シンプルでフレッシュ&フルーティな味わいが特長です。これは比較的酸味が立っていて、ドライに仕上げているタイプ。食中酒向けに造られていますね。
A ペアリングは何を合わせましょう?
T ランブルスコの主要産地はエミリア・ロマーニャ州。この辺りにはパルマという街があって、パルミジャーノチーズとか生ハムなどの食材で有名です。テロワール合わせで、ランブルスコと生ハムのペアリングはすごく相性がいいんですよ。
Z では、まず「生ハムとバッファローモッツァレラの盛合せ」をオーダーしましょう!
T いいですね。メインはパンチェッタ入りの「パルマ風スパゲッティ」がベストマッチ。トマトやきのこも合うので「野菜ときのこのピザ」もおすすめですよ。
規格外のプライスとおいしさ! 「マグナム白」
T 1500mlで¥1,100ですよ! これは規格外。一般的にグラス一杯は100mlなので、およそ15杯飲めます!
Z 先日行った銀座のワインバーは、グラスワインが¥1,500スタート。グラス一杯よりも安いマグナムボトルってどういうこと!? このマグナムボトルの凄さを表すならば規格外なあの人しかいない、『呪術廻戦』の五条悟です。マグナムボトルに五条が封印され、サイゼリヤ事変が起きました。
A ありえない価格だけど、マグナムボトルは特級呪物じゃないし、事変は起きてません(笑)。ここはピースフルですよ! サイゼリヤのハウスワインは、赤・白ともにイタリアの契約ワイナリーで造られているオリジナルなんです。グラスだと¥100。自販機の水より安いってもう入店とともに飲むしかない!
T めちゃくちゃ安いけど、品質的には全く文句をつけるところがありません。イタリア中部のモリーゼ州で造られていて、葡萄畑には地中海からの海風が。香りはニュートラル、柑橘系の爽やかなフレッシュな味わいでドライな仕上がりです。
Z 味わいはマスカットっぽく、清涼感があってグビグビいけますね。これはもう大人のポカリです♪
A 中の人のお話によると、ゴルフ帰りの人などが打ち上げ的に利用するケースは多いみたいだよ。このメガサイズボトルが出てきたら、確かにテンションが上がるよね!
T 海外ではある程度人数がいて、たくさん飲みたい時にマグナムボトルを頼むことは多くて、やっぱりこれだけ大きいと盛り上がりますよね。サイゼリヤは現地の暮らしをすごく意識していて、文化を広めるという意味合いでもマグナムがあるのではないかなと思っています。
A ボトルは持ち帰ることができるから、デキャンタを頼むか悩むなら、マグナムいっちゃいましょう! 店内で3杯くらい飲んで、家に帰ってまた飲んで! ペアリングはいかがでしょうか?
T イキイキとした柑橘のフレーバーに塩味が伴っていて、サラダや前菜にぴったり。「グリーンサラダ」、「モッツァレラトマト」、「柔らか青豆の温サラダ」とヘルシーなペアリングをどうぞ!
シーフードの気分にはコレ一択「ベルデッキオ」
T この白に使われているベルデッキオという葡萄は、シーフードと抜群に合う品種なんですよ。
Z イタリアの土着品種ですか?
T はい、マルケ州の地元品種で、アドリア海に接しているエリアです。魚型のワインボトルを見たことないですか!? あのボトルに使われている葡萄がベルデッキオ。海の香りとか、塩気を伴うような爽やかな味わいが特徴的。もともとリーズナブルな品種ですが、それにしてもサイゼリヤは安いですね(笑)。
A あの魚ボトルと同じ品種なのですね。フローラルなアロマとグレープフルーツを思わせる果実味、夏っぽい味がする〜♪
T サイゼリヤなら「小エビのカクテル」や「ムール貝のガーリック焼き」とぜひ。海沿いのレストランで食べるようなペアリングを楽しんでください。クリーミーな味付けより、あっさりオイル系や柑橘の風味が合うので、メインは「スープ入り塩味ボンゴレ」でいかがでしょう!
