睡眠計測デバイスをはじめとした、スリープテック市場が盛り上がりを見せている。
睡眠の質は、仕事のパフォーマンス向上だけでなく、メンタルヘルスにも深く関わることが広く認知されるようになってきた。自分の身体や生活習慣と向き合う意識の高まりが、その注目を後押ししているようだ。
果たしてスリープテックで記録できる睡眠データは、どう活用できるのか? そして睡眠計測デバイスには、どんなアイテムがあるのだろうか?
睡眠計測デバイスをはじめとした、スリープテック市場が盛り上がりを見せている。
睡眠の質は、仕事のパフォーマンス向上だけでなく、メンタルヘルスにも深く関わることが広く認知されるようになってきた。自分の身体や生活習慣と向き合う意識の高まりが、その注目を後押ししているようだ。
果たしてスリープテックで記録できる睡眠データは、どう活用できるのか? そして睡眠計測デバイスには、どんなアイテムがあるのだろうか?
睡眠サイクルは、身体の動きや心拍数などから計測
「自分の睡眠に漠然とした不安を持っているなら、まずは見える化すること」と話してくれたのは日本発のスマートリング、SOXAI RINGの開発者である渡邉達彦さん。主観的な睡眠は実際の睡眠と乖離していることも多いため、計測を始めることで新たな気づきも多いという。
睡眠計測デバイスが搭載する睡眠トラッキング機能からは、睡眠時間や眠りの深さなど睡眠の質を知るために必要な情報が得られる。そもそも、これらはどのようにして計測されるのだろう? 渡邉さんに伺った。
——般的に睡眠計測デバイスは、どんなメカニズムで睡眠サイクルを計測しているのでしょうか?
問題なく睡眠を取れている人の場合、もちろん寝返りは打ちますが、寝ている間は静止しています。この、静止している状態と動いている状態を判別して睡眠時間を計測する技術によって、だいたい98%くらいの精度でモニタリングすることが可能です。
——睡眠の深さについてはどうですか?
SOXAI RINGの場合は、リングの裏に装備した光学式センサーで毛細血管に光を当て、心拍数や心拍数のゆらぎをモニタリングすることで検出します。眠りが深くなると心拍数は低くなることから判別していきます。
心拍数や睡眠時の呼吸、眠りの深さなど。計測項目はどう見て、何がわかる?
睡眠サイクルや眠りの深さ以外にも、多くの情報を集計して心身の状態を評価してくれる睡眠計測デバイス。各項目のチェックポイントをおさえておけば、睡眠を起点とした健康管理にも役立ちそうだ。
——最新の睡眠計測デバイスでは、体調の変化や活動状態までも可視化できるものが多くあります。SOXAI RINGを例に、各項目にはどんな意味があるのか、読み解き方のポイントを知りたいです。
睡眠の状態を深く掘り下げられるよう、睡眠時間や深さだけでなく、心拍数や呼吸状態などもモニタリングするケースが多いです。一見睡眠と直接関係があるように思えない項目も、睡眠の質を把握するためには必要な情報なのです。
- 睡眠時間
アメリカや日本の睡眠学会でも適切な睡眠時間と言われている7〜8時間を目安に、自分の睡眠時間と照らし合わせてみてください。睡眠時間の確保は自分の行動次第で軌道修正していけるものなので、睡眠に満足できていない感覚があれば、まずは時間から意識するとよいと思います。
- 睡眠の深さ
一晩の眠りの中で、覚醒している時間と、レム睡眠、浅い睡眠、深い睡眠それぞれのトータル時間を検出します。一般的に、レム睡眠と深い睡眠の間に脳がリフレッシュしていると言われるので、この時間ができるだけ長い方が質のよい眠りだと考えます。ただし、睡眠のステージングはあくまで参考値。目安の一つとして見てもらいたいです。
——想像以上に多くの情報が得られることに驚きました。睡眠を可視化する心構えとして、どんなことが大切ですか?
睡眠は1日で改善するものではありません。それに一喜一憂するのではなく、長いスパンでよい睡眠習慣を作るという考え方で計測結果を見てほしいです。ユーザーの方からたびたび「睡眠記録を取ることで安心できた」という声が寄せられるのですが、自分の想像より案外良い結果だったということもあれば、悪かったとしても、可視化した情報から改善していけばいいと前向きな気持ちになれるので、まずは自分の睡眠について理解を深めていきましょう。
健康問題を科学の力で解決し、無病息災を実現することを理念に、世界最小のスマートリング「SOXAI RING」を開発。自身もリングの開発中に睡眠時の無呼吸を自覚し、治療を始めたことで良質な睡眠の素晴らしさに気づいた当事者。
【睡眠記録デバイス紹介】タイプの異なる4アイテム
身につけるタイプのデバイスから、マットレスの下に敷くアイテムまで。望ましい睡眠環境や欲しいデータを起点に、自分のライフスタイルにマッチするアイテムを選びたい。
睡眠デバイスとうまく付き合えたなら、心と体の状態にフィットする眠り方が見つかりそう。自分自身が心地よく過ごすために、テクノロジーの力を借りるのも良いかもしれない。