助産師であり、性教育について発信するシオリーヌさんが、さまざまなジャンルで活躍する人と「ご自愛」を語り合う連載。今回はチャンネル登録者数240万人(2021年8月末現在)という人気・YouTuberのないとーさん(おるたなChannel)をゲストに迎えて、新時代におけるYouTubeの発信方法を聞いてみた。
自分と異なる意見や、下の世代の声を大切に
N 僕らって、インターネットを一般家庭でも普通に使えるようになった頃に小学生だったり、ネイティブじゃないけれど若いときからギリギリ触れることができた世代だと思うんです。だからこそ、自己中心的な大人にならずに、常に若年層に寄り添い、アップデートする必要があると思いますね。
S 狭間だからこそ、両方の意見にちゃんと耳を傾けられるようにしていきたいですよね。ないとーさんはYouTuber限定のシェアハウス「レイワ荘」を運営されていますが、年下の世代の意見に触れることを意識しているんですか?
N そうですね。YouTuberって意外と孤独だったりするので、同業者で情報をシェアできる環境をつくりたいと思ったのがきっかけです。「レイワ荘」があるおかげで、年下の子たちから僕らが教わることもたくさんあります。
S 確かに自分一人だけでやっているときってしんどいですよね。内容も「自分の価値観」だけが反映されがちだけど、ほかの人が入ると気づきもあるのでありがたいです。でも、自分のキャリアが長くなればなるほど、下の世代の意見を素直に聞くのって難しくなりませんか。
N もちろんそれはありますね。でもそのプライドを捨てないと変われないですから。素直でいたいのに、「あ、小さなプライドに固執してる」と気づくと、自分のことが嫌になります。
S わかります。反論のコメントをもらったら、読んだときにはカチンときてしまったりする。でも冷静になって読み返すと「確かにそうだな……」と思うことがあるから、意図的にプライドを捨てるのは大切だと思います。
N そのプライドを捨てられないと、逆に生きづらいですよね。ちょっとずつ崩していかないと。
S 教えてもらえる、指摘してもらえるってことは、「この人は変わってくれるかも」と思われているからで、言われなくなったら終わりだなとも思います。
N そうですね。まさに、「いじりにくいやつ」になったら終わりだなって僕も思ってます(笑)。たとえば笑福亭鶴瓶さんのように、年下からも慕われて、いつまでもいじられる人間でありたいですね。
S 下の世代の声をちゃんと聞き入れられる人でいたいですね。気軽に話しかけてもらえるような。
N そう!いつまでも飲み会の二次会に呼ばれるような大人でいたいんです(笑)。
SOURCE:SPUR 2021年11月号「シオリーヌのご自愛SESSION」
photography: Kae Homma styling: Kotomi Shibahara hair & make-up: Moe Hikida text: Rio Hirai
