高層ビルがひしめく都心の一等地、JR原宿駅から歩いて15分ほどの場所に、テニスコート7面分もの農園が広がっている。「原宿はらっぱファーム」と名付けられたそこは、人と人がつながり、笑顔と資源が循環している場所だった。
原宿の真ん中に生まれた、前例のない期間限定の農園
東京都内の農地面積は約6,290ha(2023年時点)と少なく、都の総面積の3%にも満たない。さらに、ここ10年で1,190haの農地が失われている(東京都産業労働局のHPより)。そんな中で、2025年4月、店舗や住宅などが建ち並ぶ渋谷区の一角に、「原宿はらっぱファーム」は誕生した。
プロジェクトリーダーの安西美喜子さんが、広大な空き地の存在を知ったのは5年前。原宿エリアに移り住んで間もない頃だった。「かつて印刷局の宿舎があった財務省管轄の国有地が、借り手がつかず空き地になっていました。ひと目見た瞬間にインスピレーションが湧いて、ここで農業がしたいと思ったんです」
期間限定の原宿はらっぱファームは、国との約束で2026年1月で閉鎖されることが決まっている。ただし、来年以降も何らかのかたちで継続できないか、安西さんたちは可能性を模索しているという。
「建築家の藤原徹平さんが主宰するフジワラボという建築事務所が、ファームの存続を願ってここに小さなパビリオンを建ててくださることになりました。また、オーガニックの土を開発している金澤バイオ研究所からは、来年以降も続けてほしいという嘆願書をいただいています。ファームの活動に賛同し、一緒に考えてくださる方々がいらっしゃるので、多くの方を巻き込んでいけたらと思っています」
アスファルトで覆われた都心で、自然の土に触れられる場所は貴重だ。原宿の真ん中に生まれた期間限定の畑は、さまざまな人たちを引き寄せている。目指すのは、笑顔と資源の地域循環。人と人のつながりがあることで、解決できることはもっとたくさんあると、安西さんは言う。残された期間は約半年だが、どんな実りと収穫があるのだろうか。ぜひ足を運んで体験してみてほしい。








