写真家・石内都がケリングとアルル国際写真フェスティバルによる「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを受賞

ケリングとアルル国際写真フェスティバルは、2024年7月2日(火)、写真家の石内都に「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを授与する。本アワードを記念して、フランス・アルルのサル・アンリ・コントでは石内の個展「Belongings」が開催される。

ケリングとアルル国際写真フェスティバルは、各分野で活躍する、多くの人々にインスピレーションを与えた人物や新たな女性の才能を表彰する「ウーマン・イン・モーション」の写真部門、フォトグラフィー・アワードを石内都に授与する。また、これを記念して、フランス・アルルのサル・アンリ・fコントではフェスティバル開催期間の2024年7月1日(月)〜9月29日(日)まで、石内の個展「Belongings」を開催予定だ。

写真家・石内都がケリングとアルル国際写真の画像_1

第4回木村伊兵衛写真賞を受賞した〈Apartment〉(1978)や、母親の遺品を撮影した〈Mother’s〉(2005)、被爆者の遺品を撮影した〈ひろしま〉(2007〜)などで国際的に高い評価を受ける石内。彼女はその芸術活動において、女性のエンパワーメントの原則を体現してきたとも言える。石内はまた、写真を通して現代社会におけるジェンダー、文化、記憶についての対話を促し続けている。そして、ケリングはKYOTOGRAPHIEとのパートナーシップのもと、石内都と頭山ゆう紀による二人展「透視する窓辺」を昨年支援したという背景を持つ。今回、石内はアルルの古代劇場で行われる授賞式の場で、自身の作品を紹介しながら、彼女の歩んできたキャリアや、写真と社会全般における女性の地位についての考えを観客と共有する予定だ。

今年のアルル国際写真フェスティバルでは石内の個展に加え、ケリングに関わる2つの展覧会も開催予定。ケリングと同フェスティバルが「ウーマン・イン・モーション」ラボの取り組みを通じて開催するのは、日本の女性写真家の貢献に焦点を当て、レスリー・A・マーティン、竹内万里子、ポーリーヌ・ヴェルマーレがキュレーションする「I'm So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now」。もうひとつは、ケリングが支援するKYOTOGRAPHIEによる、細倉真弓、岩根愛、岡部桃、鈴木麻弓、殿村任香、𠮷田多麻希による、現代の日本の女性写真家たちのグループ展「Transcendence」展だ。

発足以来、文化・芸術分野における女性の地位と評価について、考え方を変え、 考察するためのプラットフォームとして選ばれてきた「ウーマン・イン・モーション」。この機会に、芸術や文化の世界に依然として存在する男女間の不平等に目を向けてみてはいかがだろうか。

ウーマン・イン・モーション
https://www.kering.com/jp/group/kering-for-women/women-in-motion/