2021.09.22

愛する人を大事にするために、知っておくべき体のこと。ぺこ&りゅうちぇる夫妻が語る、生理と性教育


日頃から生理や性教育について、二人でオープンに語っているというぺこ&りゅうちぇる夫妻。りゅうちぇるさんはテレビ東京で放送された番組『生理CAMP2020』にも出演し、生理についての知識も深い。現在3歳になる息子の育児真っ只中の二人に、今考える生理と性教育についてインタビューした。

家族から自然に学んだ生理のこと

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―― 二人の間で生理の話をするようになったのはいつ頃ですか?

りゅうちぇる(以下、り):「こんにちは、生理です」っていうくらい、なんのきっかけもなく普通に話していました(笑)。

ぺこ(以下、ぺ):そうだよね。私も最初から「今、生理やねん」って言っていた気がします。小学校の時から生理が恥ずかしいという感覚はなくて、なんでナプキンを隠すのって思ってたくらい。だからりゅうちぇるにも普通に話していました。

―― りゅうちぇるさんは生理について学校で教わりましたか?

り:まったく習っていないです。保健の授業は男女で分けられて、男子は自分の体の成長について習うだけ。ただ、僕にはお姉ちゃんが3人いて、3人分の違う生理の症状を見られたことが大きい経験でした。家の中ではお姉ちゃんもお母さんも生理のことをオープンに言ってたし、生理についてはあまり知らないお父さんまで会話に入ってくる(笑)。このお姉ちゃんはお腹が痛くなるけど、このお姉ちゃんは機嫌が悪くなるとか、頭が痛くなるとか、みんなの様子を見ることで生理のことを知るようになりました。

だから「生理は恥ずかしがることじゃない」という感覚をもっていて、その後、好きな人ができたときや、仕事場に女性がいるときなど、いろんな場面で役立ちました。

ぺ:うちも家族ではオープンに話すほうです。

―― 息子さんは3歳とのことですが、性教育についてはどう考えていますか?

ぺ:もう始めています。息子はバービー人形で遊ぶのが大好きで、よく人形の洋服を脱がすので、そのときに「お人形はいいけど、お外で友だちや友だちのママや先生に、『おっぱい触らせて、見せて』と言っては、絶対にダメだよ」と伝えています。また、「もし逆に、大事なところを触らせて、見せて、と言われたり、実際に触ったりされたら、思いっきり『ノー』と言っていいんだよ」とも、1歳半くらいから言い聞かせています。

生理についてはまだ難しいとは思いますが、私が生理のときに息子がトイレに入ってきて、「これ何?」って聞くので、「女の子は大きくなったら、こうなるんだよ」と言っています。出先のトイレでナプキンの販売機を見て尋ねてきたときも、「これはナプキンだよ。ママもつけているときがあるよね」と、濁さずに話しています。

異性や性のことも濁さず伝える

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―― りゅうちぇるさんは、父親の立場として性教育をどう捉えていますか?

り:自分の愛する人を大事にするためにも、相手の体のことを知るのが大切ですよね。自分のことしか考えない人には、なってもらいたくない。相手の体を思いやる気持ちは、急には生まれてこないから、小さい頃からの土台作りはとても大切だと思ってます。人形の服を脱がせる遊び方をするのは当たり前の年齢なので、それをやめさせるのではなく、「このままだとお外に持っていけないね」という言い方をしています。ぺこりんが言ったように、濁さないってとても大切。異性や性のことも濁さず教えないと、余計に怪しいというか、美化してしまうと思うから。

例えば男兄弟の中で育つ男の子はナプキンのCMでしか生理にふれる機会がないので、生理の血は青いと信じている人もいるそう。一人暮らし男性の家のトイレにゴミ箱がないのも、ナプキンは水に流せると思っているからだったり。でもそれって、何も教えてもらっていないから知らなくても仕方がないんです。そういう意味でも、性教育は大切。心に寄り添うだけではなく、体に寄り添うのって愛だと思うから、当たり前になっていけば良いなと思います。
僕やぺこりんは、生まれ育った家族という人間関係の中で、知らず知らずのうちに異性の勉強をしていたけれど、息子は今ひとりっ子なので、正しい知識をしっかり与えていかないとなと思っています。

―― ぺこさんは普段どんな生理用品をお使いですか?

ぺ:生理痛は出産するまで全くなかったくらいで、毎月きちんと来るほうです。特に困ったこともなかったので、断然、ナプキン派。中学3年生くらいのとき、海での撮影の仕事と生理の日が被ってしまったことがありました。脚の見える服だったからタンポンにしないといけなくてその時に初めて使ったんだけど、とにかく気持ちが悪かった。だから今でもあまり積極的には使いません。月経カップとかもよくわからないから、生理用品の知識はりゅうちぇるのほうがあると思います(笑)。

り:月経カップっていうのは、細長くて、シリコンでできていて、それを曲げて……。

ぺ:入れるの!?

り:うん。そしたら中で、ぱっと膨らむ。

ぺ:カップに血がたまるってこと? それで、漏れないの? 

り:コツを掴むのがちょっと大変、というか、時間がかかるらしいよ。

ぺ:ほら、私よりも詳しい(笑)。女性をわかってあげようっていう気持ちを、すごく感じるのでありがたいです。

伝えたいことは伝えて、向き合うことで深まる絆

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―― 生理について語るか語らないか悩んでいる女性に伝えたいことは?

り:男性にとって生理って何から調べればいいかわからないから、「わからないなら調べて」という分野でもないんです。日本の教育では生理についてあまり教えてくれないので、男性が知識を深められるかどうかは、僕のように家庭環境などにもよるから、伝えられるなら女性側から生理のことを教えてもらえると嬉しいです。しっかり向き合ってこそ、絆も深まると思います。もちろん、正直触れないでほしい、気づかないフリをしてほしいっていう人は無理にシェアしなくてもいい。


ぺ:女性同士だって言わなきゃ伝わらないこともあるから、異性ならなおさら。たとえば、「お腹が痛いから毛布を持ってきて」とか「頭が痛いから寝させて」とか、意図を伝えることが大事です。そこを抜かして「あー、眠い」ばかり言われたら、相手だって「なんでそんなに眠いの?」と思うし、そしたら「なんでわからないの?」と相手にイライラすることになり、悪循環しか生まれないですよね。もし触れないで欲しくても、それだって伝えないとわからないと思います。

り:こんな話を聞いたことがあります。男性上司から「今日はうまくいかないよね。わかるよ」みたいなことを言われて、「気持ち悪い、生理のことは知らないフリをしてほしい」と女性社員は思ったと。一方で「ああ、優しいな」と思う女性もいるだろうし、同じ対応でもどう感じるかは本当に人それぞれ。だから、女性側には「私はこうしたいです」と、あからさまにする勇気が必要かなと思います。自分自身のためにもね。

ぺ:自分の子どもが小学生、中学生になったとき、生理はもっと当たり前のように語れるようになってほしいと思います。

り:上の世代の人には、「生理なんて、男の子のいる場で言っちゃダメ」という考えの人もまだ多いと思います。でも、そもそも、何を恥ずかしがり、タブーに思っていたんだろう。僕たちはいろいろな分野において、「そもそも」について考え始めた世代なのかなと思います。

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