初心者でも始めやすいと注目されるダンボールコンポストに、SPUR.JPエディターが初挑戦! コンポスト愛好家の山内彩子さんにポイントをレクチャーしてもらいながら続けた結果……? 初心者に嬉しい「ダンボールコンポスト」とは? ダンボールに基材(もみがらくん炭、ピートモスなど)と生ごみを混ぜて微生物の力で分解させる簡易コンポスト。身近なダンボールでつくれて、ダンボールの大きさによってサイズも調整できるのでマンションやアパートなどでも始めやすいのが魅力。 手に入りやすい材料・道具でスタート 基材となるピートモス、もみがらくん炭はホームセンターの園芸用品コーナーなどで購入できる。ダンボール全体を覆う布袋は、虫の発生を防ぐためにマスト! 生ごみを入れ、かき混ぜたらすぐに袋で覆うことで、虫の混入を防ぎ、虫に産卵されない状態を維持する。山内さんのダンボールコンポストの特徴ともいえるステンレス製のカゴは、ダンボール箱を補強する目的で考えられたもの。 おすすめの置き場所は「屋根のある屋外」 ダンボールコンポストは通気性をよくするのがポイントとなるため、屋外に設置するのがおすすめ。ダンボールの底から水分が逃げるので、ブロックなどに乗せて底上げし、床から数センチ離して置く。また、雨でダンボールが濡れると壊れやすくなるため、屋根の下に設置しよう。 虫が発生した場合は、発酵を促すことでコンポスト内の温度を上げて死滅させる。米ぬか、残り油を入れてよくかき混ぜ、高温を維持して様子を見よう。それでも虫がいる場合は、ダンボールの中身を黒いごみ袋に入れ、口を結んで直射日光に当ててみよう。袋内を高温にすることで虫を死滅させ、またダンボールに戻して再開できる。水分過多になると腐敗臭の原因になるので、コンポストの水分が多くなりすぎたときには1〜2回生ごみの投入を控え、よくかき混ぜて発酵・分解を促し、必要であれば基材や米ぬかを追加して水分を調整する。 身近な“菌”が分解を助けてくれる! 乳酸菌や納豆菌も、コンポストの中で働いて生ごみを分解してくれる微生物。水分を加える際に、 納豆パックやヨーグルト容器を洗った水を使うなど、容器に残った菌を入れてみよう。コンポストにあまり変化がない場合は、米ぬかや残り油を入れると発酵が促される。 堆肥になったらプランター菜園で自宅サーキュラーエコノミー! 一台のコンポストが生ごみを分解できるのは約3ヶ月。投入した生ごみの量やコンポスト内の状態にもよるが、分解しにくくなったと感じたら、この期間を目安に生ごみを投入するのをストップしよう。 その後、最後に投入した生ごみを分解させるために数日間は毎日かき混ぜ、生ごみが十分分解されたら週に一回程度かき混ぜて水分調節をし、熟成させる。できあがった堆肥は土に混ぜて、自宅のプランターやガーデニングで使用して。そこで収穫した野菜をいただけば、自宅でサーキュラーエコノミーが実現。もし、自宅で使わない場合は、PART1で紹介した自治体の回収など、活用できるサポートも。 コンポスト愛好家/山内彩子サステイナブルな生活を綴るライフスタイルブロガー。なかでもダンボールコンポストを分析、改善していくコンテンツが人気。著書『暮らしが整う家づくり』(大和書房)。自身のブログでダンボールコンポストの始め方や続けるコツなどを紹介。ステンレス製のカゴを使ったオリジナルのコンポストは見た目もナチュラルで素敵。漫画家/谷口菜津子漫画家・イラストレーター。Webや雑誌などで幅広く活躍。愛猫や日々の食を綴ったSNSも人気。著書『教室の片隅で青春がはじまる』(KADOKAWA)で第26回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。 日本のごみ問題で“生ごみ”が重視される理由とは?【PART1】