リピートしたくなる心地よい甘口「ランブルスコロゼ」
T ランブルスコロゼはチェリーやシナモンの香りが広がって、ほんのり甘く、デザートとのペアリングがイチオシ。とはいっても、チョコとの組み合わせはミスマッチ。ランブルスコには、濃厚で重い味付けは合わないので、軽やかな味のものがおすすめです。家だったらフルーツ盛り。サイゼリヤだったら「ジェラート&シナモンプチフォッカ」と一緒にどうぞ!
Z ベッタリとした甘さの甘口ワインは苦手だけど、ランブルスコ ロゼのストロベリーのような甘さはおいしいです! 酸でキュッと引き締まる。
T 甘口が好きな人なら食中も問題なくペアリングできますよ、微発泡かつ酸があるので最初の一杯にもぴったり。「爽やかにんじんサラダ」や「モッツァレラトマト」など、フルーティな甘みがあるメニューに合います。
肉料理のベストパートナー! 「キャンティ ルフィナ リゼルバ」
T サイゼリヤで提供しているワインは、すべてイタリアワイン。イタリアの赤ワインの代名詞ともいえるキャンティも押さえていて、さすがです。キャンティを造っているエリアの中には、格上とされる7つの特定地域があります。このワインの産地であるルフィーナは、その選ばれし特定地域のひとつで有名。メニュー表の説明に、大樽で3年間熟成という説明書きがありますが、これ相当すごいですよ!
A さらっと記載されていて見逃しそうですが、皆さん注目ポイントです! つまり、どういうことですか!?
T 葡萄が強くないと酸化熟成に耐えられないので、イコールいい葡萄を使っているということ。そして熟成させることにより、より複雑性のある風味が生まれます。味わいも落ち着き、よりまろやかに。それで¥2,200は考えられないですね! ちょっと高いワインを飲みたいなという気分や、ワインラバーのニーズを満たしてくれる一本だと思います。
Z 少しタンニンを感じる、チョコレートっぽいニュアンスがあります。柔らかな口当たりで、フードフレンドリーな赤ですね!
T ランブルスコの軽快な味には、ソーセージやハムのような適度に脂質のある加工肉が合いますが、脂がもっと多い食材にはこのキャンティがおすすめ。シンプルな味ではなく、深みと複雑性を感じられ、タンニンと酸の豊かさががこってりとした脂と合うんです。
A おっしゃる通り、お肉が食べたくなる味わいですね。「ミートソースボロニア風」といただけば、エナジーもフルチャージ!
T キャンティはサンジョベーゼという品種が使われています。サンジョベーゼは、トマトの香りがするとか、黒オリーブの香りとよく評されるんです。酸味もちょっとトマトっぽいので、トマト系のパスタとのペアリングは間違いなし! 牛肉100%の「イタリアンハンバーグ」もおすすめ。肉の旨みと熟成からくる溶け込んだタンニンが合いますよ。
〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表!〜 Z サイゼリヤで、まず飲むべきワインを上げるならいかがでしょう?
T ランブルスコと聞いて一般的にイメージするのは赤。サイゼリヤでは「ランブルスコロゼ」が飲めるのでぜひ試してほしいですね! 甘みがあるので、色んな人が飲みやすいし、食前・食中・デザートとどのタイミングにも合うのもうれしい。
A 「マグナム白」もやはりサイゼリヤならでは! T コストパフォーマンスの良さはもちろん、マグナムを気軽に飲めるというのは楽しいですよね。皆でシェアして飲んだり食べたりする、イタリアの文化を体験してほしい!
Z 高級レストランやおしゃれビストロは、お酒を飲める人や大人オンリーなこともあるので、どんな人も一緒に気兼ねなく楽しめるのもいいですよね。今晩はサイゼリヤ飲みで優勝しちゃってください♡ ※今回紹介したメニューは2024年3月16日現時点でのものです。