柚木麻子さんの描く壮大なファンタジーを、実写化しました!(編集I)

SPUR6月号の巻頭特集『LOVE YOURSELF もっと私を好きになる』では、作家の柚木麻子さんに短編小説を書き下ろしていただきました。「自信のない女の子が、ファッションの力によって自分自身の魅力に気づき、内面を解放していく物語」をお願いしたところ、快くOKのお返事をいただきました。初めての電話打ち合わせでの柚木さんの第一声は、「ステファニーがいてね……」。そこからすらすらと語られるストーリーは、ものすごくカラフルで、ダイナミック。物語のあらすじを聞き終えたときには、まるで壮大な映画を観たあとのような爽快感が。その日以降、スタッフ一丸となってこの物語の実写化に向けて奔走しました。

朝目覚めたら、いつも遊んでいたドールハウスが実物大になっていた……。幼い頃そんな夢を見ていた方、多いのではないでしょうか。今回のストーリーで、その夢が実現したのです!こちらは、人形用の小さなドールハウス。小説に出てくるマッチ箱を重ねたタンスや、プリンのカップを裏返しにしたテーブルまで再現しています。手掛けてくださったのは、美術デザイナーの中村桃子さん。人形のステファニーがまとうふわふわのドレスは、スタイリストの吉田佳世さんが作成しました。

そしてこちらは、実物大に膨らんだドールハウス。この巨大なセットでは、壁紙から鏡まで先ほどの小さなドールハウスを再現!

マッチ箱のタンスの実物大


プリンカップのテーブルの実物大

この特集には、大切なメッセージが込められています。キラキラしている人をうらやましいと思うことって、誰にでもあると思います。きれいだからとか、スタイルがいいからとか、頭がいいからとか。でも「私は違うから」といって、いろんな可能性を諦めてしまうのは、すごくもったいないことだと思います。なぜなら人の魅力とは、その人が何を好み、誰と出会い、どんな行動をして、どんな場所へ行くか……その積み重ねによって形成されるものだから。「私なんて」と思う日も、新しい服をまとって一歩外へ出たら、思いもよらないドラマが起きて、昨日よりほんの少し自分を好きになれるかもしれません。服がもたらすそんな「自己肯定感」の効用を伝える極上のファンタジー、ぜひ動画と誌面でお楽しみください。

 

 

SPECIAL MOVIE



movie:Gen Yoshida  story: Asako Yuzuki photography: Fumi Homma  styling: Kayo Yoshida
hair: Takayuki Shibata〈SIGNO〉 make-up: NOBUKO MAEKAWA〈Perle〉
artwork: Momoko Nakamura〈momonoma〉model: Emily Fujita, London, Jay
FEATURE