1947年の創業当時から、類まれなるエレガンスと革命的なクリエーションで世界中の女性を魅了し続けるパルファン・クリスチャン・ディオール。2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成期限である2030年まであと8年。中間地点を迎えた今年、メゾンは新たなロードマップ「BEAUTY AS A LEGACY 2030」を発表した。花々のパワーを生態系保全に活用することを中心に据えた、メゾン独自のプログラムに迫る。
美しさを継承する、花々が主役のサステイナビリティ戦略
パルファン・クリスチャン・ディオールの製品を象徴する成分は、すべて花を原料としている。ムッシュ・ディオールの花への深い愛を受け継ぐメゾンの研究者たちは、最先端の科学を取り入れながら花々の謎の解明に取り組み、他ブランドが真似できない革新的な製品の数々を世に送り出してきた。今後のメゾンの社会的および環境的な責任を果たすためのロードマップとして発表された「BEAUTY AS A LEGACY 2030」の中でも、主役となるのは花々の存在だ。メゾンのフレグランスやスキンケア、メイクアップの原点である花々のパワーを活用し、危機にさらされている生物多様性を保全することに重きを置いている。
今後10年間の行動指針をまとめた「BEAUTY AS A LEGACY 2030」計画では、再生型花栽培以外の重要な取り組みについても言及されている。まず喫緊の課題である気候変動に関しては、地球の温度上昇を+1.5℃に抑えるパリ協定と歩調を合わせることを強調。そのために、原料調達から商品販売までのバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を、2030年までに46%削減(2019年比)することを明確にしている。すでにフランスの全拠点では100%再生可能な電力が使用されており、2023年までにバリューチェーン全体での再生可能エネルギー使用率100%達成を目指す。